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北八ヶ岳を訪ねて(にゅう・天狗岳)
 
 にゅうから白駒池、北横岳方面を望む
 
日 時  2018年8月2日~4日
天 気  晴れ
メンバー   斉藤(宗)  斉藤(滋)
行 程   7月31日
自宅(15:15)~ 中国道大佐SA(19:15)車中泊
 8月1日
大佐SA(5:15)~ 中国道 ~ 中央道 ~ 諏訪IC ~ メルヘン街道 ~ 白駒池駐車場(16:30)車中泊
 8月2日
白駒池駐車場(6:30)~ 青苔荘(6:55)~ にゅう(8:53-9:25)~ 中山峠(10:50-11:00)~ 黒百合ヒュッテ(11:05)泊
 8月3日
黒百合ヒュッテ(6:30)~ 中山峠(6:36)~ 東天狗岳(8:20)~ 西天狗岳(9:10)~ 2コース分岐(10:13)~ スリバチ池(12:05)~ 黒百合ヒュッテ(12:19)泊
 8月4日
黒百合ヒュッテ(6:30)~ 中山峠(6:35)~ にゅう分岐(6:53)~ 中山展望台(7:22)~ 高見石小屋(9:00-9:52)~ 白駒池駐車場(10:41)~茅野市街(縄文の湯・コインランドリー・コンビニ)~ 麦草峠駐車場 車中泊
 北海道、東北、上信越と我が家の遠征登山も次第に近場になって来る。遠くても登りたい山は沢山あるが道中の車の運転を思うと仕方ない。
 この夏は好天続き、いっときも早く出かけたいが、自治会当番の用事、病院通いでままならず行先も決まらない。限られた期間でも登れそうな山・・・ふと北八ツが思い浮かぶ。
 八ヶ岳は会の東谷さんと歩いた残雪の縞枯山~赤岳縦走(38年前)、高田さんにリードされ登った初冬の赤岳(2010年12月)と2度訪れただけ、まだまだ未知の山だ。Mも北八ツは初めてとか、どんな山旅になるだろう?
 7月31日
 午後出発の予定でそれまでに準備をと思っていたら思わぬ事態に。朝起きたMの上下瞼が腫れあがっている。急いで眼科を受診するも特に異常はなく、内科受診を勧められ(腎疾患?)O医師の元へ。尿検査、診察の後にO医師イワク「76才で○○病(持病)それで山に登って大丈夫?」さらに「体力の限界を超えた登山は筋肉に負担をかけ腫れなどの原因になるのでは・・・」とかなり熱心に話される。尿に異常はなくMの腫れの原因は??? 結果「無理をしないで気をつけて」で一件落着。気分は晴れないが予定通り出発する。
 8月1日
 
心配したMの症状も次第に治まりホッとする。天狗岳登頂を目指し今夜は白駒池駐車場で車中泊。毛布、セーターを持ち込んだが予想以上の寒さに驚く。
 8月2日
 駐車場を出発し白駒池へと向かう。今日はにゅうを越え、黒百合ヒュッテまでゆっくり歩くつもりだ。長距離運転+車中泊での疲れ、更にO医師の話を思い出すと無理はできない。38年前、高見石から眺めた白駒池までやって来る。あの時は白く凍っていたが今は青い水面に周りの景色を映している。池の周りの古い木道は朽ちていたり傾いたりで緊張するが、どうにか半周一息入れる。いよいよにゅう(2352m)への登りだ。苔むす神秘的な針葉樹林の彷徨(ガイド本)のつもりが現実はそう甘くない。大きな根っことゴロゴロ石の続く急坂に悪戦苦闘、後発の登山者に何人抜かれただろうか。

 ノロノロながら尾根に上がると一気に視界が開ける。すぐ左はにゅうの山頂(岩峰)だ。積み重なる岩をよじ登り始めると「富士山も槍も見えますよ!」と上から声がかかる。「気をつけて!」に励まされ登り切ったその先に広がる絶景! 樹海の中の白駒池、高見石と赤い屋根の小屋、北アルプス(槍~穂高)富士山・・・。追い抜かれて時間が経っていても、みなさんまだおられる訳だ。
 
にゅうから天狗岳(遠景)に向かう
 360度の景色を堪能し、にゅうを後に変化のない針葉樹林を行く。
 今年は花が早いと聞いていたが咲き終わった花すら見かけないのは寂しい。今まで夏山=花と思っていたので地味な光景が少し物足りない。やっと見つけたオトギリソウ、地元の山で見慣れているのに、こんなにも可愛かったとは。
 
