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大崩山(小積ダキ中央稜)
 
 
 
山行日  令和元年11月12日
天 気  晴れ
メンバー  高田・林
行 程  大崩山登山口(05:30)→中央稜取り付き(07:40)→4P目終了点・中央バンド(10:10)→小積ダキピーク(13:40)→登山道下山開始(14:05)→大崩山登山口(16:00)
 前から登りたいと考えていた小積ダキ中央稜。今回は心強い高田さんと登る事が出来た。
 5時半に登山口を出発。辺りは真っ暗なのだが、既にハイカーも登山口で準備をしている。真っ暗闇の中、登山道を迷いながら進む。渡渉箇所はピンクテープに導かれて、渡渉した後は同じくピンクテープに導かれて谷沿いを歩く。やや迷いやすいと思う。
 登山道が右に向きを変え登りに差し掛かる所で登山道を外れて、谷沿いに進む。古いテープが張ってあるが大変分かりにくい。谷が二つに分かれているような地形になるので、その間の尾根を登っていくと、自然と左右に岩が切り立った地形に行ける。ここが中央稜のとりつきだ。
 取り付き地点に着いて登攀の準備を始める。過去の報告を読めば、時間がかかって撤退しているパーティも多い。無駄な時間は作れないと一人焦って考えていたのだが、高田さんはいつも通りに、いつも通りのペースで落ち着いて準備をしている。
 「ベテランとルーキーの違い」を見せつけられた。時間が掛かれば諦めて撤退すればいい。僕も落ち着いていつも通りに登る事に決めた。
取り付き
 1P目
 ジャンケンで高田さんから。単純なボルトラダー30m。ボルトは全てステンレスで安心感が凄い。アブミの2段目に立てば次のボルトに届く。狭いチムニーの中に立派な終了点。
 2P目
 林リード。ボルトラダー40m。1P目終了点から腐ったリングボルトが並列して打ってあるところを直上。チムニー状なのでステミングで登れるのが楽。ややハングした所から右の壁に移るのだが、右の壁にはもうちょっと下の方からステンレスハンガーが連打してある。もしかしたらもっと早い段階で右の壁に移った方が良いかもしれない。
 長いボルトラダー。ヌンチャクを間引かないと足らない。立派な終了点があるのだが、ステンレスボルトが一本抜けていた。
2P目上部
 3P目
 高田さん。大きな縦状のフレークを使いながら登れるボルトラダー30m。支点は全てステンレスハンガーなのだが、2P目終了点で抜けたハンガーを見て少し怖くなる。
 高田さんはボルトを10本ぐらい間引いて登っていた。凄いというかなんというか!広いテラスに立派な終了点。
 4P目
 林。簡単なフリーを一段登り、傾斜の緩いクラック30m。ステンレスハンガーが要所にあるので安心。1段目では長いヌンチャクを使った方がロープの流れはスムーズ。草付きに到着して、立派な終了点。ここが中央バンドだ。
4P目終了点から
 中央バンドの踏み跡を歩く。少し草付きを歩いて登って、写真で見たことのあるチムニーを見つける。分かりにくいので、しっかりとチムニーの形を写真を見て覚えていた方が良いかもしれない。
 5P目
 高田さん。支点の無いチムニー7m。抜け口近くにキャメロット4が効く。チムニーを抜けた所に腐ったリングボルトがあるのでここで荷上げをして、5m歩いて進んだところに立派な終了点。
5P目のチムニー
 6P目
 林。ワイドクラック20m?フリーで登ろうかと考えたが、出だしから難しかったのでリングボルトにアブミをかけて登った。3m程登ってステンレスハンガーが一つ。もう5mぐらい登ったらボルトの頭があったので、これに細いワイヤ―を掛けて登った。(リングボルトもある)ワイドクラックが向きを変えてスクイズチムニーになった所からはズリズリ上がる。ステンレスハンガーがあるので安心。立木で終了点。ここで荷上げをする。
6P目のワイドクラック上部
 踏み跡を歩いて、人が一人やっと入れる岩のトンネルをくぐると、立派なテラスに出る。目の前には大きな小積ダキの岸壁が広がる。圧巻な景色だ。ここで少し休憩した。
 7P目
 高田さん。クラックを繋いでフェースを登る40m。要所にステンレスハンガーがあるが、キャメロットを使った方が良い。(0.5~2番ぐらい?)凹角の中に入った所に立派な終了点がある。ややハンギング気味。
7P目の終了点
 8P目
 林。砂が詰まったクラックから凹角20m。最初のクラックはなんとかフリーで(キャメ3?使用)。クラックを抜けると独特な岩の角(サイの角)があって、そこから一段登り、古いリングボルトを使って右にアブミトラバース。トラバースの二つ目の支点からは綺麗なステンレス。ボロボロの凹角を登る。持った岩がミシミシと音を立てて、いつ崩れてもおかしくない。支点はリングボルトとRCC。凹角の終わった所で立派な終了点。ややハンギング気味。
8P目の終了点
 9P目
 高田さん。スラブ→クラック→ボルトラダーの50m。スラブをリングボルト二つ分右にトラバースをして、そこから直上。直上したらリングボルトがあるので、そこから左上。ここにステンレスがある。そこからは砂の詰まったクラック。幅も微妙で足も決まりにくい。アブミを使って、クラックに入れたキャメロットを掴んで、ボロボロの残置スリングを掴んで登った。個人的にここが一番難しかった。
 そこから更に、傾斜の緩いリングボルトのボルトラダーを登り、間隔の遠いリングボルトのスラブを登って、やっと落ち着いた所に終了点。(リングボルトとステンレスハンガー)
9P目の上部
 
 10P目
 林。ボルダー5m。ハーケンにアブミを掛けて登った。落ちると痛そうだ。すぐに小積ダキの頭に到着。岩角でビレーした。
ピークにて。広滝スラブなどを背景に!
 
 時刻は13時40分。思いのほか早く抜けることが出来た。これも、高田さんという精神的支えが大きかったと思う。小積ダキのピークから登山道下山で2時間ほどで登山口に到着。なかなかハードだったけど、其の分達成感を感じられた。これだからクライミングはやめられない!
(写真・高田、林:文・林)
      
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