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足谷峡~クモノ谷(錦川水系)
日 時  平成28年9月17日(土)
天 候  曇り時々晴れ
メンバー  高田、池本、林、内田
行 程  山口IC~六日市IC~向峠~足谷峡出合付近に駐車~入渓7:40~F2 8:00~F6 8:35~
F10 三条9:05~二俣10:05~クモノ谷へ進む~600m付近二俣10:35~F7 10:40~
F9 11:45~800m付近分岐12:35~小五郎山山頂13:45~小休止~向峠14:30~
駐車地点14:45~向峠15:00~宴会~六日市IC~山口IC
 中国自動車道を山口から広島方面に走ると、小五郎山から深い谷を三つ連続して横切ることに気づく。
 東から浦石峡、容谷峡、そして今回の足谷峡だ。足谷峡には行ったことがなかったので、強力なメンバーが揃ったこともあり、足谷峡からクモノ谷を遡行することにした。
 いつものように山口で合流して、中国自動車道を六日市へ。
 向峠を経て宇佐川沿いの足谷峡出合付近に車を停めた。準備をしてから宇佐川に降りたところが、ちょうど足谷峡との出合だった。
 この奥に深い谷が隠されているとは思えないような平凡な印象だ。水量も平水くらいか。
 いよいよ足谷峡に足を踏み入れると、間もなくゴルジュとなった奥にF1が現れる。泳いで取り付き、水流の左を登った。
 ホールド・スタンスは小さいが、落ち着けば問題ない。全員順調に通過する。
F1を登る林
 中国自動車道の足谷橋の下を通過し、谷底を進むと、F2に突き当たる。傾斜はそうでもないが、下半分がウォータースライダーのように磨かれており、とても登れそうにない。
 ここは左岸から高巻き、懸垂でガレ沢に降り、F2落口の上に出た。懸垂下降の際、岩が脆いので要注意。

 目の前では、三方を岸壁に囲まれた狭い空間にF3が直瀑となって落ち込んでいる。
 滝の左の岩は崩落が進んでいるようだ。この滝も登れないので、向かって左手の岩の間の細い斜面から巻く。
 結構な傾斜の泥土のルンゼなので、キックステップで登り、F3の落口に降りた。
F3と向き合う池本
 すぐにF4、F5と続くが、F5も登れそうにないので、左岸から高巻いた。降りたところがF6で、小さな円形ホールのような空間となっている。時折、木漏れ日があたって美しい。ただし、これも登れないので、再び左岸から高巻いた。

 間もなくF7、F8が連続して現れるが、これまで巻いてばかりなので、F7を触ってみる。
 滝右の細いクラックを利用して、何とか登れないかと考えたが、岩が脆く、試している間にフレークが剥がれたこと、滝の上部がよく分からないことから、安全第一でここも巻いた。F7とF8は連続しているため、まとめて高巻きとなる。
F7とその奥にF8
 2mF9滑滝を過ぎると、F10三条の滝が姿を現す。
 高巻きばかりでウズウズしていたので、何も言わないままに各メンバーが好きなところに取り付いた。簡単そうに見えたが、真ん中の流れは出だしがなかなか難しい。
 シャワーとなって慎重にホールドを探りながら越えた。
F10三条の滝
 その後、小さなゴルジュとなった奥にF11が見えてくる。近づくと思ったよりもスタンスがあるため、見た目ほど難しくはない。
 ここは遡行図の通り、突っ張りで越えた。続くF12も登れそうにないので高巻き。そこから二つほど小滝を越えると、堰堤に突き当たり、その上が二俣となる。あっという間のように感じたが、ここで前半戦の終了だ。
F11突っ張りで越える
 いよいよ後半戦のスタートだ。左俣のクモノ谷へ入る。
 すぐに3mほどの斜滝から始まり、次々に滝が現れるが、どれがどのFかよく分からない。いずれも気持ちよく直登できる。
 林道の橋をくぐり、F6ときれいな滑床を過ぎてから、再び林道に出た。
気持ちよく直登する
 間もなく、突然、立派な滝が現れる。F7だ。ここはロープを出して、登攀開始。滑らないよう気をつければ、下部は特に問題なし。
 中間地点で右にあった残置ハーケンで支点をとって、上部はそこから少しばかり直上する。
 一か所、自分でハーケンを打ち(後で回収)、抜け口手前の残置ハーケンを利用して、最後は中央から抜けた。水流の中にガバがある。
迫力のあるF7
 その後、F8を越えて先へ進むと、いよいよこの沢のハイライトであるF9が姿を現した。
 中間に大きなチョックストーンを挟み、上段と下段に分かれている。上下段ともチムニー状の細い縦溝をまっすぐに水流が落ち込んでおり、まるで人の手が加えられた人工物のようだ。少しの間、見事な自然の造形美に時が止まった。
 ここは林がトップで、下段右岸の岸壁を登る。ハーケンが2か所残置されているが、一つ目のハーケンの上が核心か。林は足をフットジャム気味に決めて、上手い具合に抜けていった。上段はとても登れそうにないため、左岸から高巻いた。
まっすぐに水が落ちる二段の滝F9
 F9を越えてからも、どんどん高度を上げていく。
 小五郎山山頂に突き上げたいので、800m付近の分岐は右へ、900m付近の分岐は左へ進んだ。
 最後まで沢を詰めると、水が枯れて笹藪となる。林が先頭で引っ張り、30分ほど笹を漕ぐと、小五郎山ピークから北へ50mあたりに飛び出した。
 充実した時間を共にした仲間と握手を交わす。帰りは登山道を走って向峠へ下り、そこからさらに宇佐川まで走る。途中から林についていけず、ヘロヘロになって車に戻った。
山頂で仲間と
 遡行図から想像された通り、足谷峡は素晴らしい沢だった。
 前半は高巻きが多いものの、あの深い谷底で滔々と水を落とすいくつもの滝と対峙し、後半はどんどん高度を上げて進む先に、太い蜘蛛の糸のような滝に出会うことができた。
 また、沢から降りてきた宴会では、静かに仲間と語り合う、大人のお酒を楽しめ、思い出に残る一夜となった。
( 文・写真:内田 )
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