へのリンク
立山・剱岳(別山尾根~早月尾根)縦走の旅③
 
 
 
山行日  2019年8月21日(水)~25日(日)
山 域  立山・剱岳
天 候  22日 曇り時々小雨、 23日 曇り時々晴れ
 24日 曇りのち雨   25日 曇りのち晴れ
メンバー  福山 清二 他 1名
行 程  <8月24日(土)>
剱岳頂上発(9:45)~早月尾根分れ(9:53)~2,800m地点(11:05)~2,600m地点(12:30)~早月小屋(13:10)泊

 <8月25日(日)>
早月小屋(3:00)~1,000m地点(7:30)~馬場島登山口(8:05)~キャンプ場(8:10)(朝食)~馬場島荘(9:35)~タクシー~上市(温泉)(10:05)~上市(11:39)~電車~立山(12:33)~(昼食)~立山駐車場(13:30)~高速~厚狭(26日0:15着)
 剱岳頂上からの展望は霧が晴れず、ときおり少し薄くなる状態の繰り返しだったので1時間滞在した後、下山することにした。
 今回は早月尾根ルートで下降するが、早月尾根分岐は登りで使った別山尾根ルートではなく剱岳頂上から直ぐ下降しないで少し上の稜線を進むと十字架の様な標識が立っている。登頂の際に他の隊のリーダーが説明するのを聞いていたので近寄って標識を確認したが文字は全て消え一字も判読出来なかった。周りを探すと足元の岩にペンキで「早月尾根」の表示があった。今回は濃霧でなかったので早く確認出来たが、頂上から直ぐの分岐が分からず別山尾根を間違って下降したら大変危険であり十分な注意が必要と強く感じた。
頂上直下の判読不明な標識(早月尾根分岐)
 早月尾根ルートは別山尾根ルートより難度レベルは低いという説明を読んだ気がするが、極めて危険個所が多く、鎖場も長く、個所も多かった。
 しかも表示板は2,800m地点と2,600m地点にあったものの、別山尾根ルートの様に多数の表示はなくて、次から次と続く危険個所のため地図どころかスマホ画面すら確認出来ず何処の場所にいるか分からないことも多かった。
別山尾根と同様な鎖場
厳しい鎖場の連続
不安定な岩稜歩きは別山尾根以上
頂上から40分下降も厳しい岩稜
 最初の危険地帯を通過して小休止していたら70代と思われる単独登山者が登って来られた。馬場島を3時に出て12時30分には頂上から下山開始する予定だとか750mの馬場島から標高だけでも2,300m近い登り、そのまま下山する人がいるとは、ネットで見たことはあるものの、目の前の普通の高齢登山者が挑戦中という現実に驚いた。
 それから更に下山していたら次から次へと出合う登山者の数は大変多く、単独が約10人、夫婦など2人連れが10組程度、3人と4人と6人のパーティーと合計40人超えだった。最初から半分くらいまでは、ほとんどの方と短い会話をしたが,ほぼ全てが頂上日帰り登山の方で、段々と疲れてあいさつだけになってしまった。頂上日帰り登山の方はみんな3時、5時に出発されトレイルランナーの青年と彼女、健脚そうに見えなかったものの早月尾根日帰り登山初挑戦の若い単独女性、4回目という地元の単独高齢者、更には金曜日の夜、東京から車で6時間かけて来て近くの温泉に宿泊、土曜日の早朝から頂上往復の日帰り登山をして翌日6時間かけて東京に帰り明後日・月曜日は仕事という強者もいた。リーダーだけ40代か?他の4人は学生風だった。
 一方、大きなテント泊装備の学生もいた。2,600m地点の少し上部の登山路脇で雷鳥とヒナが出てきたが直ぐハイマツ帯に逃げハイマツの枝にとまった。枝にとまった雷鳥は珍しいのでスマホで写した。
霧が晴れると絶景が
 その後も鎖場こそ少なくなったがガレ場や段差の大きな危険な場所
が多く、登山路脇に草が生えている場所でもそこは絶壁、つまずいたりして転落したらヤバい箇所ばかりで緊張の連続だった。早月小屋の直前まで厳しさは続きテント場に下り、早月小屋に入ってやっと安心した。
 小屋に入ったら雨になった、小屋には天水しかなくそれも少ないのか洗面台にもトイレ前にも水道の蛇口が無く、アルコール消毒液だけだった。長い間、数多くの小屋に宿泊して水道の蛇口がない小屋は1ヶ所あった(中央アルプス空木岳付近の木曽殿山荘)が、そこでは少し遠い水場から運びあげトイレ前には朝顔型の手洗いがあった。350m L 700円の缶ビールは飛ぶように売れていたが、2L1,000円のミネラルウオーターは完売、ペットボトル持参なら天水を煮沸した水と麦茶なら500m L 200円で買うことが出来た。
 土曜日で満員のため部屋は狭かったものの、夕食は美味しいご飯と豚肉がたっぷり入った美味しい豚汁が、お替り自由、ダイコンや豆腐、山芋など美味しいおかずには既製品は一切なく、全て手作りなのには感心し温かみを感じた。
 翌朝2時起き、3時にヘッドランプで出発した。
 昨日、登山者との会話の中で早月小屋までは大変だが、小屋から下は小学生のハイキングルートのようなものと聞いていたが、全く違い、ストックが必要な個所もあり、あったら危険な個所もあり、気の休まる時はなかった。段々下降し大きなブナの木が現れ森林地帯に入った。豪雪地帯だからか、沢山の太い枝が地面の直ぐ上から何本も伸びた杉の巨木が次から次に現れ圧倒された。
貫禄のブナの大木
 
豪雪に耐えた雄大な杉の巨木
 
馬場島登山口近くに立つ「剱岳の諭」
 木の根っこも滑りやすいので時々3点確保で歩いた。8時に馬場島に到着した。駐車場は満車状態だったが、下山した女学生数人、数人の家族ずれが楽しんでいるだけで馬場島荘を含めて人影は余りなかった。キャンプ場で簡単な朝食をとり、上市からタクシーを呼んだ。到着までに30分はかかるので馬場島荘内や公園を散策した。馬場島荘には樹高26m,地際から1.3m幹回りが11mの写真なども展示されていた。
 タクシーでは約20km先の上市駅付近の浴場までお願いした。帰宅までは距離や時間は、まだまだかかるものの大きな縦走は無事終了し感謝している。
 まとめ
 この度は立山・剱岳の縦走も大変だが、片道900kmの車の旅も眠気などを大変心配していた。しかし往復ともなんの心配もなく運転走行出来て安心した。これからも絶対に事故は起こさない楽しい思い出に残る山旅をもうしばらく続けるつもりでいる。
( 文・写真 福山 )
←立山・剱岳縦走の旅 ② 
     
   
Copyright(C) 2004 Ube Alpine Club All rights reserved.