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樋口谷(宮崎県一ツ瀬川水系)
 
日 時  平成30年9月29日(土)
天 気  晴れ
メンバー   内田、鹿野(会員外)
行 程  山口~人吉IC~椎葉村横瀬~駐車地点~入渓7:30~パイネの角基部8:55~二条大滝9:10~最狭30cmゴルジュ10:10~稜線~石堂山山頂11:55~樋口山13:50~1151m地点14:20~道路15:15~駐車地点15:20
 今年の9月は雨が多い。特に週末の度に天気が悪く、ここ数年で恒例となっている九州遠征に行く機会がなかなか訪れなかった。しかし、気がつけば9月も終わり。今週末も大型台風が近づいているとのことだが、ぎりぎり土曜日なら行けるのではないかと、宮崎に向かった。
 九州自動車道で人吉ICまで行き、そこから下道を通って椎葉村横瀬へ。さすがに山口から遠い…。ただ、道中、雨がぱらつくが、本降りにならないのは期待がもてる。
 現地に到着して沢の様子を見ると、水量は多いものの、遡行できないほどではなさそうだ。通りすがりの地元の方からも、午前中は何とか天気が持ちそうだが、雨が降ると急激に増水するので注意をするようにとアドバイスをいただく。お互いに無理はしないと、心して入渓。
 水は冷たく、水量は多い。ちょっとした小滝でも身体が弾かれるので、水芯を避けて進む。やがて現れる10m滝は平水であれば登れそうだが、まだまだ先が長いため、今日の水量では無理はしないことにした。滝を避けて左側の水流を登る。
 次第に谷が開けると同時に、岩が大きくなり、傾斜が強くなる。谷全体が折り重なった大岩で埋まり、至る所でその間から水流がほとばしっている。谷の幅が広いので、どこにどんな滝があるのか分からない。振り返れば麓が見え、高度が上がっているのが分かる。
 
至る所で水流がほとばしる
 何となく面白そうなところを選んで進むが、延々と続く大岩の乗っ越しに体力が奪われていく。簡単なボルダーの連続だが、バランスを崩せば大けがするので、油断できない。
 そのうち、左前方に特徴的な大岩が見えてくる。これがパイネの角なのだろう。
 先端が角のようになったピラミッド形の大岩が聳え、その下は小さなトンネルとなっている。中を覗くと、向こう側の明かりが見えるので、迷わず突入。出口が小さいため、ザックを外し、身体をねじってトンネルを抜けた。あまり気持ちが良いものではない。
 大岩の向こう側に出ると、大きな滝が正面に立ちはだかる。これが遡行図にある25m滝だろうか。
 遡行図にある右から左へバンドが走っているようには見えない。上部はともかく、下部は手がかりが乏しく、登るのは難しそうだ。ここは回り込んで右手の水流へ進む。
 
25m大滝
 右手の水流にかかっている二段の滝を越えて上に出ると、強烈な飛沫を落とす二条の大滝が堂々とした姿を現す。それ以上の高さがあるように見えるが、これが二条10mなのだろう。
 滝に打たれようと鹿野が近寄るが、飛沫に触れた途端に弾き飛ばされていた。振り返るとパイネの角が下に見える。ここは左から高巻き、滝の上に出た。
 
二条10mの大滝
 二条大滝の上からは傾斜が緩み、谷が狭まってくる。滝のかかる支流を左手に見ながら進むと、水路のようなゴルジュが現れた。容易くステミングで越えられるが、なかなかの雰囲気だ。その先の斜滝6mを越えると、一旦、渓相は穏やかとなる。
 まるでテン場のような疎林の平坦地が続き、975の二俣を左に進むと、再び谷が狭くなる。小滝を越えて、それぞれが釜を持つ3mの連続した滝を越えると、その奥に5m滝が勢いよく噴き出している。水流の右際を抜けた。
 
水流の右際を登る
 すると目の前に岩に囲まれた立派な釜を持つ二条5mの滝が現れる。何かが出てきそうな空間だ。ここからでは滝の上もどうなっているか分からない。
 普段は明瞭な二条なのだろうが、水量が多いため滝の全体を水が流れている。真ん中に取り付き、フリーで越えた。
二条5m滝に取り付く
 
 滝の上に立って先を見ると、思わず声がもれる。見たことのない光景が目の前にあった。
 左へと鋭角に曲がった先は、次第に両岸が狭まり、まるでチムニーの中を水流が走っている。空は頭上にわずかな切れ込みとなって見えるだけ。ここが最狭30cmゴルジュなのだろう。身震いするような空間だ。おまけにこの水量。果たして突破できるのか。
 とりあえず鹿野が行く。水に入ると流されるため、スタンスのない岩を器用にステミングで進む。途中の足場となる場所まで辿り着くと、行けそうだと身振りで示す。そこからはスルスルと躊躇することなく、チムニーの中を登り、姿が見えなくなった。無我夢中で自分も続く。実際にチムニーに入ってみると、見た目ほどは難しくないが、狭くて暗い空間から出た時は正直ホッとした。
チムニーのようなゴルジュに入る
 
 その後、小さいながらも釜を持った滝が連続する。何度も水に浸かり、身体が冷え切った頃、ようやくゴルジュを抜けた。
 再び沢は穏やかで、明るく開放的となる。水量も減ってはきているものの、まだまだ先は長い。いくつかの斜滝を越えてさらに進むと、次第に沢がガレてきて、源流域の雰囲気となった。
 疲れ切った身体は重く、乳酸の溜まった足は上がらない。ガスで先の様子が分からないが、稜線は近いはず。なぜこんなところに人工物が?と戸惑ったが、土管の残骸を過ぎて、最後まで沢を詰め上がると、ようやく稜線に出た。
 最後の傾斜は本当にきつかった。そこから数分で石堂山のピークへ。視界はないが、苦労が大きかった分、鹿野と硬い握手を交わす。
石堂山山頂
 
 後は下山するだけと考えていたが、ここからがさらに大きな苦労の始まりだった。
 縦走路があるはずだが、樋口山までの稜線上には所々で馬酔木だかツツジだかのブッシュが生い茂り、少しの距離を進むのにも時間がかかる。おまけにそのブッシュの中に突入すると方向感覚がなくなり、ガスで視界が効かないこともあって、危うく尾根を間違えそうになった。
猛烈なブッシュの中を突き進む
 要所でGPSを使って確認しながら、ヘロヘロになって何とか樋口山に到着。
 そこから踏み跡のない斜面をコンパスとGPSを頼りに北西へ降りていく。途中、濃い馬酔木の群生があったが、根性で突っ切る。
 そこを抜けると、下草のない歩きやすい斜面となり、途中で出会った鹿や山鳥を追い回しながら、ようやく下山した。基本的に道らしい道はない。今回は本当に疲れました。
トラック図(樋口谷)
 沢から降りた後は、昨年、出会ったNさんのところへ。
 11月からNさん自身が獲ってきたウナギやモクズガニを食べさせる「うなよし」を開店するらしい。その準備が進みつつある建物で、1年ぶりの旧交を温めながら、おいしい酒と肴を堪能した。
 しかし、いつものように自分は酔いつぶれて、早々に就寝。翌朝、強風の音に目覚めさせられ、台風に追われるようにして山口に戻った。
 今回もNさん本当にお世話になりました。感謝!!
( 文:内田、写真:鹿野・内田 )
 
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