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別子の山々を訪ねて(東赤石山)
またまた、危ない橋を渡る
日 時  2017年5月18日
山 域  愛媛県新居浜市赤石山系
天 気  曇り時々晴れ
メンバー  斉藤(宗) 三浦(比) 斉藤(滋) 会員外(Ks)
行 程  5月17日(休養日)
 山荘~住友フォレスターハウス(平家平登山口の確認)~別子銅山記念館
~山荘 泊
 5月18日
 山荘(5:05)~筏津登山口(5:20)~瀬場谷分岐(6:30)~ 
トラバースの分岐(9:25)~赤石越(9:50)~ 東赤石山(10:05)~
赤石山荘(11;15-11:50)~瀬場谷分岐(14:10)~
筏津登山口(15:15)~山荘 泊
 東赤石山は岩の山というイメージがあり今まで敬遠していた。2年前、別子公民館のStさんから住友フォレスターハウス~なすび平のコース情報(通行不能)を頂いたが、東赤石山もいい山なので是非登ってくださいと勧められていた。このたびStさんにも一言お礼をと公民館にお訪ねすると東赤石山へのルート説明やアドバイスを頂けた。有難い。おかげで《不安<期待》の状態になれた。頑張るぞ!
 5月17日
東赤石山へのチャレンジは天気が崩れそうなので日延べし休養日とする。勤めていた頃は休暇の都合もあり、好天ばかりの山行とはいかなかった。メンバー全員が毎日日曜日の今はついつい雨を避けてしまう。せっかく登るなら、いい天気にが正直な気持ちだ。山荘で読書をして寛ぐのもいいがKsさんの提案で新居浜市街にある別子銅山記念館を訪れる。別子銅山283年(江戸時代~昭和48年)の歴史紹介や産出された鉱石の展示などがある。また銅山の最盛期当時の写真も多数あり、昨日見たばかりのひっそりとした遺跡と重なり感慨深い。雑学博士の異名を持つKsさんの解説もあり、改めて別子銅山遺跡の素晴らしさを認識する。訪れて本当に良かった。雨も降りだしたし今日は休養日で正解! ゆっくり休むとしよう。

 5月18日
 筏津登山口には早朝にも関わらず2台の車が停まっている。未知のルートに挑むワクワク感が体力不足の不安感を吹き飛ばしてくれる。早立ち出来たので焦らず頑張ろう。足元に優しい登山道をゆっくりと登れたのも最初だけ、山側をへつるように丸太を組んだ梯子状の悪場が続く。沢に沿った登山道だが沢床は見えない。足を踏み外すとただでは済みそうになく緊張の連続だ。花を眺めながら登った穏やかな西赤石山とはわけが違い中々手ごわい。
 そしてとうとう恐れていたことが・・・ようやく沢まで下りたと思ったら、目の前に現れた対岸への古びた丸太橋。かって南アルプス大門沢で渡った丸太2本に比べればましかも知れないが、根っからの高所恐怖症者にとって、不安定な手すりのない橋はやはり怖い。沢床からの高さがなければいいのだが落ちれば当然怪我(で済むとは限らない)と思うと足がすくんでしまう。おまけに丸太の横木は朽ちかけ苔むしている。かといって渡らない訳にはいかず内心の動揺を押し隠し(たつもり)Mに続く。「イチ、ニ、イチ、ニ」と唱えながら我が身を奮い立たせたが、やはり無理とうとう膝をついてしまう。本当はこの方が危ないかもしれないがバランスを崩して落ちるよりはいい。
丸太橋を渡る
 橋を渡るとすぐに直登コースと瀬場谷コースの分岐だ。Stさんのアドバイスに従い反時計回りに直登コースを行く。暫らく樹林の中の急坂が続きしごかれる。いっぱい写真を撮るぞの意気込みは何処へやら中々カメラを取り出せない。ようやく樹林帯を抜け休憩タイムを摂る。おやつの外郎を口にした途端ハッと気づく。慌てて「お昼の食料持ってくれたよねぇ!」とKsさんに声をかける。昨晩「明日の昼の食料持ってね」とお願いしたが。「いーや。受け取ってないよ」「エッ!! うっそう!!」と叫んだが後の祭り。チーズ、ハム、トマト等そっくりそのまま山荘の冷蔵庫の中だ。個人用はしっかり取り出していながら何という迂闊さ、今に始まった事ではないが。まぁいいか・・・許してもらおう。1人に2個おむすびがあるから何とかしのげそう。
