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山行報告 八ヶ岳合宿(②八ヶ岳・裏同心ルンゼ班)
日時  平成28年12月24日(土)
天 候  曇り時々晴れ
メンバー  大岡、加藤、市橋、林
行 程  赤岳鉱泉テント場08:00~F1到着8:30~F3到着11:45~F5到着12:10~
大同心基部到着14:50~テント場16:00
 毎年行きたくても年末の行事(忘年会)と被ってしまいなかなか行けなかった恒例の八ヶ岳合宿(氷瀑)。
 今年は行けることになったので、数か月前からネットで中古のアイスクライミング用品を買い集めて準備万端で臨むことが出来た!
 前日はジョウゴ沢でアイスクライミングの練習をしたが、今年の異常気象で凍結が殆ど進んでおらず、滝の半分程しか凍ってないF1をトップロープで練習して終わった。
 この滝の状態だと、裏同心もあまり期待は出来そうになかったが、せっかくなので予定通り時間を遅らせて行ってみることに。
 F1付近は大きく二俣に分かれている。左俣(直進)が裏同心ルンゼの可能性が高いが念のため右俣もすこし登ってみて、やはり左だと確信を得てF1を登攀開始。
 ここも先日のジョウゴ沢と同じく水が勢いよく流れて氷の薄そうな所があるので気を付けて登攀開始。一段登った所で岩壁にボルトがある。
 本来はここから右側へ抜けるのが簡単だろうが、そこは水が流れており氷も薄そうだったので、岩稜をそのまま直上。5m程上がった所で立木でビレイ。残置スリングが何本かあった。
F1取り付き
F1を登る林
 F2は40mとあるが、実際に着いてみると三段になっているし、傾斜も緩く、雪が積もっているためそれほど高さは感じない。下段は簡単で、中段は殆ど雪稜歩きの様で、上段は少し傾斜がきつくなっているが、運よく氷が階段状に凍っていたので簡単に抜けることが出来た。
F2とそれを登る先行パーティー
 トップで着いて支点を構築しようにも、周りには氷しかなく、アイススクリューで支点を作ろうとしたが、氷の強度や薄さというものがまだ全然分かっておらず、アイススクリューをねじ込んでみると氷に亀裂が入ったりして、支点構築に手間取ってしまった。心配なので4本ほど無駄に多く打ってしまった。セカンドで上がってきた加藤さんから、「そこにボルトがあるだろう、渡した資料にも書いてあったけど読んでないな?」と言われ立派なボルトがすぐ横に二つあるのを発見。
 資料を読んでいなかった事と、「支点は氷に作るしかない!」と思い込んで視野がとても狭くなっていた、反省。
 F3は取り付きまでがやや急で、取りつきでアイススクリューを打ってセルフビレイ。ここから上部は一度滑ってしまえば、止まることなく沢沿いにF2下部まで落ちて行きそうなので絶対に滑ることは出来ない。
 どの滝もそうだったのだが、F3は抜け口が最もいやらしく感じた。抜け口も氷ならばアイスアックスで簡単に抜けられるが、岩交じりの雪でのっこしが少し怖い。 上部へ抜けて少し登って立木でビレイした。
F3を登る加藤さん
いやらしい抜け口を登る
 F4はいかにも薄そうな氷で、少し水しぶきを受けながらのクライミング。
 薄い所に注意しながら登り、滝の抜け口の右岸あたりにボルトがあったのが見えたが、その辺りは氷が薄そうだったのでそのままF5の取り付きへと進む。このあたりも氷が薄そうで、かつ、他のパーティーがアイススクリューを打った跡が散見され、再び支点構築で手間取ってしまった。
F5右俣最後の氷瀑
 ここまで、ビレイ方式は一本のロープでトップが登って2,3人目はフィックスで登り、4人目をビレイするという登り方だったが、3人目が登ったら、セカンドがビレイしトップは登り始め、3人目が4人目をビレイするという方式が考案された。
 確かにこっちの方がスピーディーだった!トップはロープの長さに気を付ける必要がある。
青空と大同心
 F5を登るあたりになると、大同心は目の前だ。
 F5を登ると(本来のルートは更に直進し、斜状のいやらしい草付きルンゼを右に大同心稜へ抜けるのだが)、直上せず、右の小滝を越え、雪の急斜面を登ると、立木が目立つようになり、雪稜歩きの様になるが、落ちると止まらずにF2下部まで行きそうなので稜線に抜けるまでロープを使用した。
 この辺りで、赤岳組の西村さんから無線が入る。直線距離にして1km程離れていると思われるのだが、最近のトランシーバーは性能が凄いなと感心した。3ピッチ程つないで稜線へ。
稜線まであと少し
 記念撮影を済ませ、大同心稜を下る!
 ここまで朝から何も口にしておらず、ようやく行動食を貪ることが出来た。ここからは読図勝負だと思っていたが、立派な踏み跡があったのでそれを頼りに下る。
 途中から尾根が分かりにくくなっているので、注意が必要だ。
大同心をバックに
 急いでテントへ戻る。
 14:00頃には戻ると赤岳組と約束していたのに、こんなにも遅くなってしまい申し訳無い気分だった。
 この晩もおいしい御飯とアルコールと、楽しい会話で盛り上がった。さらにこの後、赤岳鉱泉のイベントに参加したSさんが約3万円のマムートのダウンウェアをゲットした、羨ましい!!!
 感想
 今回は、殆ど初めての生の氷瀑を全てトップで行かせてもらい、大変勉強になりました。アイスクライミングはとても面白い。そして八ヶ岳は一日中遊べる良い山だなと改めて感じました。今シーズンも行けたらまた行きたいのですが、来年の合宿が大変楽しみです!
( 文:林・写真:大岡、加藤、市橋、林 )
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