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道後山を訪ねて
シコクフウロ
日 時  2017年7月23日
天 候  曇り
メンバー  斉藤(宗)  斉藤(滋)
行 程  7月22日
大野(福井県)~ 北陸道・福井IC ~ 舞鶴若狭道 ~ 中国道・庄原IC
~ 比婆山県民の森 泊
 7月23日
比婆山県民の森(5:45)~ 月見ヶ丘駐車場(6:20-6:45)~ 
岩樋山(7:45-7:53)~ 道後山(8:35)~ 持丸山分岐(8:40)
~ 多里大山(9:17)~ 鞍部の東屋(9:40-9:55)~
持丸山分岐(10:20)~ 大池(10:37)~ 
トラバース道分岐(10:55-11:30)~ 東屋(12:05-12:25)
~ 月見ヶ丘駐車場(12:45)
 内  容
 7月22日
白山登山の間、めずらしく内紛が起こらなかったが、下山後些細な事から一気に大戦に。白山の他に予定していた山もあったが例によって「山は止めた。帰る」の一言で自宅に向かう事になる。遠路出かけて来て白山だけで帰るのはもったいないが「あ~いいよ。なら帰ろう」と言ってしまい、とうとう三方五湖PA(舞鶴若狭道)まで帰り着く。この調子では今日中に自宅に着きそうだ。お互い意地を張っても仕方ない。ここはMが折れる訳も無いので「道後山に登って帰りたいけど」と神妙に申し出る。シブシブ顔(一応)でOKのMも内心喜んだかも? 話が決まれば行動開始、PA内のコンビニで今夜、明日の朝食、行動食を購入し登山口の月見ヶ丘駐車場へと向かう。日影が少ない山なので早朝登山を心がけたい。

 中国道東城ICで高速を下りるつもりで走行中、突然ゲリラ豪雨に見舞われる。ワイパーを最速にしても前が見えず対向車線の水しぶきが中央分離帯を越えて襲って来る。ノロノロ運転でも追突の恐怖で全身が緊張する。その上雷も鳴っている! 月見ヶ丘で車中泊は出来そうにない。とっさに《比婆山県民の森》を思いつき宿泊をお願いする。突然の連絡なので当然夕食は間に合わないとの事だがOKをいただきホッとする。素泊まり出来て有難い。
 7月23日
 県民の森公園センターの部屋で朝食を済ませ、道後山に出発する。実は道後山に登りたかったには訳がある。H21年の5月、山仲間と道後山に登ったが、その時目の前に見えた山(多里大山と後で知る)にいつか登ってみたいと思ったのだ。まあるく穏やかな山全体が若草色に覆われ、気持ちよさそうな縦走路が山頂へと続いていた。あそこでコーヒーをのんびりと飲んでみたい・・・その夢が叶うチャンスは昨年の正月に巡って来た。しかし季節が違い現実は寒々とした冬景色(視界不良)あっさりと登頂を諦めてしまったのだ。

 今日こそは! 再び巡って来たチャンスに意気込んだものの、登山口の月見ヶ丘駐車場は今日も霧に包まれている。むろん他に車は無く、前回同様寂しい状況だ。炎天下の登頂を避けて早めにやって来たのだが、これでは焦る必要もなく出発の準備をする。それにしても濃い霧だが気を取り直して歩き始める。

