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雪の比婆山(登り納め&登り始め)
 
 
 毛無山への登り
 
 
山行日  2018年12月31日~2019年1月2日
天 気  曇り 時々晴れ 時々小雪
メンバー  斉藤(宗)  斉藤(滋)
行 程  12月31日
 自宅(6:05)~ 比婆山県民の森公園センター(9:50-10:20)~ 毛無山山頂(14:40-14:50)~ 県民の森公園センター(16:28)

 1月1日
 県民の森公園センター(11:08)~ 展望園地(12:25-12:37)~ 県民の森公園センター(13:20)

 1月2日
 県民の森公園センター(9:25)~ 出雲峠(10:50-11:00)~ 夏道合流(12:24)~ 烏帽子山山頂(13:05-13:30)~出雲峠(14:15)~ 県民の森公園センター(15:10)
 12月31日
 2人だけの年越しは寂しいので今年も比婆山にやって来る。
 数日前の寒波到来で積雪は十分、期待出来そうだ。比婆山公園センターに立ち寄った後、先ずは足慣らしに毛無山へと向かう。登山道に残された微かなトレースを辿っても膝まで埋まってしまう程の雪、交代ラッセルで進む。どんよりとした寒空だが次第に青空が広がっている。久しぶりの雪の感触に気分はルンルン・・・だが現実は甘くない。湿った重い雪のワカン歩行は厳しい。夏道だと1時間+αで登れるのになんと遠い事か!
 大きなブナが立つ鞍部、エッあれだけラッセル頑張ったのに? 大きなヘアピンカーブ、まだまだこんな所か! 記憶のポイントに着く度にがっかりし焦りを感じる。越原越を目指しながら管理道終点で敢え無く敗退した4年前、あの時の虚しさが脳裏をよぎる。
 
延々と続くラッセル
 2018年の登り納めと軽い気持ちで挑んだ毛無山でまさかの悪戦苦闘、やっと出雲峠への分岐標識まで登る。いつもならここまで来れば後は楽勝とホッとするのに、重い雪の所為で疲れてしまい、かなり気弱になっている。昼はとっくに過ぎているがエネルギー補給の気分にすらなれない。このまま引き返しか・・・いや下りはショートカット出来るから登り程時間はかからない。ここまで来て山頂を踏めないなんて、後できっと悔やむだろう。
 「2時半までは頑張ってみよう!」とラッセル再開、ようやく樹林帯を抜け山頂直下のトラバースにかかる。後少し(距離は)がここからが大変、トレースが現れたものの一歩踏み出せばズボッと腿まで埋まり次の一歩が踏み出せない。もがいてばかりで時間だけが過ぎてしまう。先行交代のMもかなり苦戦しているがトレースを外してのコース取りがいいのか順調に進み始める。急いで後を追うが、ほんの少し踏み跡を外すだけで埋まってしまい、どんどん置いていかれる。気付けばタイムリミットの2時半は過ぎてしまった。後少し、ここで諦める訳にはいかない。やっとの事で雪に埋もれた山頂標識に辿り着く。
 
毛無山山頂
 山頂広場には一張りのテント、ここでご来光を眺めるために出雲峠経由(昨晩は出雲峠泊との事)で登られたという男性、親切に2人並んでの記念写真を撮ってくださる。毛無山山頂の写真は多く、いつもならわざわざと思うのだが今日ばかりは素直に写ろう(結果、4時間超えのアルバイトを頑張った《ドヤ顔》の筈が、どうしょうも無い程の《くたびれ顔》に・・・発表できない)さぁ下山開始だ。
 時間が時間だけに呑気には下れない。いつもは楽しいショートカットの急坂も転ばぬようになんとか下り、公園センターに帰り着く。歳を忘れ軽く足慣らしなんて《ボーと呑気に生きてるんじゃねーよ!》とチコちゃんに叱られそうだ。何はともあれ無事に登り納めでき一安心。感謝の想いで2018年を締めくくる。
 1月1日
 元旦の朝、窓の外は小雪が舞っている。毛無山のご来光はどうだったのだろう。 昨日のラッセルが堪えたのか、Mの瞼も私の顔も腫れぼったい。1年の始まりから、のんべんだらりとしたくないが、生憎のお天気はサボり感を拭ってくれるようでホッとする。
 しかしこのまま終日部屋で過ごすのはやはり落ち着かない。そこで展望園地(996m)まで行ってみる事に。数年前までは、この程度の天気なら張り切って一日コースへと出かけたのに、今年の登り始めは散歩程度の歩きとなる。だがゆっくりながら、こうして歩けるだけで幸せとつくづく思う。
 展望園地からは昨日登った毛無山から伊良谷山、牛曳山へと続く穏やかな稜線が見える。今年も無理せず自分達のペースで山歩きを楽しみたいと願う。
 
