へのリンク
前穂高(北尾根)
 
日 時  2018年7月11日
天 候  晴れ
メンバー  林
行 程  04:30涸沢小屋テント場→05:30 5・6のコル→07:10 4峰頂上→07:45 3峰頂上→07:55 2峰から懸垂→08:00 前穂高山頂→10:10 奥穂高山頂→10:40 穂高岳山荘→12:20 ザイテングラートを経て涸沢小屋テント場
 来月のマッターホルンに向けて、岩場とルートファインディングの練習のためにと、本来の予定では北穂高東稜を行き、前穂高北尾根に行く予定だったが、天候に恵まれずアタックできそうな日は1日だけとなったので、北尾根に行くことにした。
 3時半起床、慌ててテントから空を見てみると快晴。これは早いうちがチャンスだと思い、すぐに準備をして、4時半出発。
 涸沢小屋からヘリポートを経て雪渓に出て、5・6のコルを目指しひたすら雪渓を詰める。上部はそれなりの傾斜があり、滑ると危ないのでアイゼンはもちろんのこと、念のためピッケルも装備。雪渓の上には岩がゴロゴロ落ちていたので、落石にも注意して進んだ。
朝日に照らされて
雪渓の登り
 モルゲンロートに見とれつつ5・6のコルに到着。ここは結構広い。
 テントが1張り程張れそうなスペースがある。アイゼンを外して5峰の登り。コルから5峰までは踏み跡がしっかりあるので迷う事は無い。
 5峰の登りは浮石だらけで気を遣う。踏み跡の様なものはないので、ルートファインディングが重要となってくる。
 事前にネットで色々調べていたが、実際に岩場に着くと訳が分からなくなったので、なるべく稜線から外れないように、安全そうな所を選んで登れそうな所を登っていく。
5峰
 やがてなだらかな稜線となる。恐らく5峰の頂上だ。ここも踏み跡は明瞭で危険な箇所はない。
 稜線を少し歩くと、すぐに4峰の登り。ここも浮石の連続で、先ほどの5峰よりもレベルアップした感じだ。3峰よりも4峰の方が核心という人がいるのも頷ける。
 岩の迷宮のように稜線の右に行ったり左に行ったり、稜線からなるべく外れないように安全そうな所を登るが、なかなか登りが長く終わりが見えない。
 ゴロゴロっとした浮石帯を抜けると、しっかりとした大きな岩に到着。ここには残置スリングやらハーケンやらがある。
 3級程度の簡単なクライミングだが、落ちるとやばいし高度感があるので慎重に越えた。そんなところが2カ所ほどあった。
5峰の登り
4峰の登り。残置スリングが見える
 4峰の頂上に到着。ついに眼前に核心の3峰が姿を現した。5峰などとは違い、岩が安定しているイメージ。ソロ登山者が一人ロープを使用して登っているのが見えた。
 早く登りたい欲がわいてきたので、なんとなく4峰山頂から奥又白谷側に降りて3峰方面へ行こうとしたが、どうも様子がおかしい。岩にハーケンはあるし、カラビナは落ちているけれど・・・もう一度4峰頂上に登り返して素直に稜線を進むといとも簡単に3峰への基部に到着。こんなミスをするのは僕ぐらいでしょう。(後で分かった事ですが、恐らくこっちは4峰正面壁と呼ばれるところかと思います)
3峰。中間に登山者が見える
 コルから素直に登ると、リングボルトやらの支点がある。ここから最初の大きな岩の下までが1ピッチ目らしいが、とても簡単。大きな岩下のテラスに到着。
 大きな岩の最初の登りは縦に大きくフレーク状の岩(クラックとは少し違う感じ)で、ホールドもスタンスもありそうだが傾斜が強いので左から巻くことに。
 残置スリングがあるクラック状の登り。ここもホールドスタンスはあるので簡単だが、高度感もあるし落ちるとやばいので念のためクラックにカムをはさんで、セルフを取りながら登った。カムはキャメロットなら2・3番あたりがよく決まると思う。
3峰から4峰を望む
 残置スリングや支点に導かれるように登ると、最初の大きな岩の上に出た。
 すぐ目の前に大きなチムニーが見える。チムニーまでなだらかな岩の上を歩く。チムニーはどんな登り方で越えようかと考えていたが、なんてことはない、ただのトンネルだった。
 チムニートンネルを抜けると、やけに浮石の多いガレ場の登り。畳4畳分ぐらいの大きな岩を手掛かりに登ろうとするが、この大きな岩も動きそうで怖かった。個人的には全体を通してここが一番怖かった。
 ガレ場を過ぎると、フェース状のクラック。ここもホールド・スタンス・支点が豊富。
 念のためハーケンにヌンチャクを掛けながら登った。このフェース状のクラックを登ると、あとは大きなゴーロ帯といった感じの登りだ。
 3峰山頂付近でどう登るか迷い、涸沢側から巻いたが、これも結構悪かった。

 恐らく3峰頂上だな、というなだらかな稜線に到着し、ちょっと歩くとすぐに2峰の頂上となり、懸垂降下の為の支点がある。ここはクライムダウンで降りたが、途中浮石もあったりしてヒヤリとした。
2峰からの懸垂地点
 8時、前穂高に到着。
 明神岳もよく見える。しばらく景色を堪能し、奥穂高へと進む。吊り尾根を行くが、よく道を調べてなくて適当な所を下り、吊り尾根を忠実に歩いていたが、途中で急に悪くなり、上高地側に登山道が見えたのでクライムダウンして登山道に合流した。ちゃんと登山道を行くべきだった。
前穂高山頂にて!
 ここで両足の靴擦れが爆発し、痛すぎたのでテーピングを巻いたり靴擦れサポーター等を貼ったりしたが、テントに戻るまで痛くて大変だった。あわよくばこのまま北尾根東稜に行こうかとも考えていたが、靴擦れのおかげでそれは未遂に終わってしまった。
 約10年ぶりぐらいに、ザイテングラートを下る。
 途中コンクリートで固められていたり、立派な鎖場があったりと、昔と少しイメージが変わっていたが、テント場まで戻り、涸沢小屋で飲んだ生ビールの味は10年前と変わってなかった!と思う。
(  写真:文 ・ 林 )
Copyright(C) 2004 Ube Alpine Club All rights reserved.
SEO [PR] !uO z[y[WJ Cu