オトギリソウ
 黒百合ヒュッテに到着し宿泊の手続きをする。予定は1泊だが小屋の方と話すうち気が変わり連泊に。明日の天狗岳登頂後のいっき下山は、我が家にとって厳しいと知る。幸い空いていた個室をゲット、狭いながら気兼ねなく足が伸ばせる。アドバイスのお蔭で今日も明日ものんびりと山小屋生活を満喫できそうだ。

 部屋に貼ってある天狗岳ルート図(イラスト)が目につく。ここからは①中山峠経由、②スリバチ池経由の2コースがあり、それぞれ崩壊、2mの岩、危険・・・など詳しくガイドされている。
 北八ツって危険個所は無いと今の今まで思っていたが、そうじゃなかったのか? 身のこなしに自信が無い今、少し不安になる。よし!くよくよ悩むより先ずは偵察だ。お茶とカメラを背に小屋の傍のスリバチ池ルートに取りついてみる。大きな岩の急坂を登って行くと浅く水を湛えたスリバチ池に着く。池越しに見える天狗岳へのルート、何処が危険箇所なのだろうか? 「心配せんでも大丈夫いやぁ」と楽観的なM。明日のリードよろしく。
スリバチ池からの天狗岳
 8月3日
 今日の予定は東西天狗岳登頂だけなので気が楽だ。時計回りに周る事にして中山峠へと向かう。昨日登頂された方から、厳しいコースと聞かされたが(崩壊、岩場など)一般コースなので何とかなるだろう。
 中山峠からは主稜線の尾根をゆっくりと登り景色を楽しむ。スリバチ池の稜線の向こうには蓼科山が堂々と一際目を引く。実は今回、蓼科山も提案したが「ダメ!」と即却下されてしまった。「あのゴロゴロした岩山じゃあ、お前は直ぐこけてしまう」とM。確かに。悔しいが逆らえない。
天狗の奥庭、蓼科山、北横岳方面を望む
 いつの間にか中山峠、スリバチ池、両コースの合流地点を過ぎる。あれ? もう東天狗岳山頂は近い筈、ふと部屋のルート図(イラスト)が思い浮かぶ。「崩壊地って通った?」「2mの岩登りってあったかいね?」かなり心配したが取り越し苦労だったようだ。無事東天狗、西天狗岳に登頂する。
 山頂からは南八ヶ岳の峰々が間近に見える。後輩の東谷さん(私の入会が少し早かっただけ)にリードされ歩いた稜線だ。頼りになる仲間、若さ、今にして思えば貴重な体験だった。(帰宅後東谷さんに電話をすると詐欺電話と疑われ危うく切られるところだった。2人ともいつの間にかそんな年になったが、その後38年前にタイムスリップ、思い出話に花が咲いた)
西天狗岳からの東天狗岳
 帰路はスリバチ池経由でヒュッテに向かう。昨日見た通り積み重なった岩が続く難儀な道だ。若ければポンポンとリズムに乗って行けるだろうが、そうはいかない。1歩1歩置き場を確認し神経を使う。そうか昨日聞いた厳しさとは、危険というよりこの緊張持続の事だったかも。あぁ土が恋しい! 安心して歩ける土の道が。
天狗の奥庭、スリバチ池へのコースを下る
延々と続く岩の道
 8月4日
 3日にわたりお世話になったヒュッテを後にする。中山峠を過ぎ今日も岩の道に苦戦しながら連泊は正解だったと実感する。昨日、無理して下山していたら体力はもちろん精神的にも追い詰められていただろう。元々今日は休養日の予定、登山道沿いの様々な苔やその中に咲くイチヤクソウ、ゴゼンタチバナ等見つけながら、高見石小屋までゆっくりと下る。
 マイカーを降り短時間で来れる小屋は、名物の揚げパンとコーヒーを楽しむ人達で賑わっている。38年前、夕食はランプの明かりの下だった。夜、天体望遠鏡で木星を見せてくださった小屋のご主人はお元気だろうか?
高見石から白駒池を望む
 満車状態の白駒池駐車場に帰り着き、整理員さんに教えて貰った縄文の湯へ直行、5日間の汗を流す。
 入浴後、近くのカフェで昼食をとりながら八ヶ岳の稜線を眺める。天狗岳に連なるこれから登る山々・・・明日からも頑張ろう。コインランドリー、コンビニと回り標高2120mの麦草峠駐車場(白駒池駐車場より少し手前)まで引き返す。今晩はここで車中泊、どうか冷え込みませんように。
( 文:斉藤(滋)  写真:斉藤(宗) 斉藤(滋) )
北八ヶ岳を訪ねて(双子山・北横岳・縞枯山) → 
 
 
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