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西吾妻山(山形県米沢市)
西吾妻山
日 時  平成28年8月5日(金)
天 候  晴れ
メンバー  斉藤(宗)  斉藤(滋)
行 程  8月4日 
天元台ロープウェイ湯元駅駐車場(17:40)車中泊

 8月5日
湯元駅(8:30)~ ロープウェイ・リフト ~ 高原駅(9:20)~ 
かもしか展望台(9:50-10:00)~ 梵天岩(11:10)~ 吾妻神社(11:30)~ 
西吾妻小屋(11:45)~ 西大巓方面へ散策 ~ 西吾妻山(12:45)~ 
人形石(14:30)~高原駅(15:10)~ リフト・ロープウェイ ~ 湯元駅(16:35)~
 白布温泉 泊
 東吾妻山から下山直後(2日)に発症した尿管結石のため、一時は西吾妻山登山を諦め帰宅を考えた。米沢で受診したK先生の「山中で痛み出したら大変だからね」の言葉に素直に従うつもりだった。しかし、自然排出できたのかその後痛みが消え症状も治まってきた。このまま帰ってしまったら今度いつ来れるか分からない。上杉家の城下町米沢は見るべき所も沢山あるだろう。2、3日ゆっくり見物すれば体も元気になるだろう。
 8月4日
 2日間の休養日の間にコインランドリーで洗濯もすませ、真夏の太陽の下、登山靴、ザック、雨具もしっかり乾かせた。明日はいよいよ西吾妻山にアタックと決める。今日は久しぶりの車中泊、夕方登山口の天元台ロープウェイ湯元駅に向かう。途中、麓の白布温泉の宿に立ち寄ると(下山後の宿泊予約のため)ロープウェイの割引券を渡され大助かり(1000円浮く)
 湯元駅は予想を外れとっても静か、山に囲まれた素朴な駐車場には車が2台で人影は無い。そのかわり数匹の猿の親子が遊んでいる。あまりの寂しさに下にある駅舎を覘いてみると若い宿直員さんが1人作業中だ。猿の話をしてみると他にもハクビシンとか現れて悪戯するそうだ。少し不安げな高齢者が気になったのか「何かあったら電話してください」と電話番号が載っているパンフレットを渡してくださったのには感激。これで安心して眠れそう。満天の星がきれいだ。
 8月5日
 始発のロープウェイとリフト3基乗り継ぎで、一気に高度を稼ぎ終点の北望台に下り立つ(所要時間は40分)。
 ロープウェイで同乗だったみなさんの姿はもう見えない。リフトを乗り継ぐ間にいつの間にかビリになっている。まぁいいか、一度は諦めた山だから儲けたような気分でのんびりと楽しもう。しばらくすると後ろから先行者数名??? 人形石へのルートに入ったが道が分からなくなり引き返して来たとか、百名山でも歩き始めからこんな事もあるんだと驚く。
 樹林帯をゆっくりと登り(再びビリ)明るいかもしか展望台に出る。遥か遠くの山並みは何山だろうか? 飯豊? 大朝日? 月山? またまた恥をかきそうなので黙って眺める。
樹林帯に咲くモミジカラマツ
 かもしか展望台から少しの登りで木道となる。青空の今日もMの足元はスパッツでバッチリガードだ。暑くないかな? いやそれには訳がある。山旅前にマダニに噛まれてしまったのだ。皮膚科のH先生は数分で処置してくださったが後が怖い。噛んだマダニがウイルスに感染していたら大変だ。潜伏期間は2週間、39度の熱が出ないかと指折り数える日々。ところがやっと12日経った日に「また噛まれた!」とM。信じられないが確かに首筋にマダニらしき物!? 取るものも取り敢えずH医院に駆けつけると「これはマダニではありませんね。老人性のイボです。取りましょう」で一件落着。今となっては笑い話だがマダニは怖い。暑くてもスパッツ装着も頷ける。
大凹のお花畑を行く
 大凹に下るとお花畑だ。梅雨明けには沢山の花が咲いていただろう。今はリンドウ、ウメバチソウが目につく。可愛いらしさにカメラを取り出すがMが待ってくれない。何を急いでいるのかドンドン遠ざかって行く。腹が立つが怒っても声が届かず仕方なく後を追う。
 梵天岩の登り辺りでようやく合流するが、ムカッとしていても素晴らしい景色の中でのたった1人のモデルとあって、今はじっと我慢しカメラを向ける。梵天岩はもう目の前、岩上からの景色が楽しみだ。
梵天岩を目指して
東吾妻山へと続く稜線
 梵天岩で一息入れ、少しの歩きで天狗岩にやって来る。沢山の岩が敷き詰められたように広がっていて西吾妻山は目の前だ。此処から山頂へは2コースあるが西吾妻小屋経由で行く。
天狗岩 吾妻神社(祠)が見える
 当初、東吾妻山方面の湿原帯を散策した後、西吾妻小屋で1泊の予定だったが、下山に使いたかった若女平コースが不通(崩落)と知り気が変わってしまう。水場も遠そうだし日帰りにして良かったようだ。
 山頂に向かう前に西大巓方面に少し足を延ばしてみる。西大巓は目の前に見えているが、此処から急下降&急登高とあって軟弱パーティーは早々に登頂を諦める。気がつけば、もう昼だ。景色を楽しみながら昼食を摂る。
西吾妻小屋
 樹林に囲まれ展望の無い西吾妻山々頂に到着する。木製の標柱だけがポツンと1本立っている。百名山とは思えない程、静かで地味な山頂だ。記念の写真だけ撮り天狗岩まで往路とは別ルートで下山する。
お花畑に憩う
 大凹の清水で喉を潤し、空のペットボトルにも補充する。元気を取戻し中大巓分岐まで帰り着いた所で思案する。もう一頑張りして人形石に立ち寄りたいが最終リフト時間(16時)が気になる。乗り遅れれば長い歩きとなる(Mが急いでいたのが、ようやく分かる)後悔はいやなので頑張る事にして、足早に登るMに必死について行く。喘ぐこと10分広い台地に飛び出る。あたり一面無数の石が敷き詰められたように広がっている。その中で一際大きい岩が人形石だろうか? 名前の由来は分からない。ここから見える穏やかな尾根は東吾妻山、一切経山へと続いている。広々と気持ちよさそうなあの尾根を歩いてみたい。体力、車の関係で無理と分かってはいるが・・・。
岩原が広がる人形石
 しばし展望を楽しみ中大巓分岐まで引き返す。もう後は高原駅に急ぐだけだ。40分のリフト乗りに備えシャツを1枚重ね着する。傍らのベンチでは西大巓までピストンされた男性がお食事中だ。リフトの時間を考えたら今まで食事を摂る余裕が無かったとか。確かに文明の利器で楽に登り小回りのエコ登山にも関わらず我が家も時間いっぱいだった。それほど山が大きかったということか。リフトに揺れていると、前を行くMが何かを指差し振り向く。カモシカのあどけない顔が見送ってくれている。
 いつか挑戦したかった東西吾妻連峰の縦走、体力不足で細切れ登山となってしまった。しかし4年前、今回と、夢を繋ぐことができた。旅先のアクシデントにも関わらずなんとかかなえられた夢、吾妻小舎のTさん、米沢市観光課の職員さん、K先生のお蔭だ。ずっとご恩は忘れない。
( 文:斉藤(滋)   写真:斉藤(宗)  斉藤(滋) )
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