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大寒の九重縦走
 
 
 
日 時  2019年1月19日(土)~20日(日)
山 域  星生山・中岳・白口岳
天 気  1月19日 晴のち曇、 1月20日 雨のち曇
メンバー  福山 清二ほか 会員外3人
行 程  < 1月19日(土)>
 小野田(5:00)~埴生IC~湯布院IC~牧ノ戸登山口(8:20)~星生山(10:50)~御池(12:05)~池ノ小屋避難小屋(12:20・昼食)~中岳(13:05)~白口岳(14:05)~鉾立峠(15:15)~法華院温泉(15:55) バンガロー泊

 <1月20日(日)>
 法華院温泉(7:30)~諏蛾守越(8:45)~大曲登山口(10:00)~牧ノ戸登山口(10:40)~長者原(入浴・昼食)(12:20)~~椎田南IC(15:20)~小野田IC(16:30)
 一面を樹氷で覆われた九重を体験し凍結した御池の氷上を歩きたいと長年想っていたが単独山行は危険なので実現しないでいた。今年は暖冬傾向だが冬山経験者数人に声をかけ4人で計画をたてた。当初はテント泊も考えていたが参加者も増えたので鍋を囲み懇談も楽しめるバンガロー泊にした。
 朝8時に牧ノ戸峠駐車場に着いたが相当空いていた。そして予想通り樹氷も霧氷も全くなかった。翌日早朝に期待したいものの予報は未明から雨だった。
 しかし、沓掛山付近まで進むと由布岳や鶴見岳が凄くはっきりと見えた。また、西方遠くに広い雲を携えた雲仙普賢岳が相当鮮明に望めた。
 ここで、地元大分の高齢ご夫婦と話すようになった。主人は70才前だが15年前から山行を始めご夫婦で九州の山の多くを登り、昨年はガイド付きで剱岳登山をしたとのことだった。そして九重の冬は毎年来ているが大変な人気で、雪が降るとミヤマキリシマの時季より駐車場が混む、4時までに来ないと牧ノ戸峠には駐車できないとのことだった。そして今季はずーと雪を待っていたが全く降らないので待てずに今日は来たとのことだった。
 星生山登山路を登り始めると草原の中にあるいくつもの小さな湖沼が凍結しキラキラ輝いて見えた。ほどなく最初の峰、星生山頂上に立った。九重はどの山頂も素晴らしいが私はここからの展望を一番楽しみにしている。
 眼下に噴煙の立ち上る硫黄山、その向こうの三俣山・大船山・中岳・天狗ヶ城・稲星山・久住山など1700m超の峰々、涌蓋山・平治岳・扇ヶ鼻などの九重連山が間近に見え、遠くの英彦山・由布岳・阿蘇山を含む360度の鮮明な大展望はとても素晴らしかった。
 
星生山から硫黄山、奥は左から三俣山・平治岳・大船山
 久住分れに向かって少し進むと過去の山行では霧でほとんど見たことがない星生崎の素晴らしい岩稜も鮮明に望めた。
 
右に星生崎の岩稜、奥は左から天狗ヶ城、稲星山、久住山
 また、西方には扇ヶ鼻と肥前ヶ城の向こうに根子岳から高岳・中岳・杵島岳と連なる阿蘇山全景がくっきりと見渡せ噴煙も見えた。九重登山は毎年数回、数えきれない程登ったが遠望に関しては今回が最高だった。
 
肥前ヶ城の彼方に阿蘇の全景、噴煙も
 星生崎は北アルプスの岩稜帯と同じ感じだった、直ぐに久住分れに着いた。更に、しばらく進むとお目当ての場所、標高1700m地点の御池に到着した。
 天狗ヶ城と中岳に囲まれた相当広い火口池だが完全凍結していてスケートリンク状で数十人が大きな声をあげたりして遊んでいた。
 
凍結した御池、前方の峰は中岳
 早速、氷上に乗ったが氷の厚さは10cm以上ありそうで割れる恐れはない。しかし、アイゼンを付けてないので転ばないようにゆっくりと中央付近を歩いて池ノ小屋避難小屋下に到達した。
 ヒップソリの女性を相当早いスピードで引きハシャギ楽しむ一組のカップルとすれ違ったが、その様子を多くの者が氷上や湖畔から眺めながら一緒に楽しんでいるような素敵な空間を感じた。
 
ヒップソリで楽しむ氷上のカップル
 御池から上がり、すぐ上にある池ノ小屋避難小屋に向かう途中で、朝方しばらく一緒に歩いた高齢ご夫婦が昼食されていた。友人の様に手を振って別れた。
 避難小屋には先に2パーティ6人がおられたが少し空いていたので入り、温かいワンタンスープとドリップコーヒーを作り行動食で昼食を摂った。
 
御池から近い池ノ小屋避難小屋
 昼食を済ますと目の前の中岳を目指した。頂上からは坊ガツルや御池が見下ろせ、ここも360度の絶景大展望だった。とりわけ数時間も歩いて山奥の凍結した池で多数が楽しむ様、そしてそれを眺めている自分に幸せを感じた。
中岳から御池、右は天狗ヶ城、奥は星生山
 
 中岳から多くの者は引き返すが我々は白口岳経由で法華院温泉に行くため反対方向の急斜面を下降した。
 登山路は荒れていたが短距離なのですぐに縦走路に降りた、しかし、稲星山への登山路と立派な標識はあるが白口岳方面の指示板は無かった。少し下方にリボンは確認したが稲星山登山路を進むと分岐があるのだろうと10mばかり進んだが違う感じがして「YAMAP」で確認したら、やはり先ほどのリボンの道が正解だった。
 しかし、そこから展望台までの数百メートル間は、しっかり縦走路はあるものの両方からの枝が邪魔して進むのが大変な状況だった。一方、足元は火山灰状ながら10cm近い凍結霜柱がしっかりと支えているため滑ることも嵌まることもなく進めた。
 白口岳の登りになると西方から雲が次々と現れ頂上に着いた頃には少しガスも出てきた。
白口岳、後は大船山、左端は平治岳
 
 直ぐに鉾立峠までの高度差360mの急下降に移った。急斜面の下山路は大変荒れており、段差の大きい岩が続くものの岩稜帯と違って時々ストックも必要な、本当に歩きにくい下山路だった。しかし、ここも霜柱が凍結していたので滑ることはなかったが雨だったら散々な目にあっていただろう。
 鉾立峠で少し休み16時前に法華院温泉に到着した。
法華院温泉、右奥は三俣山
 
 バンガローは冬季料金で10,000円、温風ヒーター使用料は2,000円だったが防寒対策しているので使わなかった。
 嬉しかったのは敷布団のようなマットが6枚あったこと、素敵な温泉、楽しい夕食。翌朝は、雨風が相当強くなったので三俣山は諦めて大曲に全員無事下山した。
 まとめ
 自分で計画した初めての冬山山行だったがメンバーの協力で安全で楽しい山行が出来た、こんな体験が出来たことに感謝している。
 九重は少し遠いものの変化に富み、四季を通じて楽しめると改めて感じた。これからも体調管理に努め無理のないゆっくり安全登山をしばらく楽しみたいと思っている。
( 文・写真 福山 )
 
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