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蒜山三山縦走(岡山県/鳥取県)
 
 
霧雨に濡れる黄葉樹 
 
 
日 時  2020年10月4日
天 気  曇り 時々 小雨
メンバー  斉藤(宗)  斉藤(滋)
行 程  10月3日
船通山麓わくわくプール駐車場(13:30)~R183・180~ 休暇村 蒜山高原(14:50) 泊
 10月4日
休暇村 蒜山高原(8:00)~犬挟峠(8:27)~雲居峠(9:23)~下蒜山山頂(10:14-10:23)~中蒜山山頂(12:20-12:44)~上蒜山山頂(13:40-13:46)~剣が峰(14:15)~百合原牧場(15:29)~休暇村 蒜山高原(15:55) 泊
 10月3日
 船通山登山を終え今夜の宿《休暇村 蒜山高原》へと向かう。
 2016年秋、上蒜山を下山中鳥取地震(M6,6)に遭遇したが親切に対応してくれた宿だ。今回は登山口までの送迎&お弁当付き《山登り応援プラン》で宿泊をお願いする。明朝ホテル出発は8時だそうだ。車中泊なら早出が可能だが明日はそうはいかない。
 10月4日
 忘れ物がないかと緊張しながら送迎バスに乗り込む。同乗のお仲間7~8人(全員マスク)と下蒜山登山口の犬挟峠に降り立つ。
 過去三山縦走は3度経験しているが今日は無理せず場合によっては中蒜山から下りる事にする。年々低下する体力に合わせ早発ちを心がけているが、バス利用のため前回より1時間半遅れの出発となる。三山縦走できればもちろん嬉しいが、そのために焦ってしまえば疲れてしまいそう、4年ぶりの蒜山のんびりと楽しみたい。とはいえ皆さん速い。いつの間にか2人きり、マスクを外し歩き始める。
歩き始めて間もなくの急坂
 無理をしないと決めたのでペースはゆっくり、急坂の鎖場も楽に登れる。誰もいないのでコロナの心配もなく快適に(?)前進・・・だが快適でないのが空模様、いつ降り出すか分からない。好天予報日しか登らない我が家だが、《GOTOトラベル》を利用しての宿泊申し込みなので仕方ない。せめて中蒜山まで降らないでと祈りながら歩を進め樹林帯を抜ける。天気が好ければ目の前に笹原が広がり急登の疲れを癒してくれる場所なのに残念! 雲居峠への稜線がぼんやりと霧の中に浮かぶ。
縦走路を彩るミヤマアキノキリンソウ
 地道に歩を進め下蒜山山頂に到着、意外にも人声がする。
 一組の親子連れがコンロで何やら調理中だ。取り敢えず山頂標識を背に写真を撮ろうとすると「撮りましょう」と声がかかる。お心遣いが温かく、仕方なく(?)2人で並ぶ。小休止でエネルギー補給も済ませ中蒜山へと出発する。天気さえ好ければ鼻歌でも歌いたくなる縦走路も霧に覆われピンボケ状態、カメラを取り出す気にも中々なれない。
霧の縦走路
 最低鞍部のフングリ乢まで下りホッと一息、此処からがいつも長い。随分昔の話だが、山を始めたばかりの友を含めた5人パーティーで下蒜山から三山縦走にアタックし、中蒜山へのこの登りで力尽き敗退となった。
 今思えば無理もない。いくら若い(今より)とはいえ前日には大山の船上山~大休峠~川床縦走をしていた。なんて無茶をしてしまったんだろう・・・必死にここを登ったであろう友の苦しさを身をもって体験しながら一歩一歩と踏み出す。その後三山縦走を果たした友、あれからもう20年も経っている。
霧に浮かぶ中蒜山を目指して
 景色が見えないまま、どうにか塩釜へと下る分岐に到着、山頂まではもう一頑張りの筈だ。だが重くなった足がもう限界と悲鳴を上げそうなのに着かない。まだか? まだか? 見えた!
 霧の中にようやく避難小屋が現れる。良かった! 疲れているが、まずは山頂へ。標識にタッチし一安心、すぐさま小屋へ引き返す。お弁当は今日もおむすび3個、足は疲れているのに口は至って元気、食べるのがいつも遅いMも順調に完食し先に小屋を出て行く。さぁ、どうするのだ?
 ここから塩釜へ下山、それとも上蒜山へ? 荷物整理にもたつき焦りながらも思案する。前回、三山縦走に乗り気でなかったM(天候がいまいちだったため)あの時は渋々ながら付き合ってくれたが今日は恐らくNOだろう。時間も遅いし、散々足を引っ張った手前言われるままに従おう。荷物と心の整理を終え小屋を飛び出て塩釜方面へ・・・Mの姿が無い?? 「よーい」慌てて小声で呼んでみる。 「エッ! そっち?」思わず声を上げる。なんと予想に反して上蒜山へのコースから声がする。意外だ。どうした風の吹き回しか分からないが小躍りしたくなる。内心の嬉しさを抑え、これは頑張らねばと重い足を叱咤激励、後を追う。
疲れを癒してくれるリンドウ
 ユートピアを過ぎ上蒜山の登りにかかる。ここまで何とか来たもののやはり疲れは隠せない。大幅にペースダウン、登っても登っても(それ程登ってない)足場の悪い鎖場が続く。もうそろそろ着いてもいい筈だ・・・と思ったら「確かもう一度小さな登り下りがあったなぁ」とM、全然覚えていないが少しがっかり、でも苦にはならない。ヨレヨレに疲れているが後少しの頑張りだ。焦らずノロノロと歩を進め遂に上蒜山山頂に到着! (少し離れた三角点は割愛)三山縦走出来た!!(長い下りがあるが)
上蒜山の鎖場を登る
 下りに備え休んでいると一組のご夫婦が現れる。我が家がラストと思っていたのでびっくり。中蒜山山頂で休憩しておられた先行のご夫婦だ。小屋の内外で別々に休憩し分からなかったが中蒜山出発は我が家の方が早かったようだ。良かった、迎えのバスを我が家だけのために呼ばなくて済みそうだ。だが同じペースで歩く自信がなく一足先に出発する。
 剣が峰を過ぎ4年前鳥取地震で危うく転倒しかけた場所まで下っても相変わらずの霧、今日は最後まで晴れそうにない。その内追い抜いて行かれるだろうと思ったご夫婦と百合原牧場の登山口で合流、放牧されたジャージー牛を眺めながら迎えのバスを待つ。
苦戦を物語る泥で汚れた帽子・タオル・手袋
登山翌日の蒜山高原
 山行を終えて
 山行後、雨具(上衣)の紛失に気付くも、どこで失くしたか不明。着用していないが下蒜山山頂と中蒜山避難小屋でザックを開いている。GOTOで得した気分が一変にパー。山で物を失くすのは毎度の事だが全く記憶に無いのが悲しい。

 宿で渡されたGOTOトラベルに伴う地域共通クーポン券を有効に使おうと地元のガソリンスタンドを訪れたが蒜山にあるガソリンスタンド3店が全部お休みだった(日曜日は一斉に休み)観光協会に苦情も寄せられているようだが給油が必要な時は要注意だ。 
(文:斉藤(滋)  写真:斉藤(宗) 斉藤(滋))
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