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春の九重山系 平治岳
 
 
 
山行日  2019年6月2日
天 候  雨時々曇り
メンバー  江本(正)、関原(久)
行 程  宇部I.C.(3:00)~九州自動車道~東九州自動車道~湯布院I.C.~やまなみハイウエー~長者原(5:40~6:00)~雨ヶ池~坊がつる(7:50)~大戸越(8:50)~平治岳(9:30)~平治岳本峰(9:45)~大戸越(10:30)~坊がつる(11:30~11:50)~長者原(13:05~14:50)~やまなみハイウエー~湯布院I.C.~東九州自動車道~九州自動車道~中国自動車道~山陽自動車道~宇部I.C.(17:25)
 毎年この時期になると九重山系平治岳のミヤマキリシマの開花状況が気になる。
 天気予報は雨だが、迷うことなく当初の計画通り6月2日にミヤマキリシマ鑑賞山行を実施した。平治岳のミヤマキリシマの開花は7~8分咲き。昨年と比べると一週間程度遅いように感じた。
 天気予報は雨だが、もしかすると午前中くらいは天気が持ってくれるのではとの期待も虚しく、長者原手前から車のフロントガラスを雨が濡らしはじめた。
 長者原に着くと、山開きなのに駐車場は閑散としていた。毎年この時期は空きスペースを探して駐車場の中を周回するのに、この日は車の数が少なすぎて車をどこに止めようか迷う始末だった。
 早々に身支度を整え長者原から雨ヶ池経由で坊がつるを目指す。
 長者原からは星生山の北斜面がミヤマキリシマで若干ピンクに染まっているのが見えるが昨年同時期と比べると明らかに少ない。平治岳の開花にも不安を感じた。
 登山口の登山ポストは満杯だったが登山計画書を無理やり押し込み、ゆっくりと薄暗い樹林帯を進む。確実に雨量が増加しているのを樹林帯を濡らす雨音の変化で感じ取ることができた。
 上半身だけゴアテックスの雨合羽を着ていたが、ゆっくり歩いても薄っすら汗ばむ。汗で濡れても雨で濡れてもさほど変わらないのではと思われたが、合羽を脱ぐわけにはいかない。雨量は少しずつ増していき、樹林帯を抜けたところで雨合羽のパンツを着用した。
 雨ヶ池に近づくと下山を急ぐ登山者に出会うようになる。ザックの容量の大きさやむき出しのウレタンマットから昨晩、坊がつるにテント泊したと思われた。おそらく雨が降り出したので下山を早めたのだろう。
 8時前に坊がつる着。ほぼ予定したコースタイム通り。テント数が例年に比べると少ない。
 例年だとこの時期100張以上の色とりどりのテントが張られにぎやかなのだが、今日は晴天時のような賑わいはない。目を凝らすと遠く平治岳の頂上付近がピンク色に染まっているのが見える。
 
坊がつるから平治岳を望む
 坊がつるから樹林帯を大戸越に抜ける間も渋滞することはなく、ほぼ自分達のペースで歩くことができた。
 大戸越では人影はまばら。そのころ一時的だが雨があがる。防水仕様でないカメラでも写真が撮れると喜ぶ登山者も見うけられた。
 関西からの登山ツアーの団体が到着して賑やかになったものの平治岳の登りが渋滞する様子はない。お目当てのミヤマキリシマは7分から8分咲き。開花の時期をうかがっている小さな蕾もたくさん目に付いた。 
 
大戸越のミヤマキリシマ
 
雨に濡れるミヤマキリシマ
 山の斜面が一面ミヤマキリシマに覆われ、ピンク色に染まる風景をこの平治岳以外では知らない。
 スキューバーダイビング経験のある関原はミヤマキリシマのピンクの絨毯をサンゴ礁に例える。言われてみると確かにサンゴ礁のようにも見えるが、ピンク色に染まっている分こちらの方が美しいと感激しきりだ。無神経にも私は昨年の方がもっときれいだったと余計な一言。それでもこれまで見てきた中で5本の指に入ると答えるとそれなら満足、来て良かったと喜んでくれた。
 目の前に広がるこの風景はいまだけのものと思うと名残惜しいが、いつまでも長居するわけにもいかず、時間を見計らって下山を開始する。
大戸越からの登り
 
平治岳~三俣山を望む
 坊がつるに着くとテント数は朝よりもさらに減っていて、10張りにも満たない。大船山を割愛したことで時間に余裕ができたので、ガスコンロを使って暖かい昼食をとる。
 昼食後空を見上げると雨はさほど降るようには感じなかったので長者原までの一時間半の道のりは雨合羽は着ないことにした。
 途中渋滞することもなく休憩なしで足早に下山した。長者原に着くころには雨は上がった。いつもの事ながら歩く速度が速かったと指摘されたものの、歩きに集中できたことで怪我なく下山できたと考えて良しとした。
 下山後温泉につかりながらこの日の山行を振り返って、今日ぐらいのコンディションなら雨の中の山歩きも悪くないと思った。
 良かった点は、登山者が少ないので、駐車場の心配をしなくて済んだこと。登山道が渋滞しなかったこと。気温が低く歩いても暑くないので、疲労が軽かったこと。ミヤマキリシマもしっとり濡れてきれいだったことなどだ。
 毎回感じることだが土日休みのサラリーマンがミヤマキリシマの満開のタイミングに当たるのは難しいということ。それから梅雨時期の天候を正確に予測することは難しいということ。
 だが今回、雨天でも快適な山歩きが楽しめることに気づけたのは収穫だった。
( 文・写真 : 江本 正彦 )
 
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