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南アルプス(北岳・間ノ岳・塩見・荒川・赤石・聖岳)縦走
その① 広河原~北岳~間ノ岳~熊ノ平小屋~塩見岳~三伏峠小屋
日 時  平成28年7月16~19日
メンバー  福山 清二
行 程  7月16日(厚狭~甲府):天候 曇
厚狭9:47~名古屋~塩尻~甲府17:10(ビジネスH前泊)

 7月17日(甲府~広河原~八本歯のコル~北岳山荘):天候 曇のち小雨
甲府4:35~広河原7:10~大樺沢二俣11:20~八本歯のコル14:40~北岳山荘16:10(山荘泊)

 7月18日(北岳山荘~間ノ岳~農鳥小屋~熊ノ平小屋):天候 晴
北岳山荘4:30~中白根山5:30~間ノ岳7:20~農鳥小屋9:30~三国平13:00~
熊ノ平小屋13:30(小屋泊)

 7月19日(熊ノ平小屋~北俣岳分岐~塩見岳~三伏峠小屋):天候 晴
熊ノ平小屋3:00~竜尾見晴5:00~北荒川岳7:50~北俣岳分岐11:05~塩見岳東峰12:10~
本谷山16:10~三伏峠小屋17:30(小屋泊)
 内 容

 南アルプスの峰々は奥深く20年前に家族と北岳に登ったきりだった。
 しかし、北アルプスを7日間かけた縦走を一昨年夏、昨年夏と2年続けると、次はやはり南アルプスを縦走したくなった。
 従前から憧れていた甲斐駒ヶ岳と仙丈ヶ岳を昨秋の紅葉期に黒戸尾根から縦走したので、いよいよ北岳から光岳までを残すのみとなった。
 しかし、改めて計画したら登山口までの往復が凄く大変で、需要が少ないためか食事提供の山小屋は少なく、エスケープルートも簡単でないため、一旦縦走を始めると簡単には中止出来ないので慎重な対応が必要だった。
 結論は何回(年)かに分けて挑戦するよりは、北岳から聖岳まで一挙に縦走することにした。また体力的に登りを中心にコースタイムより相当の時間を要するので到着時刻を遅くしないために一層の早立ちで余裕を持つことにした。
 光岳は更に遠く残念だが今回は無理をしないことにした。
 7月17日

 甲府駅前のビジネスホテルに前泊し、広河原行4:35発 の登山バス→広河原6:28着を利用した。3連休の2日目だからか4時前にバス停に並んだが既に2号車だった。荷物を車内に持ち込み、35人くらいでほぼ満席だったが途中乗車の方を除き全員座れた。
 広河原には少し遅れて到着した。今から7日間の長距離縦走、なるべく軽量化を図ったものの、テント、ガス・クッカーと最小限の食料を持参したためザックの重量は水を除いて15kg、総重量18kgを背負って広河原を出発した。
 登山道はぞろぞろと登山者でいっぱいの状況、しかもそれぞれスピードが違うので歩きにくく時間もかかった。その内、下山者とも交錯するようになり、登りも下りも10人前後のグループが多く、少し広い場所には休憩者がいっぱいという状況だった。
 ザックが重いし、いつもの通りゆっくりとした自分ペースで登った。大樺沢二俣付近では雪渓も現れ河原状の小石の上で多くの人が休憩していた。
大樺沢二俣付近の雪渓とガス
 多くの人は右に曲がり肩の小屋方面に向かったもようだが、直進して八本歯のコルを目指した。だんだんとガスが濃くなり小雨模様にもなったが時折、霧が晴れて振り向くと雪渓を携えた鳳凰三山が見えた。
 間もなく急登が始まり丸太木で作ったハシゴが現れた。急な上に雨で濡れてよく滑るので慎重に登った。何か所あったか分からないがほぼ直登気味のハシゴが次から次へと続いた。昨秋登った日本三大急登の一つ、甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根より確実に多く厳しく感じた。
 北岳山荘に到着したらテント場も小屋も超満員、3連休2日目の雨の山小屋だから仕方ないが大混雑の山小屋を20年振りに体験した。受付では畳一枚で二人ですと言われた、寝具なし泊を尋ねたら同じ条件だったがこちらはまだ余裕があるかもと言われ大部屋とは別の自炊部屋そばの部屋に案内された。結果的に4人だったので広々と寝ることができた。隣が乾燥室だったが利用者が多くて使えなかったので広い宿泊空間を利用して干した。
 7月18日

