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南アルプス南部周回縦走(後編)
 19日:(晴れ)

 昨日の頑張りで、今日は赤石岳を越えるだけ。ゆっくり朝食を済ませ、すっかり明るくなって百間洞山の家キャンプ地を出発(5:40)、百間平で聖岳を振り返る。
 雷鳥も子連れでお散歩中、赤石の登りはザレの急登!避難小屋でスカットドリンクを美味しく戴く。
百閒平から聖岳
赤石岳から荒川岳
 赤石岳山頂も快晴の360°大展望を楽しみ、荒川小屋へ下る。
 大聖寺平で南北朝時代、後醍醐天皇の皇子「宗良親王」が山越えして、身延から青森まで落ち延びた歴史を思い出しながら、どの道をどう歩いたのか???感慨に浸りながら、荒川小屋(14:00)へ。
 冬季小屋独占、沢で体をふき、洗濯もでき、美味しいカレーもお代わり。コーヒータイムもたっぷり取り、休養ができた。
 20日:

 荒川小屋(3:53)発、荒川の登り、水場を過ぎたガレ沢の当たりでご来光。東の稜線に立派な角を蓄えた雄鹿のシルエットが美しい。赤石岳のモルゲンルート、雲上の富士、贅沢な時間を過ごす。
赤石岳のモルゲンロート
ご来光・雲上富士
 分岐に荷物をデポ、中岳、悪沢岳(8:30)をピストン。
 中岳の避難小屋に今日F氏が宿泊することを伝え、前岳へ。地形図では稜線の北側を巻いている登山道が稜線を通過、崩落で様子がまるで違う。
 600mのガレの下りを終え水平道の中間で北岳から聖岳まで単独縦走のF氏と合流。「このペースだと、19時を過ぎるぞ!」と半ば脅す。下りより登りのほうが安定して早く登った(高山裏避難小屋の無線で確認)。
 途中の水場で給水、高山裏避難小屋(15:00)泊。ベランメー調の小屋の江戸っ子爺さんとの会話が楽しい! 
悪沢岳
荒川岳から塩見岳
 21日:(晴れ)

 高山裏避難小屋(4:00)~途中どこが山頂か判らない。板屋岳の標識を過ぎ、瀬戸沢ノ頭、大日影山を巻き、小河内岳(9:06)の大展望、塩見岳が目の前に広がる。
 避難小屋で真っ黒に日焼けした奥さんと暫しの談話、蝙蝠岳の情報など仕入れる。順調に烏帽子岳を踏んで、三伏峠小屋(12:40)泊。
 のんびり、コーヒータイムをたのしむ。夕刻より雨になる。
小河内岳からの大展望
 22日:(雨のち曇り)

 三伏峠小屋(4:00)をカッパ着て出発。
 三伏山、本谷山を越え、巻道に入るころには雨が上がる。塩見小屋で給水、天狗岩の岩場を越すとガスの中に塩見岳(10:00)。
 記念撮影を終え、東峰の最高点で弁当を広げる。
塩見岳にて
 北俣岳の分岐から蝙蝠尾根へ。北俣岳の岩場を慎重に通過、なだらかな蝙蝠尾根を歩くも中々山頂に着かない。
 ようやく最後の主峰、蝙蝠岳(14:23)へ。ガスの中、慎重にルート確認。
 四郎作の頭(2721m)で休憩していると、誰にも合わないだろうが、まさか!逆に登ってくる人が見える。
 樹林帯に入り雲行きが怪しくなり、徳右衛門岳(17:20)で雨になる。少し手前の平地にテントを張り、最後の晩餐???
ガスの中の蝙蝠岳山頂
 23日:(雨のち晴れ)

 徳右衛門岳(4:10)発。水場で給水、東に巻くように下り、最初のガレの沢を下降すると、伏流水の音が聞こえる。
 水が湧き出している所の石を取り、草の葉で給水口を作り500mlのペットボトルで汲む。6L、往復1時間かかった。
 雨も上がり、あとは下るだけだが、倒木の障害物でなかなかペースが上がらない。中部電力の施設が見えるとホッとするが、一気の急下降で、岩場もあり、ようやく蝙蝠岳登山口(9:02)に着く。
 長い林道歩きの始まり、(途中、山田君とバッタリ!今から蝙蝠尾根を登り、光岳まで行って下山するトレランに挑戦とのこと)全行程約82kmを完踏し、椹島ロッジ着(13:00)。
 下界の食料を思い思い食べ、濡れたテントなど少し乾かし、14:00の最終バスに揺られ、ゲートの駐車地へ。
 まずは、温泉、食事。当てにしていた今夜の宿、白樺荘が満員で泊まれず、ガソリンスタンドで給油し、情報をゲット。何とか飛び込みで探し当てた口坂本温泉、民宿「明ケ島」。肌がヌルヌル、とても良い温泉で8日間の垢をおとす。食事も豪華、美味しいビールで完踏を祝う。やっぱり布団で寝るのが一番。
 突然のアポなし宿泊、宿の皆さんに大感謝!!!お陰様で、楽しい山旅の素晴らしい締めができました。
 24日:

 帰路、無事帰宅    

 仲間と関係者に感謝! すばらしい古希&山の日記念山行できました。
( 文・写真:加藤 )
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