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家形山(吾妻連峰 福島県)
 
魔女の瞳(五色沼  対岸は一切経山)
 
 
山行日  2019年8月3日
天 候  晴れ
メンバー  斉藤(宗)  斉藤(滋)
行 程  8月2日
大阪屋(8:05)~ R459・121 ~ 米沢市(小関医院・コインランドリー・買い物)~ 東北中央道(無料)大笹生IC ~ 高湯温泉(福島市)泊
 8月3日
高湯温泉宿(5:50)~ 不動沢登山口駐車場(6;05-6:15)~ 賽の河原(7:04)~ 慶応山荘分岐(8:10-8:20)~ 五色沼分岐(9:20-9:45)~
家形山(10:05-10:30)~ 慶応山荘分岐(11:45-12:02)~ 不動沢登山口駐車場(13:52)~ 高湯温泉入浴 ~ 吾妻小舎(16:00)泊
 吾妻連峰の山は2012年秋、一切経山、2016年夏、東吾妻山、西吾妻山と登っている。2007年飯豊山登山の前にも登ろうとしたが雨のため諦めた。
 吾妻小屋の高橋さんからお誘いメールを頂いた時、迷っていた夏山の行先として穏やかな東吾妻の山々は丁度いい山に思えた。無理のない日帰り登山が出来そうだし、中々お目にかかれない魔女の瞳(五色沼)を今度こそ見られるかも知れないと期待した。それに前回、集中豪雨に襲われた景場平の湿原を花を眺めながらゆっくり歩くのも楽しみだ。日にちはまだ決まらないが、梅雨が明け天候が安定したら出かけると高橋さんには知らせておいた。
 8月2日

 4日間の飯豊山登山を終え次の目的地東吾妻へ向かう道中、ちょっと寄り道して米沢市の小関医院にお邪魔する。3年前、東吾妻山から下山した直後に発症した血尿を検査し尿管結石と診断、治療してくださった小関先生に一言ご挨拶するためだ。診察のお邪魔をしては申し訳ないと受付での挨拶のみと思ったが看護師さんも憶えていてくださり、診察の合い間に診察室に招き入れられる。あの時と同じニコニコ顔の先生に迎えられ、3年前の状況が思い浮かび挨拶も涙声になって行く。慣れない地での不安、絶望感を救ってくださった先生は今もお元気でご活躍だ。お会いできて本当に嬉しい。
http://ubealpine.fc2web.com/28houkoku/38-higasiazumayama.html

 小関医院の看護師さんに教えて頂いたコインランドリーで洗濯を済ませ、東北中央自動車道(無料区間)に乗り短時間で高湯温泉のホテル(観光協会紹介)に到着する。チェックインの前に明日アタック予定の家形山登山口を確認のためヘアピンカーブ連続の磐梯吾妻スカイラインを登って行く。浄土平からの一切経山登山が火山活動で禁止のため規制のかかっていない家形山に不動沢登山口から登るつもりだ。登山口を確認後、またまたグニャグニャ道をホテルまで運転のM、お疲れさん。
 8月3日

 ホテルの朝食は断り出発、15分で登山口駐車場に到着する。予想通り我が家だけ・・・と思ったら間もなく現れた若い女性2人、登山口を探しているようだ。Mが声掛けして同時スタートするが若さにはかなわないアッと言う間に姿が消える。
 登山口に《受験生は登らないで》とユニークな案内板があったが、成程赤土の滑り易い道がダラダラ続く。《ハイキングではありません。登山です》という注意書き(?)も確かあったが、危険場所がある訳ではない。が、とにかく長い。展望の無い樹林の中に続く登山道は進んでも進んでも同じ景色で、これと言ったビューポイントも無い。全身汗してこんな地味な道を行くのも魔女の瞳(五色沼)を一目見るため、ただそれだけのためだ。浄土平側からの一切経山登山道は展望も開け明るく、酢ヶ平湿原や鎌池など変化に富んでいる。早く火山活動が治まって欲しいが、この年になると規制解除をじっと待ってはおれない。一目魔女の瞳を見たいが為に黙々と歩く。登山道沿いの高い梢に赤い布切れが所々ぶら下がっているが、あんな高い所によくつけたものだ。雪の季節でも登る人がいるようだ。
慎重に橋を渡る
 慶応吾妻山荘分岐にようやくたどり着く。地図によれば山荘までは5分、《命惜しんで定休日》《本日休業、水は出ています》の古い看板が足元に置いてある(後で聞いた話では山荘は取り壊されるらしく、現在は水も出ていないらしい)
 一休憩後、気を取り直して狭く急になった登山道を登って行く。随分と山深く感じるのは2人きりの所為だろう。
笹薮を漕ぎ踏み跡を辿って登る
 
