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マッターホルン・ヘルンリ稜(下山編)
 
日 時  2018年8月15日・16日
天 気  晴れ
メンバー   林・宮田
行 程   16日
 09:50山頂から下山開始→14:30取り付きに到着→15:00ヘルンリヒュッテから下山開始→16:10シュバルツゼー駅→17:00キャンピングツェルマット着
 最初の傾斜の強い雪稜は、ステップを頼りに下る。途中でオーバーグローブを付けようとしたが、不注意で落としてしまった。
 雪稜では一回ビレーをしてみたけれど、逆に時間がかかるという事で二回目は行わなかった。雪稜からフィックスロープ帯に移る所で一度懸垂下降。そこからのフィックスロープ帯は、アンザイレンのロープが邪魔だと感じたので、ロープを外して、各々で降りた。アイゼンも外そうかと思ったぐらい。
 
イタリア側から望む山頂
 
雪面の下り
 
一度だけビレーしたが・・
 フィックスロープ帯を過ぎて、再びアンザイレン。ソルベイ小屋までの下降は分かりやすい。どこで懸垂をするかは、登りながら考えていた。ソルベイ小屋の上部で5mぐらいを懸垂下降。
 ソルベイ小屋で記念のオシッコをする。ここのトイレは、排せつ物が直接北壁に垂れ流しされていると聞いていたので、それを見たいというのもあってオシッコしに行ったが、行ったことを後悔するほど強烈な匂いだった。宮田君曰く、この北壁を登るのはデシマルグレードで表すと5.21d。
 
フィックスロープ帯の下り
 
 ソルベイ小屋からの懸垂下降では、50mロープで足りるか心配だったけれど、ギリギリ足りた。足りなくても中間に支点があるのでそれで降りれば大丈夫だろう。
ソルベイ小屋直下の懸垂下降
 
 ソルベイ小屋から少し下ったあたりから、下降のルートが良く分からなくなってきた。この辺りは暗いうちに登ったというのが大きいと思う。宮田君が結構覚えていたので助かった。
 下りは登りよりも難しい。3,4mぐらいのクライミングダウンがところどころで出てくる。前のパーティは、鉄の棒を使ってフォロワーダウンさせたりしているが、自分たちはほぼフリーで。本当に危なそうな所だけヨーロピアンスタイルでビレーした。
 ゴンドラの最終便が16時30分、急いで下る。
 小屋が近づいてくると、ルートも明瞭、迷う事は無くなった。最後のフィックスロープを降りて取り付きへ。ようやく安心できた瞬間だった。
 もう一度宮田君と握手をして、更に急いで下る。
取り付きにもどった!
 
