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早春の黒岩山~泉水山を訪ねて
 
 
 黒岩山~泉水山縦走路からの九重連山
 
 
山行日  2019年3月24日
天 候  快晴
メンバー  斉藤(宗)  斉藤(滋)
行 程  久住高原H(8:45)~ 長者ヶ原(9:20-9:30)~ タクシー ~ 牧ノ戸峠(9:45-9:53)~ 黒岩山(10:38-10:50)~ 上泉水山(11:58-12:28)~ 下泉水山(13:08)~ 長者ヶ原(14:04)
 ホテルで朝食を済ませ長者ヶ原へと急ぐ。早発ちは登山の鉄則だが、めったにないホテルでの朝食を楽しみたい。食べる事を優先した結果の後は慌ただしい。長者ヶ原の下山口に近い駐車場に車を停め今日もタクシーで牧ノ戸へ。若い頃は下山後、徒歩で牧ノ戸まで登り返していたが精神的にも肉体的にも今は無理だ。
 やまなみハイウェイを横切り久住山方面と反対の登山口を出発! と若い男女のグループが一緒ではないか! 「お先にどうぞ。のろいですから」と挨拶すると「こっちも遅いですよ」と弾けそうな笑顔が返る。今日は楽しい一日になりそうだな・・・と思ったらみなさん間もなくUターン、目的地は久住山だそうだ。イケメンのリーダー(?)は「始めから間違えました」と照れ臭そう。予想通り2人きりの歩きが始まる。昨夜も降ったのか? 所々うっすらと雪が残っている。風が冷たくマフラー、手袋姿だが頭上には素晴らしい青空が広がっている。一昨日程の息切れはないがピッチは中々上がらず今日もゆっくりと登って行く。
 
黒岩山山頂が見え始める
 何年ぶりのピークだろう? 短い登りとはいえ黒岩山に登り着きホッとする。歓迎するように咲いたマンサクの向こうに連なる山々・・・懐かしい光景だ。
 一息入れていると単独行の女性が現れる。この時間に泉水山から登って来られたとは若いって本当に羨ましい。
 
黒岩山山頂
 そろそろ我が家も出発しよう。 明るい笹原の尾根道、点在する馬酔木の蕾はまだ固く期待外れだが、目前の九重連山の迫力にしばし立ち止まりカメラを取り出す。
 三俣山の隣にチョコンとかわいい指山、昨日の泥んこ道が思い浮かぶ。
 
昨日登った指山が見える
 
上泉水山に向かう
 遅い出発だったが丁度お昼時に上泉水山に到着する。
 さぁお弁当だとザックを下ろしてびっくり! ザックの蓋のチャックが全開ではないか!! また、やってしまった。慌てて収納物を調べる。無い! シルバコンパスが。「またか」とMが呆れるのも無理はない。結構高価なシルバコンパス、過去2度も失くしている。黒岩山の山頂でチャックを開けた事を思い出したが何故閉めなかったのか・・・今さら悔やんでも諦めるしかない。引き返して捜す気力も体力もない・・・。黒岩山~上泉水山でシルバコンパスを拾われた誰かさん。それは間違いなく私のコンパスです。どうか大事に使ってください。
 ホテルにお願いした「おむすびだけでも結構ですから」のお弁当は正直におむすびだけ。それでも間近に連なる九重の山々を贅沢に2人占め、ドジさえなかったら最高のランチタイムだったのに。
 気を取り直して下山開始、眼下に広がる長者ヶ原の長閑な景色に癒される。
 「ドローンの世界だな」とM。箱庭のような景色の向こうには堂々と聳える由布岳も。記憶に残っていた長い馬酔木のトンネルを抜け下泉水山に到着、給水のみでそのままヒノキの植林の中を下って行く。
 
長者ヶ原を望む 遠く由布岳が見える
 前方が明るくなって来た。ここで景色は一変、広々とした草原へと飛び出る。
 ベージュ色と黒色が交わっているのは昨日の野焼きの痕だろう。指山からの下山中見えた赤い炎を思い出す。この黒い草原のあちこちにキスミレが咲き始めるのも間近だろう。
 
明るい草原に出る 背後は涌蓋山
 
 
思わず見上げる
 
 林と草原の境目を行く登山道を緩やかに下り長者ヶ原の愛車へと帰り着く。
 
長者ヶ原に帰り着く
 
 マンサクの花以外、まだまだ冬景色で地味だった九重山の山旅、疲れながらもどうにか歩けた。
 Mの喜寿の記念山行、プレゼントしたつもりだったのに、なんだかされた気分に。《指山》《黒岩山~泉水山》・・・願いがかなったからだろう。
 山旅を終えて
 帰宇して2日後、定期検診でCT検査を受け結果を訊く。主治医のT先生「風邪ひいた? 咳が出てなかった?」「出てましたが、この時期、毎年の事で・・・」「もう治りかけているけど肺炎起こしてたよ」どおりで体が重かった訳だ(痩せられない大きな体の所為も)日々体力が落ちて行くと自覚してはいるが、それにしてもきつかった。処方された抗生物質を飲みながら大事に至らなくて良かったとつくづく思う。高齢者の山での遭難の一つは病気と聞いた事がある。肺炎にかかっていながら全く気付かなかった自分が情けない。歳をとる・・・改めて実感した危ない九重の山旅だった。
( 文:斉藤(滋) 写真:斉藤(宗) 斉藤(滋) )
 
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