 樹林帯を抜けるとようやく辺りが開ける。目の前のガレた急坂を登り切れば見えるかも・・・息を弾ませながら一歩一歩登る。見えた!
 ようやく巡り会えた魔女の瞳、Mは早速写真を撮っている。負けずに張り切って撮りたいが思わず腰掛けた大きな石から動けない。薄らと湧く霧に見え隠れしながら刻々と変わる瞳の色・・・青、蒼、碧(?)しばらくボーっと見つめる。裏磐梯に同じ名前の五色沼があるが雰囲気は正反対、天と地の違いを感じる。初めて磐梯山に登った時訪れた裏磐梯の五色沼は人人人の波で景色を眺めるどころでは無かった(訪れる日、時間帯にも因るのだろうが)自分の足で頑張ってようやく目にした五色沼・・・美しい。
ようやく巡り会えた魔女の瞳
 ガイド本によれば五色沼分岐からたったの10分、田中陽希さんならいざ知らず、ブッシュとガレ場の家形山への登りは手強く10分では登れない。登るにつれ傾斜が増しズルズルと滑り落ちそうだ。怪我をしないよう心がけようやくゴロゴロ石に囲まれた三角点に登り着く。
五色沼分岐からの家形山
 磐梯山が意外と近くに雲の切れ間に覗いている。眼下の五色沼を挟んで対岸に聳える一切経山の向こうは浄土平だ。
 山頂で休憩中の西吾妻から縦走して来たという男性は一切経山から浄土平に下山予定だったらしい。登山規制中(浄土平側)の情報を喜んで頂いたが何もない不動沢登山口へ下山後どうされるのだろうと他人事ながら気にかかる。
ベニウスダケの幼菌?
 登りも長かったが、下りも長く堪える。2人共特効薬(ツムラ68番)の世話になり疲れ切ってようやく車に辿り着く。どちらともなく明日予定の東吾妻山登山は止めようと話が纏る。せっかく高橋さんが誘ってくださったのに無理はできない。
ホツツジの花
 吾妻小屋に向かう前に前泊のホテルまで引き返す。日帰り入浴で汗を流し再びヘアピンカーブ連続のスカイラインを登って行く。
 登り着いた浄土平は東吾妻山、一切経山の登山口だが見覚えの風景との違いに驚く。観光客で賑わっていたレストハウスは閉鎖され飲み物の自販機だけが目につく。レストランの美味しかったうどんの味を思い出しながら僅か3年の間の様変わりに戸惑う。(現在、磐梯吾妻スカイラインは不動沢駐車場近くのゲートが17時~8時の間閉るので、その間浄土平~高湯は通行できない)
家形山 トラック図
 良かった! 兎平の吾妻小屋はちっとも変っていない! 高橋さんの笑顔に迎えられ2階の部屋で寛ぐ。同宿は東京からの父娘カップルだ。
 
兎平に建つ吾妻小屋
 夕食は高橋さんが福島市街まで買い出しをされ腕を振るってくださったご馳走だ。アウトドア界で有名な《シェルパ斉藤》こと斉藤政喜氏も山の情報誌《PEAKS》で高橋さんの料理を紹介している(山小屋24時間滞在記)美味しい料理でビールも進み時間を忘れて話も弾む。ただ残念な事は一切経山の火山活動が活発で思うように登れないという現実だ。早く活動が治まりますように。そしてまたいつの日か酢ヶ平湿原や青々と水を湛えた鎌池の畔を歩けたらと願う。疲れたけれど充実の一日だった。優しくランプが灯る部屋、満足の想いで眠りにつく。
( 文:斉藤(滋)  写真:斉藤(宗) 斉藤(滋) )
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