 東屋を過ぎ、岩樋山の登りにかかる。樹林帯を抜けるとシモツケソウ、カワラナデシコ、ユウスゲ、ギボシ、ワレモコウ・・・次々と花が現れる。花は白山でしっかりと見たので全然期待していなかったのにやっぱり嬉しい。霧でしっとりと濡れたユウスゲ、花びらに露を載せたナデシコ、本当にけな気で美しい。そうだ、道後山は花の山だったと思い出す(花の百名山らしい)
ユウスゲ
 今日も視界不良の岩樋山々頂だが、慰めるように色とりどりの花が咲いている。何枚撮っても同じ事なのにカメラを向けずにおられない。悪天なりの青空とは違った美しさに魅せられ中々立ち去る事が出来ない。いつの間にか霧が薄くなりぼんやりと日が差し始める。アッ、多里大山が見えて来た! このまま晴れればいいな。暑くない程度に。
岩樋山から多里大山を望む
 道後山山頂は通過し先を急ぐ。下り始めてすぐの標識、持丸山分岐で大池への道を右に見送り進む(持丸山とは広島県側の呼び名で鳥取県側の呼び名が多里大山)これから先は初めての道だがいきなりの藪、ここまではよく踏まれていたので予想外の荒れように思わずたじろいでしまう。おまけに日陰の斜面に沿った登山道は薄暗くジメジメと陰気で夢描いた縦走路とは程遠い。「こりゃ、やれんな~」と前を行くMのつぶやきに止めた方がいいのか・・・と弱気になる。が少しずつ進んでいるとアジサイの群落が現れ美しさに元気をもらう。こんな場所に見事に咲いているなんて幾人の人が気づくのだろうか。
アジサイロード(帰路に撮影)
 登山道は緩やかに下って胸までの熊笹に突入、足元が見えず山勘で笹を漕ぐ。8年前、道後山の山頂から見た気持ちのよさそうな縦走路の正体はこんな道? 信じ難いが今は前進あるのみだ。付き合ってくれるMに申し訳ないと思うが今さら止める訳にはいかない。せめて先頭を交代して頑張ろう(この道は道後山への鳥取県側からの登山道だった)
胸までの笹を漕ぐ
 鞍部まで下り切ると幹に打ちつけられた小さな標識が目につく。《多里大山 眺望絶佳 ←25分》に励まされさらに藪化した小道に分け入る。こんな藪山へ何の為に?と思いながらも我慢する事しばし、ようやくたどり着いた山頂には立派な標柱《多里大山1224m》が立っている。鞍部分岐の標識《眺望絶佳》を期待したが生憎の天候で道後山、岩樋山以外、何も見当たらない。しかも一面草に覆われた山頂は腰を下ろす場所も無く、ゆっくりお茶タイムとはいかない。残念だが水分補給だけで下るとしよう。骨折り損のくたびれ儲けとはこんな事かと思いながら、それでも登れた事に安堵し数年来の願いが叶った喜びがジワジワと湧いて来る。とんでもない道と思いながらもそれはそれで結構楽しい。
多里大山から下山開始
 鞍部まで戻り近くにある東屋に立ち寄る。ここも憧れていた場所だが、今は伸び放題の草の中、ヒヨドリソウを見つけたアサギマダラだけが舞っている。
訪れる人もいない鞍部にある東屋
 再び藪を漕ぎ持丸山分岐まで引き返し、帰路は大池経由で下山する。
藪漕ぎの後の楽な道  前方は岩樋山
 岩樋山トラバース道分岐まで帰った所で花に詳しい呉からのご夫婦にお会いする。「白玉の実を匂ってみてください」と勧められ嗅いでみると確かにサロンパス(サルチル酸メチル)の匂いがする。さらに耳寄りな話で、この辺りではすぐ近くの猫山にしか咲いてない花が今の時期咲いていると教えられる。ご夫婦は毎月道後山に登っておられるらしく心底お花がお好きのようで、持っておられたデジカメで沢山の花を見せて頂く。どこの山でもその山をこよなく愛す方がおられるものだが、今日の様にお会いできると本当にラッキーだ。様々な事を教えていただけ楽しいひと時が過ごせる。
 
 月見が丘駐車場に帰り着くと10台近くの車と登山者の姿が・・・みなさんもやはりお花目当てかな? さて、明日は比婆山にでもと思っていたがやはり猫山か!《ヒメユリ》とは、いったいどんな花だろう? 
道後山・多里大山トラック図
( 文・写真:斉藤(滋) 写真・トラック図:斉藤(宗) )
猫山(ヒメユリを訪ねて) → 
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