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③ヨーロッパ・アルプス
(ブライトホルン  ハーフ・トラバース)
 
 
 
山行日  2019年8月13日(火)
メンバー  佐々木(慶)、非会員(S.Y)×1名
天 候  快晴~薄曇り
行 程  ツェルマット06:30~グレッシャー・パラダイス07:20 発07:50~ブライトホルン山頂12:50~グレッシャー・パラダイス14:30
 予報どおり天候が回復。この日はブライトホルン(Breithorn 4146m)をハーフトラバースする。トラバースは縦走の意味で、途中のコルから山頂へ縦走するからハーフトラバースとのこと。先日と同様に朝一番のロープウェーでツェルマット山麓駅からグレッシャー・パラダイスへ上がって行く。一昨日、ポリュックスから下山して山頂レストランの前で装備を解除した際、トレッキング・ポールを置き忘れたのだが、置き忘れた場所にそのまま立てかけられていた。有り難く回収。
 無風に近く寒さも感じない。07:50パートナーとロープを結び合ってガイドとクライアントの各組と同じタイミングで出発した。2回目になると氷河歩行にも余裕が生まれ、周りの風景を楽しむこともできる。一般ルートを登るパーティーを左側(北)に見送り、ブライトホルン・パスをハーフトラバースの取り付きへ向かう。傾斜が強くなり、ジグザグに登りながら取り付きを目指す。
 最初の核心は、取り付きから稜線までの氷雪面の登りになる。ガイド達は、アイス・スクリューを使ってクライアントを確保していた。先行していたパーティーのクライアントが足を滑らせて数メートル滑落していた。確保されていたので大事には至らなかったようだ。直後、サングラスが落ちてきて、下のクレバスに吸い込まれていった。なんだか騒々しい。
 この氷雪面、グレート・サミッツのDVDでは、ガイドがステップをカッティングしながら歩いて登っていたのだが、とても立って歩けるものではない。その年で状況は大きく変わるのだろう。私たちは、アイス・スクリューを持参していなかったので、ピッケルを支点にツルベで登った。騒々しく登らなければならないほど難しいものではなかったが、所々、表面の氷が割れ易かったり、その下の氷が硬かったりして嫌らしかった。
 稜線に辿り着き、少し雪稜を進むと岩稜になる。ここから山頂の少し手前までは、岩稜帯が続く。先行のガイド・パーティーがクランポンで登っていたので、ミックス帯があるかと思い、私たちもクランポンで登って行ったが、結果からすれば付けていなくても良かった。
 岩稜はスッキリしていて気持ちよく登れる。高度感があるものの、手がかり足がかりも多い。岩稜帯の後半に刀渡りのような箇所とかぶり気味の尖岩がある。刀渡りのような箇所は、真上を渡ろうとせずスイス側(北側)へ身を乗り出してトラバース気味に処理するのが易しい。また、かぶり気味のニードルは、支点から少しイタリア側(南側)へ回り込んで登れば容易だ。
ブライトホルン山頂
ハーフトラバースの岩稜帯 終了 後ろにマッターホルンここから雪稜を辿り山頂へ
 12:00岩稜帯が終了。ここからは気持ちいい雪稜の緩やかな登りとなる。1時間弱で頂上だが、狭い足下なので慎重に進んだ。13:00頃、山頂に至る。先行していたパーティーや一般ルートから登ってきたパーティーで賑やかだった。
 下りは、一般ルートを駆け下り、山頂レストランのカプチーノでまったりしてからツェルマットへ戻った。
 
頂上からのパノラマ
( 文・写真 佐々木(慶) )
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