展望園地から毛無山を望む
 1月2日
 昨日に続き今日もお天気は冴えないが、さすがにさぼる訳にはいかない。頑張って御陵まで行くつもりだ。
 新年を比婆山で過ごし始めた頃は山中で結構登山者に出会っていたが、ここ数年は出会う事が少なく、自前ラッセルは覚悟の上だ。が大晦日に毛無山で出会った人のトレースか(?)おかげで出雲峠には程々のタイムで到着する。
 避難小屋で一息入れていると若者3人のパーティーがやって来る。やったね! 助っ人だ!と喜んだのは束の間、彼らは毛無山に向かうらしい。以前は先陣争いのライバル現るとカリカリしたものだが一昨日の重労働が思い浮かび、ついついあるまじき思いを抱いてしまう。よし!覚悟は出来た。気合を入れ直し若者達に見送られ避難小屋を後にする。
 
出雲峠に到着
 幸いな事に(正直な今の気持ち)烏帽子山に向かう樹林帯の中にもトレースは続いている。いつ消えてもいいようにコンパスはセット済みだ。
 例によって四角形の3辺を歩く沢経由の夏道を離れ雪崩れの危険を避けて尾根に取りつく。四角形の1辺で距離は短くなったが1歩1歩の踏み出しに難儀する。トレースはあるもののその後の積雪で自前ラッセルを強いられる。
 雪は相変わらず湿って重い。短い間隔で交代しながら段々と息も荒くなる。と突然トレース消滅! 「エエッ~!!」慌てて辺りに眼を凝らすが真っ新な雪面だけが目に入る。先行者は何処へ消えた?! ここから引き返したのだろうか? 「風の通り道で消えたんじゃないか」とM。それにしても今の今まであった物が忽然と消えてしまったなんてしっくりいかない。
 ある程度覚悟はしていたが、本当の意味の自前ラッセルが始まる。埋まる、進めない、焦る、山頂直下だった毛無山と違いまだ先は長い。Mが記憶を元に左寄りにコースを修正し少し楽になる。どうにか頑張り夏道に合流、山頂まではまだまだだが傾斜が緩み窪んだルートが明白だ。焦らず進む事にしよう。
 
山頂近くの積雪
 
 時間はかかったが寒々とした烏帽子山の山頂広場に到着、ポツンと標識が雪面から頭を出している。
 雪の季節、もう何年もここで人に出会っていない。雪に埋もれたベンチを見つけ先ずは即席麺で温まる。Mが古いシュラフカバーを改良して作ったオーバーヤッケを着用、寒さが和らぐ。
 
オーバーヤッケじゃなく、オバケヤッケ?
 
 360度展望がきかなかった山頂のガスが流れ御陵が見えて来た。全山霧氷に覆われた姿は神々しく近寄り難さを感じる。
 今日の目的地の筈だが行き着けないと言葉は交わさなくともお互い分かっている。ここからピストンで帰るより御陵まで頑張りスキー場経由で帰る方が近いだろう。問題は残された御陵へのラッセル・・・短い登りだが、最早スタミナ切れだ。残念だが安全第一、無理はできない。
 
霧氷の御陵を背景に
 往路に比べて復路は速い。登りの孤独感は消え何時もの様に雪の下りを楽しむ。
 出雲峠を過ぎると青空が覗き始める。悔しいが今さら引き返せない。真っ青な空をバックに真っ白な霧氷を見たかったなぁ・・・。御陵での初詣は出来なかったが、力を出し切った感で2人共それなりに満足する。
 
下りは楽しい
 比婆山に別れを告げる朝、雲一つ無い青空をバックに純白の稜線が眩しいほどに輝いている。再度の挑戦を誘っているように。
( 文:斉藤(滋)  写真:斉藤(宗) 斉藤(滋) )
 
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