沢を渡る
 かなり高度を稼いだ筈だが沢を渡る。さらに登って行くと明るい尾根となり足元がゴロゴロとした岩場となる。蛇紋岩だ。蛇紋岩は橄欖(かんらん)岩が変化したものらしい(にわか勉強)雑学博士のKsさんは橄欖岩見たさにこの山行に参加と聞いた(成程、帰宅後ネットで見ると東赤石山の橄欖岩は有名のようだ)向学心皆無の私は蛇紋岩も橄欖岩も見分けがつかず、難しい話は置いといて《滑って転んで骨折だけはしたくない》とひたすら安全そうな足場を探す。やれやれ、ようやく主稜線直下のトラバース道に登り着く。
登りたそうな比呂子さん 山頂までもうひと頑張り
 頑張る事4時間45分、遂に大きな岩が積み重なった東赤石山(1706m)山頂に到着。思わず万歳をする。晴れていれば見える筈の山々、瀬戸内海も残念ながらガスで見えない。が登れただけで嬉しい。最近は偶に近場の山に出かける以外登山と言えるような山歩きをしていない。我が家ペースに合わせてくれた仲間に感謝、感謝。
静かな東赤石山の山頂
 トラバース道の分岐まで戻り赤石山荘に向かう。赤石越から尾根伝いに八巻山の岩峰群を越えて行くコースもあるが、岩が苦手な私に付き合ってもらいトラバース道を行く。この山は様々な花が咲く事で有名だが(花の百名山)時期が外れているのか(注意力が無いのか)アケボノツツジ、ミツバツツジ、アブラチャン等、樹の花しか見当たらない。しかし見るべき物はちゃんとある。屏風のように聳え押し迫る八巻山の大岩壁だ。クライマーならどんな目で眺めるのだろうか。
八巻山の直下にある赤石山荘
赤石山荘から望む八巻山
 赤石山荘は予想以上に大きな小屋だ。今、管理人さんは不在のようで静まり返っている。朝が早かったのでここでお昼にしよう。小屋の裏手の水場で山水を補給し一口飲んでみる。あぁ冷たい。喉から全身に沁み渡って行く。おむすび+αの質素な昼食も十分美味しい。夕食は豪華(?)楽しみにしておこう。

 さぁ後は下るだけ(と思った)下山は瀬場谷コースへと向かう。下り始めはゴロゴロ石の道で登り同様神経を使う。、樹林帯に入ると展望はなくなり約30分で沢を渡る。澄み切った流れは冷たく気持ちよい。その後も沢沿いの今にも流れに浸かってしまいそうな梯子、体を乗せれば抜け落ちそうな朽ちた橋・・・が何度も現れる。登りもきつかったが下りも結構厳しい。やっと分岐まで下り周回は無事終了・・・と思ったら例の丸太橋が残っていた。生憎、後ろに登山者がやって来た。登りのような無様な姿を見せたくない。さぁ気合を入れて第一歩・・・(後は無我夢中、覚えていない)
何の花? 疲れを癒してくれる花
 時間はかかったが(10時間)季節がら余裕を持って下山する。良かった、良かった。早く山荘に帰ってのんびりしよう。県道を離れ狭い山道に入ると法面が工事中で運転に気を遣う。新居浜に入って以来、運転はもっぱらM1人。新車になってまだ1ヶ月半、狭い、坂、見通しのきかないカーブの連続、かなり神経を使っているだろう。運転疲れは山荘のお風呂に入って取ってもらおう。調理学校卒の比呂子さんの美味しい料理も待っている。
信楽焼きのお風呂で寛ぐ
 山登りも明日が最後、念願の平家平に挑戦だ。
( 文:斉藤(滋)  写真:斉藤(宗) 斉藤(滋) )
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