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安達太良山(福島県)
沼ノ平を望む
日 時  平成28年7月31日(日)
天 候  晴れ後 一時大雨
メンバー  斉藤(宗)  斉藤(滋)
行 程  7月30日 
八方台登山口(14:10)~ 岳温泉 ~ 安達太良山奥岳登山口駐車場(17:05)車中泊

 7月31日
奥岳登山口(5:10)~五葉松平(6:35-6:50)~ 薬師岳展望台(7:00)~ 
安達太良山々頂(8:40-9:05)~ 沼ノ平火口縁(9:20-9:40)~ 
峰の辻(10:00 )~くろがね小屋(10:50)~ 勢至平分岐(11:20)~
奥岳登山口(13:40)~ 岳温泉(泊)
 大朝日岳に登った帰りに訪れたものの台風の影響で諦めた安達太良山。あの時は痛めた膝を庇いながらの山旅だった。当てにしていたゴンドラリフトが運休で急きょ東吾妻山に転戦したが、あれからもう4年、おかげで今は膝の痛みは治まっている。忘れ物を受け取りに来た気分で再挑戦だ。
 7月30日
 猫魔ヶ岳・雄国山から下山して安達太良山に移動する。車中から前回泊まった宿に下山後の宿泊を申し込むと「日帰り入浴をサービスします」との事、有難い。
 岳温泉の宿で3日分の汗を流し奥岳登山口に向かう。ゴンドラリフトの発着駅の下には広い駐車場があり眠り易そうな一画をゲット、明日の登頂準備をする。
 コンビニ調達の夕食を食べ終えた頃、ゴンドラ駅の周辺の無数のイルミネーションに気づく。偶々何かのイベントに巡り合せたようだ。ひと時スキー場に浮かび上がる光の競演を楽しんで眠りにつく。 
スキー場を彩るイルミネーション
 7月31日
 M、苦心作の車窓網戸のお蔭で快適に眠れ、すっきりと朝を迎える。コンビニおむすびで手早く朝ごはんを済ませ出発する。ゴンドラは8時半まで動かない。夏山は朝が勝負なので少し頑張って終点の薬師岳まで自力で歩く事にする。スキー場の斜面を登って行くと濃い紫色のギボシや名も知らぬ花が出迎えてくれる。もう少し早かったらここはお花畑だろう。秋がそこまで来ているのか、ススキの穂が揺れている。

 スキー場から山道に入ると様相は一変、狭い登山道に大きな岩が積み重なり段差に苦労する。この山も火山だから仕方ないがゴンドラに乗らない付けは大きい。Mと「3400円分浮くけど何食べようか?」と励まし合う(ゴンドラ代1人往復1700円)「ゴンドラ利用者が殆どかもしれんけど、登山道が荒れ過ぎ」と自分達の体力不足を棚に上げブツブツこぼしている内に五葉松平に到着、初めて目指す山頂が姿を現し疲れが吹っ飛ぶ(ピークの先端だけだが)

 一息入れていると2人組の女性パーティーに追いつかれエールを交わす。どっかでお会いしたような・・・?そうだ昨日八方台駐車場で顔を合わせた事に気づく。その内の1人の方は母方のご実家が下関だそうで親しみを感じ話が弾む。北アルプス行きだったが悪天のため急遽変更し、磐梯山、安達太良山、西吾妻山と3座の百名山に登るとか、我が家も次は吾妻山予定なので意気投合する。お互い記念写真を撮りあう事になったが、Mと一緒に写してと言われたのにはびっくり。誰がこんな小父さんを相手にしてくれるだろうか・・・「いいですよ、無理されなくても」と慌てて言ったが根が優しいのか、両手に花の1枚になり、Mは上機嫌。
ご機嫌のM 山頂ピークが見える
 薬師岳展望台からは五葉松平までの悪路が嘘のような木道となる。高度を上げるにつれ視界が開け振り返れば雲海が広がっている。ガレた道をトラバース気味に登って行くと、いきなり山頂岩峰が現れる。黒々とした溶岩の塊だ。あと一頑張りであの頂に立てるんだと嬉しくなる。
ガレ場を登る 遠景は鉄山方面
山頂は目の前
 やっと着いた岩峰基部には立派な《安達太良山1700m》の標識が立っていて、Mが「此処で止めちょくか?」と言う。高所恐怖症を気遣っての事と思うが、此処まで来てそうはいかない。逸る心を抑え慎重に岩をよじ登ること数分、遂に山頂ピークに登り着く。360度の大展望! 何処を見ても山、山、山が目に入る。「雪が残っている山は飯豊かな?」と口にすると傍から詳しい人が「そうです」と教えてくださる。更に「あのカッコいい山は?」と訊くと「磐梯山ですね」の答えに「阿呆か、お前は」とM。確かに昨日あそこに居て間近に眺めたばかり、自分でも情けない。
山頂から磐梯山・飯豊山を望む
 さすが百名山と言われるだけの大展望を十分に楽しみ満足する。そろそろ下山するとしよう。細心の注意で岩峰を下り往路と反対方向に進む。ゴンドラの割引券をもらっているが、くろがね小屋経由で帰りたい。それにNHKの日本百名山《安達太良山》放送で絶景と紹介された沼ノ平も眺めてみたい。
下山開始 沼ノ平へ向かう
 赤茶けたゆったりした尾根(牛ノ背)を進む事しばし沼ノ平の噴火口が見えて来た。月世界か火星を思わせるような(行った事は無いが)無機質な世界が広がっている。確かに今まで見た事の無い眺めだ。
 H9年有毒ガスによる遭難事故があったため、現在は立ち入り禁止となっている。朝のうち静かだった稜線にチラホラ人影が見え始める。ゴンドラで上がった人達が登って来る頃かもしれない。
山頂に別れを告げ、くろがね小屋(左方向)へと向かう
 くろがね小屋泊まりか反時計回りの人達も増えて来た。峰の辻分岐で勢至平への近道を右に見送り、少し遠回りのくろがね小屋コースへと急坂を下る。テレビやガイド本で何度も目にした温泉付きの小屋に憧れたが、日程の関係で今夜の宿は岳温泉だ。記念の写真を撮りテラスにあった鐘を遠慮がちに小さく鳴らし、くろがね小屋を後にする。
くろがね小屋
 平坦な林道をのんびり歩き金明水では喉を潤す。ビッグな山への久しぶりの挑戦、緊張していたのか気づけばもう昼だ。後は下るだけなので勢至平でゆっくり昼食タイムを取る。登りに出会った女性2人パーティーが下って来て、我が家は何処へ行ったのかと噂していたとの事。彼女たちは鉄山まで足を延ばしたらしい。再会できた事を喜び見送る。

 烏川橋まで下り、安達太良渓谷遊歩道入口で一息つく。山頂部の荒々しさとは対照的に、緑の木立の下を流れる清流(烏川→原瀬川→阿武隈川→太平洋)に癒され、奥岳登山口に帰り着く。と同時に空からポツリと一滴。慌ててMは愛車に一直線、私は近くのゴンドラ駅に避難する。さっきの青空が嘘のように強まる雨脚・・・後一息の所だったのに惜しかったなぁ。今日は宿で大洗濯だ。
( 文:斉藤(滋)   写真:斉藤(宗)  斉藤(滋) )
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