へのリンク
奥匹見峡(高津川水系)
 
日 時  2018年7月1日(日)
天 候  曇り後晴れ
メンバー  林、池本、宮田、内田、宮城(会員外)
行 程  山口~匹見~奥匹見峡駐車場8:00~入渓8:20~小龍頭の滝8:55~夫婦滝10:00~大龍頭の滝10:10~大龍頭の上の滝11:35~三角形の釜を持つ滝12:15~滑滝12:30~テラスを持つ滝12:45~支沢分岐13:30~県境尾根登山道13:40~駐車場14:35~匹見~山口
 一昨年、会の山行で奥匹見峡を遡行した。大龍頭の滝から上がとても良かった印象が残っている。今回、報告書に残す目的も兼ねて、再び奥匹見峡にやってきた。
 気象データによれば、匹見では前日までの3日間の降水量が170mm。入渓できなさそうであれば、転進することにして、とりあえず現地を見てから判断することに。
 駐車場に到着して沢を見ると、水量は多いものの、遡行できないほどではなく、水も濁っていない。これなら行けそうだ。十分に気をつけて遡行を開始。
 次々と小滝が現れるが、どれも水流が強いため気が抜けない。水芯を外しながら、増水した沢を進んでいくと、最初の関門である小龍頭の滝が現れた。
 ここは右岸のフェースを登ってから、滝の落ち口を横切って左岸へ。足元を流れる激流に緊張しつつも細心の注意を払って越えた。
 その後も要所で強い水流と戯れながら進むと目の前に夫婦滝が現れる。ここは左の雄滝へ。上から降り注ぐ飛沫に耐えて、奥のチムニーを登る。チムニーの入り口がツルツルで嫌らしい。
雄滝の奥へと抜ける
 夫婦滝を越えるとすぐに大龍頭の滝が立ちはだかる。この沢一番の滝だ。
 林が右岸の一段高い岩の上から取り付き、ブッシュ沿いから中間のスラブへ。上部で水流に入り、そのまま左の落ち口に抜けた。落ち口上の終了点まで50mロープが一杯。後続はロープにつられて水流近くを登ったが、中間手前のスラブがかなり悪かった。
大龍頭の滝を登る池本
 大龍頭のすぐ上にも滝が連続する。ゴルジュの中、手前のC/Sを越えた次の滝で水流の直撃を受ける。
 水流を力で突破するか、水芯を避けて右岸寄りから登るか。前回は苦労した記憶がないが、今回はなかなかテクニカルで面白かった。
大龍頭の上の滝で水流を見極める宮田
 その後、トユ状の滝やミニゴルジュ滝を越えると、7~8mくらいのなかなか立派な滝が現れる。
左岸からも高さのある滝が落ち込んでいるが、普段はほとんど水が流れていないのかもしれない。
 本流の滝は手前左から取り付き、上部は水流の右端を登った。しっかり飛沫は浴びるが、ホールド・スタンスは豊富なので気持ち良い。
なかなか立派な滝
 次に現れるのは、三角形の釜を持った滝だ。釜の形が面白い。三角形の右岸側に泳いで取り付き、奥に抜ける。釜から上がれば、そのまま奥の岩壁を登っても良いし、水流際を攻めても良い。
三角形の釜を持つ滝
 まだまだ滝が続く。次に出てくるのは二段の滝。下段はちょっとした段差に過ぎないが、上段は小さいながらも釜がある。釜から取り付き、そのまま水流右寄りを落ち口に抜けた。
二段の滝
 そして、稜線が近くなった雰囲気の中、まるでフィナーレを飾るかのように形の良い滑滝が現れる。空からは日が差し、寒くもなく暑くもない、なかなか贅沢な瞬間だ。傾斜もないので快適に歩いて越える。
形の良い滑滝
 しかし、これで終わりでないのが、奥匹見峡の素晴らしいところ。思わず左手から流れ込む支沢に出渓しそうになるが、もう少し本流を進むと、最後の滝が現れる。
 中間に立派なテラスを持っている。ここも苦労した記憶はないが、この水量を見て念のためロープを出す。
 下部を左からテラスに上がって、右へトラバース。さらにもう一段上がる。上部は頭からシャワーを浴びて落ち口に抜けようとするが、このシャワーが強烈で視界が効かない。手探りでホールド・スタンスを探ってみるものの、なかなかガバが見つからず焦ってくる。腕をパンプさせながら、ようやくガバを探り当てて一安心。後は水流に押されて落ちないよう気をつけて越えた。
中間にテラスを持つ滝
 その後、いよいよ穏やかになった沢から左手の支沢に抜けて、少しばかり詰めると県境尾根の登山道に出る。
 後は登山道を下るだけ。下界に近づくにつれて、気温が上がり、大汗をかいて駐車場に到着した。
トラック図(奥匹見峡)
 奥匹見峡は大龍頭の滝までも面白いが、その上に良い滝が続く。
 特に今回の水量ではしっかり頭と力を使わされ、満足度の高い遡行ができた。ポイントは、人数がいる場合、高さのある大龍頭の滝をいかに時間短縮で登れるかだと思う。
(  文:内田・写真:宮田、内田 )
Copyright(C) 2004 Ube Alpine Club All rights reserved.
SEO [PR] !uO z[y[WJ Cu