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磐梯山(福島県)
 
磐梯山山頂
 
 
山行日  2019年8月5日
天 候  晴れ
メンバー  斉藤(宗)  斉藤(滋)
行 程  8月4日
吾妻小舎(7:37)~ 磐梯吾妻スカイライン・磐梯吾妻レークライン ~ 北塩村宿(14:00)
 8月5日
北塩村宿(5:50)~ 八方台登山口駐車場(6:10-6:26)~ 中ノ湯跡(7:08)~ 弘法清水(8:40-9:05)~ 磐梯山山頂(9:45-10:11)~ 弘法清水小屋(10:44-11:17)~ 中ノ湯跡(13:00)~ 八方台登山口駐車場(13:32)
 定年退職後、初めての東北山行で訪れた磐梯山、あれからもう13年も経っている。あの頃はまだ元気で車中泊も苦にならなかった。八方台登山口の駐車場で夜を明かし早朝登山のつもりだったが《熊注意》の看板が気になり登山者が増えるまで待機した事が懐かしい。飯豊山、家形山の登山を終えての帰り道、クールダウンなんてカッコいい事は言えないが、滅多にないチャンスもう一頑張りしてアタックしてみよう。
 8月4日

 高橋さんに見送られ吾妻小屋を出発する。飯豊山、家形山登山で疲れてしまい登る筈だった東吾妻山を諦め今日は一日休養だ。このまま自宅に帰るのも少し心残りなので道中の磐梯山に登る事にして北塩村の観光協会を訪ねる。コインランドリーのあるホテルを紹介して貰い、取り敢えず行ってみるとチェックインの時間前なのにコインランドリー使用も入浴もOKという事で本当に助かる。その上、部屋の用意が出来たからとチェックインまでさせて頂き大感激。お礼に福島産の桃を数個差し出す(実は高橋さんがお土産にとくださった桃。別れ際に頂いたがこのまま自宅に帰ると思われたのだろう)突然の不躾にも関わらず「沢山いただいたけど旅行中なので」の説明が効いたのかニコニコ顔で受け取って頂けホッ!
 8月5日

 今日もホテルの朝食は抜きだ。バイキングと聞いていたが美味しそうなメニューがチラチラと思い浮かぶ。しかし誘惑を振り切り早発ちだ。軟弱ペアは少しでもゆとりを持って歩きたい。いくら気力でと頑張っても体がついて行かないのが現状だ。スローペースになるのは仕方ない。朝の涼しい内に頑張るとしよう。
 八方台駐車場には既に出発組の車が数台停まっていて、熊の心配はなさそうだ。歩き始めはブナ林の中に続く穏やかな道で、しばらく行くと開けた場所に飛び出る。中ノ湯跡で壊れた建物だけが寂しげに残っている。ナナカマドの白い花の向こうに見えるのは磐梯山の山頂? 頑張らなくっちゃ~。
 湿原のお花畑の木道からいよいよ急な登りとなる。ゆっくりと登っても結構きついが高度が上がるにつれ展望が開け湖が姿を現す。檜原湖? この辺りは湖が多いし、今どっちの方向(東西南北)に向かっているのか、考える余裕も無い。故に正解かどうか???
中ノ湯温泉跡を通り過ぎる
 長い長いと感じる登りだがエールを送ってくれるようにウメバチソウ、ホタルブクロ、ミヤマウスユキソウ・・・可憐な花が次から次と現れる。ん? ホトトギス? 黄色なんて見た事ないけど。珍しくて急いでカメラを取り出すが上手く撮れない。気付かなかったのかMは素通りで姿が見えなくなる。焦ると中々焦点が合わないがダメ元でシャッターを押し急いで後を追う。だが木の根っこむき出しの登山道は転けそうで直ぐには追いつけない。もしかして、さっき些細な事で言い合ったから、置いてけぼり? 渋い顔のMにようやく追いつき訊ねるとやはり黄色いホトトギスには気づいていなかったようだ(帰宅後、タマガワホトトギス《玉川杜鵑草》と知る)
珍しかった タマガワホトトギス
 
 お花畑への分岐を右に取りまずは山頂を目指すが、弘法清水で一休みする。楽しみは高橋さんからの立派な桃。朝食代わりに1個ホテルで頂いたが4個担いで上がって来た。冷たい清水で洗いMに1個手渡すと「こんな重い物を・・・」と言われてしまう。少々重くても食いしん坊は美味しい物なら苦にならない。水気が多く甘い桃は疲労回復には最高だ。丸ごと1個すんなりザックから体内へ移し満足、満足。これで山頂への急坂、頑張られる。
弘法清水で桃を冷やす
 登り着いた磐梯山山頂、夏山の最後を飾るにふさわしい360°の大展望が待っていた。眼下には青く水を湛えた猪苗代湖、振り返れば遥か遠くまで連なる峰々、特異な山頂の安達太良山は直ぐ分る。急いで地図を出し3年前に登った猫魔岳、雄国山を確認、雄国沼はあんなに高い所だったのかと驚く。今までに登った山々を見つけこうして眺めると、その時の景色や出来事が思い出され懐かしい。
トンボが乱舞する山頂 背後は猪苗代湖
 しばらく展望を楽しみ弘法清水小屋へと引き返す。小屋でキノコ汁を注文し隅っこの席で休ませて頂く。年配のご主人(女性)は気さくそうで訪れる登山者に小まめに話かけておられる。まだ一つ残っている桃を差し上げると気持よく受け取っていただけ嬉しい。Mがもう食べられないと残ってしまったが、朝から3個食べた私の方が食べ過ぎ? (帰宅後分かった事だが、ご主人は高橋さんの知り合いだったそうだ。高橋さんからの桃と分かっていたらもっと喜ばれたかも・・・?)さて下山はお花畑経由で帰るとしよう。
ヒメシャジンを見つける
 小屋からガレた道を転ばぬように下って行く。すれ違う登山者も増えて来てこの夏山一番の賑わいだ。
 登山道の右に左に赤、紫、白、黄色と沢山の花が咲き競っていて、ゆっくりと写真を撮りながら進んで行く(登りの時と大違い)お花畑は今が見頃だろう。厳しい条件の中で健気に咲いている花々、本当に癒されるし元気を貰える。
お花畑からの天狗岩と櫛ヶ峰
お花畑から山頂を振り返る
 一昨日、家形山から遠くに眺めた磐梯山に、今こうして登っている幸せをしみじみと感じる。何度も痙攣を起こしては「ボロ脚、ボロ脚」と罵ってしまうアザだらけの脚。どうにか歩き通す事が出来そうだ。いつもお世話になる主治医のMt先生、看護師さん、薬剤師さんのお顔が次から次に思い浮かぶ。帰ったら「登れました!」と報告出来そうだ。夏山6日間頑張ってくれた脚を労わりながら無事八方台駐車場に帰り着く。
 
急坂を下ると中ノ湯温泉跡は近い
 山旅を終えて

 パンパンに腫れあがった私の右足を診てMt先生イワク「仕方ないですね。暫らく休む事も大事です。上手に付き合って(膝痛と)ください。これからも登りたいでしょ」お叱りを受けるかもと覚悟していたのに優しく諭されホッとする。膝には4CCの水が溜まっていた。膝痛悪化を承知の上で出かけた夏山だったが、先生のお言葉とモットーの《細~く、長~く》が繋がって何だか安心する。これからは先生の温かいアドバイスを肝に銘じ、ボロ脚を労わっていこうと思う。
( 文:斉藤(滋)  写真:斉藤(宗) 斉藤(滋) )
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