  前夜は土砂降りだったが早朝は晴れ、目の前に雲海上にそびえる富士山 を見て感動した。北岳方面からの日の出、間ノ岳方面のモルゲンロートが美しかった。
モルゲンロートに染まる間ノ岳
北岳山荘から早朝の富士
 4時過ぎに弁当を受け取り、間ノ岳に向け出発した。間ノ岳頂上3,190mは日本3位の高峰で、2位の北岳、1位の富士山をはじめ、仙丈ヶ岳・甲斐駒ヶ岳、農鳥岳、西側遠くに塩見岳その向こうに荒川岳等々、360度の眺めに見とれ多数の登山者と写真を撮りあった。
 今日は明日以降の大縦走に比べれば距離も短く休養日状態、ゆっくり進んで時間があれば農鳥岳にも登りたいが熊ノ平小屋に早めについてゆっくりする計画。三峰岳経由ではあまりに早い到着になるので農鳥小屋経由で三国平へと歩いた。
 間ノ岳を過ぎると農鳥岳への登山者は途端に少なくなり数パーティという感じ、農鳥岳から三国平へのルートでは誰にも会わなかった。熊ノ平小屋の宿泊者が3人、テント泊が1人、宿泊者の内1人は塩見岳方面からの縦走だった。明日の三伏峠までの縦走者も多くはない感じだった。
 熊ノ平小屋は水量が豊富で洗濯もできた。小屋のスタッフはとても親切で心こもった対応をしていただいた。
間ノ岳からの仙丈ヶ岳・甲斐駒ヶ岳・北岳
農鳥岳、三国平 分岐
 7月19日

 熊ノ平小屋から塩見岳を越えて三伏峠までは距離が長いうえ水場が一切ないため早朝に小屋を出発して慎重に進んだ。アップダウンの少ない展望の良い稜線歩きを予想していたが、実際は樹林帯の稜線沿いで展望はほとんど無く高度差こそ少なかったがアップダウンの連続だった。
 竜尾見晴を過ぎて再び樹林帯に入りしばらく進み、 急坂を登ると 突然目の前に大迫力の塩見岳があった。 360度展望出来るこの場所がどこだか分からず調べたら、 北荒川岳だった。安心して弁当を食べた。おにぎり2つと熊笹で包んだ、きな粉付き、ちまき、で美味しく頂いた。
北荒川岳から大迫力の塩見岳
 塩見岳への登山は急なガラ場、大崩落の淵沿いを登るもので一部危険箇所もあったが、非常に展望が良く、振り返る度に昨日からの長い縦走ルートが見渡せ楽しかった。やっと北俣岳分岐に出ると正面に蝙蝠岳が見えた。
 ここで、蝙蝠岳を往復してきた100高山を目指している人と会い話した。同時に熊ノ平までという人も通り過ぎた。そういえば今日のルート利用者は先を越された熊の平で同宿の2人と今対話した人と私の4人のみだった。
大崩壊の北荒川岳、後方は左から仙丈・甲斐駒・間ノ岳
北俣岳分岐、正面は蝙蝠岳
 やっと塩見岳に到着したが誰もいない。塩見小屋に下山途中に塩見岳を目指す塩見小屋泊らしい数人の方とすれ違った。
 塩見小屋から先も長く下りだけでなく登る箇所があり、長時間歩いた体には本谷山と三伏山の頂上越えは厳しかったがどうにか予定どおり三伏峠小屋に到着した。
塩見岳西峰、奥は東峰
 ・まとめ

 70才で18kgのザックを担いでの聖岳までの縦走ではケガや病気は絶対にダメなので極めて慎重に歩いた。塩見岳を越え無事に三伏峠小屋に到着出来た。まだまだ先は長いがまずは一安心。
( 文・写真 福山 )
その② 三伏峠小屋~烏帽子岳~小河内岳~前岳~中岳避難小屋 →
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