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八ヶ岳(大同心雲稜ルート)
 
日 時  2018年7月15日
天 候  晴れ
メンバー  林・山下
行 程  05:00赤岳鉱泉→06:15 大同心基部 →06:30 登攀開始→09:30 4p終了点→10:30 大同心の頭→11:45 大同心基部→13:00 赤岳鉱泉
 冬に大同心ルンゼを登り大同心の基部まで抜けた時に、初めて間近で大同心を見て、こんなもの登れるのかという畏敬の念的なものを感じた。いずれは登ってみたいという思いがずっとあったので先ずは夏にチャレンジしてみた!
 5時にテントを出発。既に明るいし、多くの登山者が歩き回ってる。多少の出遅れ感を感じつつも、あまり慌てずに大同心稜を上がる。
 大同心稜の急登で、前に3人組と、後ろに5人組。全員大同心に登るとするならば、待ち時間で一日が終わってしまうと思い、急いで大同心の急登を上がる。途中で前のパーティを抜かさせてもらう。
 大同心基部に着いた頃には、既に1パーティが1p目を登っており、もう1パーティが取り付きで準備をしていた。
 取り付きは結構狭いし、荷物とかも落としたら嫌だなという事で、取り付きへのトラバース地点で邪魔にならない所で準備をする。少し足元が悪かったが、ここは多少強引にでも順番待ちをアピールする必要があると思った。
 前のパーティが登り始めたら取り付きへ。取り付きからは後ろのパーティの為にも速やかに登り始めるためにロープなども全て準備して行った。
大同心とクライマー
 1p目、最初の核心。トポでは急なフェースからハングとある。
 急なフェースではあるが、ホールドとスタンスは豊富である。前日小同心クラックを登って岩質を確認していたおかげで、朝から躊躇いなく登る事ができたが、それでも前を登っていた方が小さく岩を崩していたので慎重に登る。
 とにかくガバはある。ハングに到着、ハングといっても、ちょっと張り出したぐらいでそれほどハング感は感じない。ガバを拾いつつ足をじわりじわり上げると、大きなガバがあったので、遠慮なく使わさせてもらった。それからは少し左上するように登ると終了点があるが、RCCとリングボルトだ。もう5m右上にあがるとペツルの終了点があると事前に調べていたが、ロープの流れが少し悪くなりそうなのと(長めに中間支点を取れば大丈夫だと思う)前のパーティがここで更に前のパーティを待っていたので、ここで1p目終了。
 中間支点はハングの前にきれいなペツルがある以外はハーケンだった。
1p目を登る山下
 2p目、後ろのパーティの為に、とりあえず事前に調べていた右上の終了点に向かう。
 ここはテラスになっているし、終了点もしっかりしている。ここで一度ピッチを切って、左上に向けて登り、凹角の残置スリングのあるフェースを登り、カンテを登る。
 カンテで少し高度感を感じるが、難しくはないし、途中で綺麗なペツルの支点もあったので快適に登った。終了点にもペツルが二つぐらいあった(と思う)
2p目
 3p目、少し様子が変わって、草付きと脆そうな岩稜帯となる。
 頭上に尖った岩が二つ見えるので、それを目指すように登る。難しくはないが、とにかく岩を崩さないように慎重に登った。
 尖った岩の場所にくると、テラスになっている。ロープはまだ余裕があり、前のパーティはここでピッチを切らずに登っていたが、ここで一度ピッチを切ることに。RCC2つで終了点。念の為岩角でもう一つ支点を作った。
3p目は草付き
 4p目、一瞬どこを登ろうか迷ったが、凹角を登ると支点があった。
 凹角を5m程登ると、トラバースするように明瞭な踏み跡があるので、素直にトラバースする。このトラバースは簡単だが、ペツルの新しい支点が3つぐらいあったのでさらなる安心感を得ることが出来た。
 トラバースをすると、目の前に小同心や横岳といった広大な風景が広がる。広めのテラスとなっており、終了点もしっかりしている。ここが南稜ルートとの合流点のようだ。いよいよラストピッチだ。
4p目の凹角を登る林
4p目のトラバースは素晴らしい景色
 5p目、もう一つの核心。大同心の頭へと抜ける、いわゆるドームと呼ばれるところだ。全体的に壁は垂直で、中間でハングしている。2個前のパーティが登攀中で、苦労しているようだった。ここで少し順番を待つ。