 ヘルンリヒュッテ到着が15時丁度。下山報告をして、殆ど走る勢いで下る。疲れているけれど、気分は上々!時々振り返って、マッターホルンを見て、アレを登ったんだなぁとしみじみ。
時々振り返る
 ゴンドラ乗り場についたのが16時丁度ぐらい。急いできたのに、最終便は17時みたいなことが書かれてある。ヘルンリヒュッテには16時半と書いてあったが、無理な下山を促さないためかもしれない。
 ゴンドラで降りて、日本人橋でマッターホルンを見て、キャンプ場に帰った。ここで疲労はMAX。いつもの世界一高いマクドナルドでお祝いのマックにしようと話していたけれど、すぐにはいけないほど疲れた。
 宮田君は全然余裕そうだ。底が知れない男だ・・と思いながら、せっかくだからスイスらしいものを食べにいこうと、ネットで調べた老舗、カフェドュポンへ。スイスにしてはリーズナブルで、チーズフォンデュの量も多くて非常に満足!そして下山後のビールは、いつもなんでこんなにも美味いのだろう、と思った。
日本人橋より
チーズフォンデュを貪り食う宮田君
 林の感想
 念願のマッターホルンだった。当然だけれども海外では、日本では当たり前な事が当たり前ではない事が多々ある。実際に海外に行って、山に登る前とかで困った事とかも沢山あったけれど、それらを解決して山に挑むというのも楽しかった。
 そして、今回はモンブランと違って、日本から心強い仲間が3人も来てくれた!これほど心強いものは無いなと思った。やっぱり趣味のあう人と何かに挑むというのは素晴らしいものだと思うし、それが僕が登山が好きな理由の一つだなと改めて感じた。
 宮田君とはマッターホルンに向けてかなり練習をした。人工壁での練習はとても役に立ったと思う。マッターホルンに登って思ったのは、ただクライミング技術が高いだけではだめで、特に大事なのはパートナーとの連携だと思った。
 今回のパートナーが宮田君で本当に良かったと思うし、宮田君とで無いと登れなかったと思う。
 宮田君、米子のN夫妻、日本で応援して頂けた皆さま、本当にありがとうございました!
 宮田の感想
 地元の里山から始まった登山。まさか世界の山に登るなんて考えた事も無かった。
 実は林さんがマッターホルンに登る事をひとつの夢にしていることは以前から知っていた。
 宇部山岳会総会の後に林さんから電話が掛かってきて「マッターホルンに登ろう!」と言われた時には正直驚いたが、(いつにも増して)真剣だった為、二つ返事で引き受ける事にした。声を掛けて頂いた時にはとても嬉しかったが、その反面不安も大きかった。
 考えれば考える程、問題点が浮かんできて不安が深まった。それもつかの間、色々と考えるよりとにかく練習するしか無いというこざっぱりした結論に達する。
 それからは、マンデークライミングや沢登りや外岩と、ただ好きな事をしているだけではないかと思われるかもしれないが、持てる自由時間は岩か人工壁に触れていた。そんな中で様々な人達からクライミング技術を教わった。

 日本を発ってからは山以外の部分で上手くいかない事が多くて、とても疲労を感じたが高所順応で山に登っているうちに元気を取り戻せたので天候が多少悪くても動いていたのが良かったのだと思う。

 マッターホルンに登る前日は暇潰し兼、取り付き点の確認にヘルンリ小屋からひとつ岩場を越えてみたが、早朝はとても混雑しそうだ。事前に巻き道を打ち合わせて小屋に戻った。

 当日は予報通りの快晴だった。星空の下でのクライミングはとても気持ちがよくてソルベイ小屋までは、あっと言う間だった印象だ。帰りのケーブルカーに乗れなかった場合、ヘルンリ小屋にもう一泊するかツェルマットまで歩いて帰る事になるので心なしかスピードが速くなっていたのかも知れない。

 ソルベイ小屋から上部にしばらく登り雪がつき始めた所でアイゼンをつける。至る所にフィックスロープが設置してあって、ひとつのロープに登山者と下山者が交差していた。自分の登っている顔の前に前を行くの登山者のアイゼンがある、という状況もしばしばだった為、とても神経を使ったが冷静に足の置場やロープの取り回しを確認しながら登る事ができていたと思う。

 聖ベルナール像が見えたら山頂は近い。気を抜かずに最後の一歩までしっかりと踏みしめた。
 良きパートナーに恵まれ、天候にも恵まれここまで登って来られた事に感激して人知れず涙してしまった。

 登山を始めた頃にマッターホルンの山頂なんて想像もできなかったが、曲がりなりにも登山を続けてきてこのような素晴らしい景色を見ることが出来たのも、自分に登山を教えてくれた周りの人達が良かったとしか言いようがない。
 遠征前の登山、岩登り、沢登り、全ての練習が生かされたと思う。
 皆様に感謝申し上げたい。

 それから、パートナーの林さんには技術的にも精神的にも支えられた。これまでも一緒に登山をしてきたが、いつも通りの冷静さが安全登山に繋がったのだと思う。いつも通り素晴らしかった。
 ツェルマットに下山したら感謝の印にマクドナルドでも奢ってあげよう。
 そんな事をひとしきり考えた所で、ヘルンリ小屋へ向けて安全且つ迅速に下山を開始した。
( 写真・文 : 林、宮田 )
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