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紅葉を訪ねて(霧ヶ峰)
 
車山山頂へ 空が近い! 
 
 
日 時  平成30年10月18日
天 気  晴れ
メンバー  斉藤(宗)  斉藤(滋)
行 程  10月16日
大河原峠(10:30)~ 白樺湖 ~ ビーナスラインのドライブ ~ 車山高原(ホテル)泊
 10月17日
ホテルで沈殿  泊
 10月18日
ホテル(8:40)~ 車山展望リフト近くのバス停(9:05)~ バス ~ 八島ヶ原湿原駐車場(9:20)~ 鎌ヶ池(9:45)~ 沢渡 ~ コロボックルヒュッテ(11:35-12:20) ~ 車山山頂(13:08-13:15)~ リフト山麓駅駐車場(14:45-15:15)~ R152 ~ 諏訪IC ~ 中央道・小黒川PA(16:50)車中泊
 《霧ヶ峰》《車山》どちらも耳にした事はあったが、はっきりと認識してはいなかった。この夏、北八ツの山麓を走行中に眺めた草原のような尾根、「気持ちよさそう~あそこ歩いてみたい」と思ったが霧ヶ峰だったようだ。
 深田久弥によれば山には登る山と遊ぶ山とがあり霧ヶ峰(最高峰は車山)は遊ぶ山の代表格らしい。歌でもうたいながら気ままに歩く・・・とは我が家にはもってこいの山だ。念願かなったこの時期、花の群落は見られないが、秋風にそよぐススキの原が楽しみだ。
 10月16日
 3日に渡る蓼科山登山を終え、霧ヶ峰に向かう。茅野市の観光協会に車山高原の宿を紹介して頂く。チェックインまでの時間ビーナスラインをドライブ、展望所から富士山、八ヶ岳、北アルプスの雄大な景色を眺める。明日への期待を胸にホテルへ。入浴後、先ずはコインランドリーへと急ぐ。
 
早く歩いてみたい稜線
 10月17日
 昨日まで無理せず歩いた筈だが、2人とも足が浮腫んでいる。幸い(?)天気もスカッとしない。迷わず沈殿と決め連泊する事に。せっかく用意して貰ったお弁当も部屋で。午後車山の麓を散策、明日の下山口の確認をする。夕方、目の前に蓼科山が見える露天風呂で一緒になった方に「山ですか?」と声をかける。毎年ここに泊まって霧ヶ峰に登っておられるという名古屋からの方、話しかけて良かった。バスの無料送迎、歩くルート、途中の山小屋等々、沢山の事を教えて頂く。
 
散策中に見つけた、かわいい蝶(ウラナミシジミ)
 10月18日
 マイカー登山の不便さは縦走後の車の回収だが、露天風呂で得た情報のおかげで八島ヶ原湿原までホテルのバスで送って貰う事に。出発は9時なのでゆっくりと朝食後のコーヒーも楽しみ、バスより一足先に出発する。下山予定地のリフト山麓駅駐車場に車を置き、近くのバス停でバスを待つ。定刻にやって来たマイクロバスに乗り込むとお客は1人も居ない。貸し切りとは申し訳ないが、更に降車時「迎えが必要な時は電話してみてください」と運転手さん。本当に親切で有難い。
 
八島ヶ原湿原
 周回するには遠すぎて(我が家にとっては)一度は諦めていた八島ヶ原湿原から最高峰の車山までの今日の行程、未知のコース挑戦にワクワクする。湿原を囲むように延びている木道を時計回りに進んで行くと蒼く空を映した鎌ヶ池の畔に出る。辺り一面広がるススキの原、穂先が陽射しを浴びて銀色に波打っている。日常の慌ただしい世界から異次元の空間に入り込んだ様な夢心地だ。まさに深田久弥の言葉通り霧ヶ峰は厳しい登山とは真反対の遊ぶ山だと実感できる。緩やかな高原の道をのんびりと進んで行く。
 
カラマツ林
 湿原、ススキの原、カラマツ林と沢渡までほぼ平坦だった道も、ようやく山道らしく緩やかな登りとなる。振り返れば八島ヶ原湿原が段々と遠く小さくなって行く。最近、国内のあちこちで大きな災害が起こり、たくさんの方が途方にくれておられるのに、目の前の風景はなんと穏やかで平和なんだろうと思う。災害のたびに活動されるボランティアの方をテレビで見ては心打たれ、呑気に過ごしている我が身を振り返るが、残されている日々を思うと《今しかない》とついつい折り合いをつけてしまう。平穏な日々せめて感謝の気持ちだけは忘れないようにしよう。
 
歩いた道程を振り返る
 お昼前、車山肩にあるコロボックルヒュッテ(1956年創業)まで登って来る。ここも露天風呂で耳にした情報だがコーヒー、ケーキ、パン、ボルシチが美味しいと評判らしく、お昼にぜひ食べたいと決めていた。小屋に入って行くと真っ直ぐに外のテラスに続いていて、目の前に霧ヶ峰、蓼科山の絶景が広がっている。ラッキーな事に1等席が空いている。メニュー表を見ながら子供の様にあれこれ悩み、ボルシチとハチミツたっぷりの厚切りトーストにしたが、ケーキも食べてみたかった(帰宅後ボルシチに挑戦、作ってみたが「味が全く違う」と厳しい採点)
楽しみだった昼ごはん 「いただきま~す」
 
 ヒュッテを後にし、いよいよ車山の登りにかかる。出発からヒュッテまで1人しか出会わなかったが、ここに来て修学旅行らしい一行や、かの露天風呂の彼女にも逢い山というより観光地を歩いている雰囲気になる。それでも車山の山頂はリフトで上がったと思われる親子連れのみで、特大の球型+直方体の構造物(気象レーダー観測所)だけが目立っている。人々の生活に、しっかりと役立っているのだろうが雄大な景色の中に溶け込んでいないのがしっくりと来ない。
車山山頂付近から見えるお世話になったホテル
 
 方位盤であちこちの山を確認しながら山らしくない霧ヶ峰がなぜ百名山なのか、段々と頷けて来る。先日登った蓼科山、双子山、どちらも素晴らしい展望だった。がそれに勝るとも劣らない景色がここには広がっている(天候の所為もあるだろうが)蓼科山のおまけに登ろうと軽い気持ちでやって来たが「失礼しました」と霧ヶ峰に謝る。 

 疲れた時はリフトを乗り継いで下りようと配車済み。リフトの割引券もある。が時間の余裕もありで、ゆっくりと自分の足で下りる事にする。急な段差のある崩れかけた階段はとてもコースタイムでは下れない。転ばぬように慎重に一歩一歩で砂利道に降り立ちホッとする。後は目の前の蓼科山を眺めながらリフト山麓駅の車まで頑張ればいい。
一面ススキの原 遠景は蓼科山
 
 宿に教えて頂いたすずらんの湯での入浴を取りやめ、諏訪ICに向かう。暗くなる前に高速に乗り次の氷ノ山へ近づきたい。小黒川PAで6日間に渡った信州の山旅を思い出しながら眠りにつく。
( 文:斉藤(滋)   写真:斉藤(宗) 斉藤(滋) )
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