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立山・仙人池・水平歩道 縦走の旅 その①
日 時  2017年10月1日(日)~2日(月)
山 域  立山(室堂~雄山~大汝山~別山~剣澤小屋)
天 候  10月1日 晴のち曇、 10月2日 曇のち小雨
メンバー  福山 清二
行 程  < 10月1日(日)> 
 厚狭(6:44)~新大阪(9:17)~富山(12:51)~立山(14:36)~室堂(16:10)~
みくりが池山荘(16:30)(泊)

 <10月2日(月)>
 みくりが池山荘(6:30)~雄山(8:50)~大汝山(9:50)~真砂岳(11:10)~
別山南峰(12:20)~別山北峰(12:30)~剱沢小屋(14:15)(泊)
 内  容
 1日の早朝に自宅を出てから新幹線、電車、ケーブルカー、バスを乗り継ぎ、室堂ターミナルに16時過ぎに到着した。
 室堂平の紅葉は最盛期を少し過ぎた感じではあったが何度観ても雄大で感動する。観光客がとても多かった。みくりが池周辺と圧巻の峰々、あまりに素敵なので写真におさめた。
みくりが池に映った雄山と浄土山
 明日からの縦走は一ノ越、雄山・別山経由なので、宿泊手続を済ませると、すぐ北側のエンマ展望台に向かった。
 火山ガスの臭いが酷く、地獄谷火山監視小屋が設置されている。地獄谷のあちこちから活発な噴気が立ちのぼっていた。その向こうには雲海を従えた奥大日岳等が連なっていた。
 立山主峰方面に目を移すと「天然記念物 立山の山崎圏谷」の石碑があった。雄山と大汝山の西側下方のカールのことで、日本で最初に発見された氷河地形だそうだ。
大汝山・雄山と山崎カール
奥大日岳、手前の噴気は地獄谷
 みくりが池山荘は標高2,430mに位置する日本最高所の温泉宿、かけ流し温泉と品数も味も心づくしも感じられる食事の魅力などで超人気の宿である。
 半年前に予約していたので夕方到着なのに部屋は風呂や食堂入口に一番近い2階の部屋、番号は1番だった。部屋はさすがに満室だった。トイレは最近改修され温熱ヒーター洗浄機能付きなのに驚いた。洗面所には「この水は立山の美味しい水です。」の表示、縦走の一泊目だったが室堂は別格地だ。
 翌日は美味しい朝食を頂いた後、雄山に向かって直ぐに出発した。
 一の越山荘前で若い女性2人組に会っただけで、雄山頂上まで他の登山者には会わなかった。一ノ越を越えると龍王岳の向こうに薬師岳も見え、黒部湖の向こうには2か月前に縦走した蓮華岳、針ノ木岳、赤沢岳等が見えた。
 また高度が上がるごとに室堂平などの景色が変わり奥大日岳も見下ろせるようになった。
雄山からの室堂平・奥大日岳等
 頂上到着前から小雪が降り出し小雨になった。雄山神社周辺には10人ばかりの登山者がおられたが剱御前方面への縦走者は少なく、対向される縦走者も数組程度と多くはなかった。
立山雄山神社本宮(奥)
雄山から大汝山・真砂岳方面
 時々小雨が降り風も時折強く吹く天候だったが大日岳も後立山の峰々も剱岳も鮮明さはないものの終始見通せる状況だったので、ゆっくり縦走を楽しんだ。
 しばらく進み縦走路脇の岩稜を少し登ったら大汝山頂上、立山の最高峰というより最高地点(3,015m)の感じだった。真下に黒部湖が見えたので改めて探すと約4km先に黒部ダムが小さいがハッキリ見えた。あの巨大な黒部ダムの標高は684mらしいが、その黒部ダムを2,331m上の山から見下ろしている。痛快であるとともに自然の大きさを実感した。

 富士の折立を少し進むと美しく雄大な内蔵助カールが、そして豊かな大きな雪渓が現れた。先ほどまでの岩稜帯とは打って変わった優しい光景だった。
 分岐に内蔵助山荘の表示があり、泊りは2日まで3日には閉鎖するとのことだった。2日とは今晩のこと、もう冬はそこまで来ているのだ。
 縦走路を少し回り道して進むと真砂岳に着いた。雄山・大日岳・剱岳・後立山が一望出来る良い場所だが登山者は誰も見えない。
真砂岳から別山北峰、奥は剱岳
 真砂岳で方々を写真に収めてからは110mばかり下り、別山南峰に登り返した。
 別山南峰には神社があり、剱岳と向かい合う絶好の展望台となっていた。様々な剱岳を撮ってから、すぐ先の北峰に向かうと登山道のやや下方に標高第3位という高山湖、「硯ガ池」があった。渇水することもあるそうだが約2,870m地点の池は十分な水を貯え風で波立っていた。
剱岳を背景に別山南峰にて
別山南峰からの剱岳
 釼澤小屋はすぐ下に見えるのだが絶壁なので行けない、剱御前小舎方向に下降中に分岐があり釼澤小屋に行けそうだったが確実な表示がなく急傾斜でかつ足元も悪いため剱御前小舎回りを選んだ。
 ここで初老の2人連れから室堂に帰る道を尋ねられた。この先の剱御前小舎経由で帰れると伝えても、直ちに信じないで不安な様子だった。連れの一人はこんな登山は初めてらしく、剱御前小舎まで一緒に下りた。剱御前小舎まで行くと剱岳方面と合流するため室堂へ帰る人はまだ多少おられたが、別山付近では私たちが恐らく最後だった、小雨も降っていたし、あのあたりで迷ったら怖いなとつくづく感じた。

 剱御前小舎から釼澤小屋までは岩の道、滑りやすいので注意して歩いた。出会う登山者のほとんどは剱岳登山からの帰りの方々で「登る時は雨が降ってなかったが、下山時は雨になり岩が滑って死ぬ思いだった。」「全てクサリを頼って下りたがすごく怖かった。」と言っておられた。
 明日は剱岳登山の予定だったが思い切って中止して仙人池に向かうことにした。釼澤小屋に到着して乾燥室を利用していたが、乾燥室内は超一杯で風呂の様子、天井から水滴がポタポタ落ちる状態で何時間経ってもほとんど乾かなかった。
 まとめ
 在職中は年休をとっても3泊4日の剱岳登山がやっとだった。退職後のここ数年は初夏と紅葉期の2回、4~7泊程度の気ままな縦走を続けている。今年の紅葉期は5泊6日での室堂~仙人池~水平歩道~欅平の縦走に決めた。
 最初は室堂の紅葉期、剱岳の初雪の恐れから9月24日スタートで計画していたが大切な行事と重なったため10月1日スタートとした。水平歩道の整備も大太鼓付近の崩壊で通行止めが続き、やきもきしたが9月17日に開通した。仙人温泉小屋は9月9日で、仙人池ヒュッテは10月9日で、池の平小屋は中旬で営業終了。
 雪の心配もあり紅葉期の裏釼縦走の日程は実質3週間しかない。順調にスタートできたことに感謝している。
( 文・写真 福山 )
立山・仙人池・水平歩道 縦走の旅 その② →
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