 前のパーティが半分以上登った所で登攀開始。
 ハーケンといった支点は多い。中間のハングまでも若干被っているが、ここまではホールドとスタンスが豊富。中間のハングに到着、それまでと同じようにイケイケドンドンで登ると、ハング上にホールドが全くなく、手が詰まった。
 少しクライミングダウンして落ち着いた所でハングを観察すると、右奥の辺りにガバっぽいものが見えた。スタンスも広めなのが一つしかなく、右足を乗せていたが、ここに左足を乗せ換えてヌンチャクを掴んで全体的に右に移って、少し足を上げると右奥のガバホールドに手が届いた。これを掴んで、ハーケンにヌンチャクをかけてA0で越えた。

 それからのルートはよく調べてなかったが、直上はどうも無理そうなので右に少し回り込んで、カンテを登る。
 高度感は抜群だ。傾斜も強いが、ハーケンもガバもあるので落ち着いて登れば大丈夫だと思う。
 最後、終了点に抜ける手前でヌンチャクを切らしてしまい、ランナウトしてしまった。ルートが短いからと、油断して4p目終了点でパートナーからあまりヌンチャクをもらわなかったからだ。山ではちょっとした油断が事故につながると思うので、反省したい。
ドームを登る前のパーティ
ドーム終了点手前
 5p目終了点は、ペツルの新しいやつ1つとハーケンだけだった。もうちょっと奥に使われていないハーケンがあったので、念のためこれも使い、支点構築。山下も、不慣れなアブミをたくみに使い、なんとかあがってこれた。

 終了点から念のためロープをつないだまま大同心の頭へ。かなり広い。天気もよく気持ちが良い。前を登っていた大阪のパーティはもう横岳への稜線へと抜けて、僕たちに手を振ってくれた。もちろん手を振り返す。横岳の稜線上にはたくさんの登山者が見える。皆気持ちよさそうに縦走しているように見えた!
 さて、あとは下降だ。こんな天気のいい日は是非とも縦走したいのだが、僕の腰痛も爆発寸前なので大同心ルンゼ方向に懸垂で降りることに。5p終了点から南陵方向へロープを垂らして懸垂をする。ここの終了点が一番プアだったので少し緊張した。
 
 25m懸垂すると、再び懸垂支点。残置スリングはかなり古い。歩いて降りた方が安全そうにも見えたが、それほど傾斜もないのでもう一度懸垂。
 25mで再びボロボロスリングの懸垂地点。引っ張ってみるとギチギチと音がしたので、ここはロープはお助け程度で殆どクライムダウン。
 次の懸垂地点は岩にかけたスリング。ここも先ほどと同じ要領で降りた。そこからは歩いて降りた。

 大同心から2回懸垂した時点で、横岳方面にトラバースして明瞭な踏み跡を歩いて下った方が安全だと思います。また、他のパーティが上で懸垂していると落石の危険も高いと思うので、ここは素早く降りるべきだと思います。
 そんなこんなで南陵ルート取り付きまで降りて、あとは大同心稜を下りました。
大同心ルンゼの下り
 なんやかんやで雲稜ルート登れてよかったです。
 いざ登ってみると、大同心の圧迫感を感じることなく、まるで大同心に抱かれるように快適に登る事ができました。南陵ルートの方も面白そうです。
 えらそうな事書いてますが、遠慮なくA0で登っているので、フリーで登る人の参考にはあまりならないかもしれません。次は冬に登りたいと思います。
(  写真・林、山下 : 文・林 )
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