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立山・仙人池・水平歩道 縦走の旅 その②
日 時  2017年10月3日(火)~4日(水)
山 域  裏釼(剱沢雪渓~仙人新道~仙人池~池の平山)
天 候  10月3日 曇、 10月4日 小雨のち曇
メンバー  福山 清二
行 程  < 10月3日(火)> 
 剱澤小屋(5:45)~長次郎出合(7:10)~真砂沢ロッジ(7:55)~
二股吊橋(9:15)~仙人峠(12:05)~仙人池ヒュッテ(12:20)(泊)

 <10月4日(水)>
 仙人池ヒュッテ(8:35)~池の平小屋(9:15)~池の平山南峰直下(12:00)~
池の平山南峰(13:35)~仙人池ヒュッテ(15:50) (泊)
 内  容
 3日の明け方に相当強い雨が降った。
 剱岳登山の予定だったが中止したので仙人池ヒュッテに予約の電話をした。auスマホは電波状態が悪く、相手の声は聞取れたが、こちらの声が聞こえないため苦労したがどうにか予約できた。
 仙人温泉小屋は9/9に既に閉鎖されている、池の平小屋の収容は少ないので人気の仙人池ヒュッテが満員かもしれないと不安だったが一安心した。すぐに小屋を出発してしばらく下ると剱沢雪渓が現れた。
剱沢雪渓最上部
 雪渓の端は危険なので50m位夏道を進んでから入り8本アイゼンを装着した。
 昨日剱澤小屋の宿泊手続きの際に剱沢雪渓の歩き方について概略図で教えてもらっていたので説明を確認しながら下った。切り立った崖や流れ込む雪渓の数や雪や岩の量が7月に体験した針ノ木雪渓より規模が大きい感じがしたが、雪渓の少し上にガスがかかり空や周りの景観はほとんど見えなかった。
 剱澤小屋の客は多かったが、ほとんどが剱岳登山者だったのだろう雪渓を下る人は少なかった。
長次郎出合付近、剱沢雪渓歩行終了地点
剱沢雪渓最下部
 雪渓下降中も遠くに一人か二人、真砂沢ロッジの休憩室で剱澤小屋で一緒だった数人組を見かけたものの少なく、仙人峠方面からも単独女性2人と若者5人パーティ1組だけで、縦走者数は多くなかった。
クサリを頼りに丸太橋を歩行、下は剱沢
 真砂沢ロッジで予約をキャンセルしてしばらく進むと二股吊橋に到着、昨日の雨で二股吊橋が渡れるか心配していたが問題なかった。
 渡ったところで中年の男性が休憩中だった、何度も来ている人だったが、山口から来たと話すと少し驚かれていた。この吊橋も後1週間もすれば冬支度で撤去されるそうだ。相当頑丈な吊橋なのに撤去とは、冬がさぞ厳しいのだろうと思ったが想像すらできない。少し会話をした後でお互い写真を撮りあった。
二股にて、右は三ノ窓雪渓の沢、奥は剱沢と吊橋
 二股吊橋から仙人峠までの仙人新道は標高差500mばかりの登り、超急登ではないものの、登山道に腰を下ろすに程よい石や切り株がほとんどない急坂が長く続いた。
 ガスが続き展望はほとんどなかったが、やっと腰かけるのに良い石が見つかり休憩した後、坂を5mも登ったらでっかいベンチが設置してあった。それからも急坂が続いたが周囲にナナカマドなどの紅葉やチングルマの綿毛や紅葉、キキョウも咲いており写真を撮りながら登った。
 手元の高度計が2,100mを示した頃、仙人峠に出た。左に30分で池の平小屋と表示があったがガスで何も見えないため右に向かい15分で仙人池ヒュッテに到着した。
 すぐに池の周りの状況を確認に行ったが裏釼は全く見えなかった。部屋は2階で池や裏釼側の大部屋、到着は1番だった。到着後すぐに勧められて温かい風呂に入った。2人用で男女が交互に使う様だった。
 石鹸もなくお湯に浸かるだけだが2,000mを超える超山奥でのタップリの湯船は有難かった。風呂上りにビールを飲み他のお客と話しながら遅い昼食をとった。夕方近くになるとガイドと男女3人組や単独男性2人が同室になり7人になった。
 阿曾原温泉小屋から登って来た71歳の単独男性は救急隊にも所属した元消防士で大きな3台のカメラ、三脚、ビデオカメラなど専用鞄に小さなザックを重ねて合わせた大きさは65Lザックを超え20kg位とのことだった。2台のデジタルカメラやレンズも高価そうだったが25年前に25万円で購入した全て手動設定のフイルムカメラが一番のお気に入りとのことだった。室堂に向かうそうだがアイゼンは携帯して無くて雪渓はゴミの積もった場所を探して歩くとのことだった。
 翌4日朝も仙人池周辺はガスで見えなかったが富山地方の天気予報が12時、15時は晴マークなので期待して9時近くまで待ったが晴れないため、池の平山登山に出かけた。
 12時に晴れたら裏釼を近くから見ようと期待したが、食事に時間をかけても、風が凌げる岩場で2時間近く待っても、時々太陽が見えたり小窓雪渓らしいものがすぐ下に少し見えたりしたものの霧は晴れなかった。しかしいくつものピークを越え高度計でほぼ頂上付近と思える岩場から前のピークを見ていたら瞬間的に霧が晴れて見事な樹氷が現れた。
 途中の池の平小屋の気温が9時に2℃だったので頂上付近の夜は冷えて風も吹いたのだろう。
見事な樹氷、奥は池の平山南峰
 その内に更に霧が晴れてそのピークは頂上ではなく後ろにそれらしいピークが見えたので頂上を目指した。
 大きな岩が積み重なった場所に到着したら池の平山南峰2,555mの板の表示があつた。近くの北峰さえ見えず、2時間も待機していた先ほどの岩場の樹氷が綺麗だったので写真に収めた。
真下の岩場も樹氷、池の平山南峰から
 14時になったので仙人池に下山し始めたが登山路の表示が登りと違って分かりづらい箇所もあり、他の登山者が全くない超山奥なので迷わないようにケガをしないように慎重に下山した。
 仙人峠付近の紅葉は特別綺麗で仙人池周辺の紅葉も綺麗だったが終始薄い霧に包まれたままだった。
 翌5日3時50分に目が覚め部屋から外を眺めると暗闇の中に墨絵のような裏釼が見えた。
 期待をもって連泊した甲斐があった。5時半頃から写真を撮り始めた。
紅葉の仙人池と裏釼
モルゲンロートの裏釼と仙人池
 まとめ
 仙人池は、鏡の様に裏釼や立山方面の山を写し続けていた。
 テレビや雑誌で見たものとほぼ同じ、日本とは思えないほどの素晴らしい光景が目の前にあった。本当に奥深い場所で二度と来ることがないだろう場所、今回の縦走の中でも最大の目的地でもあったが結果的に最高の天候に恵まれ心に残る写真を残せたことに感謝したい。
 仙人谷、雲切新道は雨上がりでもあり相当の難路らしい、最大限注意して欅平までの後半を歩こう。
( 文・写真 福山 )
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