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美東大滝沢・郷川(厚東川水系)
山行日  平成28年6月25日(土)
天 候  曇り
メンバー  池本、林、内田
行 程  真長田運動場~鯨ヶ岳登山口~美東大滝沢左俣入渓7:05~左俣遡行終了7:25~
鯨ヶ岳登山口~右俣入渓7:35~右俣遡行終了8:35~鯨ヶ岳登山口~移動~
郷川駐車地点~郷川入渓9:25~遡行終了11:00~郷川駐車地点~真長田運動場
 今年の梅雨もよく雨が降る。今週半ばには1日で100mmを越える降水があり、大雨洪水警報が発令された。
 週末はどの沢も増水することが予想されたので、平時の水量が少なそうな沢の中から、遡行時間の短い美東大滝沢と郷川の二本立てにすることとした。
 待ち合わせ場所に集合し、乗り合わせて国道490号を北上する。鯨ヶ岳登山口の看板に従って林道を詰めたところが登山口で、美東大滝沢の入渓地点となる。
 二俣となっているので、まずは左俣から入渓。岩についた苔の浸かり具合から判断するに、かなり水量は多そうだ。
 すぐに大岩をくぐる。次の多段の滝を越えると、斜滝から勢いよく水がほとばしっている。
 F4だろうか。5m以上はあるように見える。平水時なら水流の中を行けるのだろうが、今回は水芯を避けて登った。
斜滝を左岸側から登る
 斜滝の上には2m程の小滝が出てくるが、簡単そうに見えて、ホールドスタンスが悪く、なかなか楽しめる。
 それを越えると、平坦な植林地となり、流れが緩やかになった。しばらく進むが、渓相に変化が見られないので、遡行を終了して引き返した。
 入渓地点まで戻って、今度は右俣へ。見上げると前方右手には岸壁が高くそびえ、まるで沢に覆い被さらんとするかのようだ。
 大岩横の斜滝を越えると、正面に洞窟の入り口が現れた。奥には水しぶきが見える。F4「熊登れる」の滝だ。
正面がF4洞くつ状の「熊登れる」の滝
 洞窟の中に入ってみると、たいして奥行きはない。上にぽっかりと開いた空間から激しい水流が暗闇の中に落ち込んで滝となっている。
 暗いのでよく見えないが、滝の後ろの岩から取りつけば可能性はありそうだ。ただし、そのまま登っても、落ち口で水流の直撃を受けてしまいそうで、今回は断念。洞窟の岩を左から巻いた。
激しい水流が落ち込んでいる
 この後に出てくる滝も水量が多いため、シャワーを浴びながらのボルダリングとなり、飽きさせない。
 林と内田は身体が吹き飛ばされるため、水芯を避けて登るが、池本は水圧をおそれず正面突破に挑戦する。それぞれ登攀スタイルが異なり面白い。
水圧に負けずに正面突破する池本
それぞれのスタイルで滝を越える
 ゴルジュの終わりに出てくる滝がなかなか難しく、3人でムーブを探ってさんざん遊んだ後は、F7トユ状の滝となる。その後、沢は平凡となり、右岸に登山道が現れたので、ここで遡行終了。
 登山道を通って、入渓地点まで戻った。
この滝はムーブが面白かった
 まだ時間があるので、次は郷川に移動。
 県道28号線から東に入ると、田んぼの中を用水路のような郷川が流れている。さらに上流に向かい、猪避けの柵を越える。
 水を湛えた堰堤を右手に過ぎて、林道が右岸から左岸へと渡る橋から入渓した。
 入渓すぐの堰堤に続いて鉄柵製の堰堤を越えると、ようやく沢登りらしくなる。ただし、先ほどの美東大滝に比べると倒木が多い印象。
 しばらく進むと、突然、目の前に迫力のある斜滝が現れた。下段+上段の滝で、全体としては結構な高さがあるように見える。F3とF4だろうか。
水量が多いため迫力がある
 下段は高さも傾斜もないため、特に問題なし。上段も傾斜はそれほどではないが、水量が多く、水流の下にホールドスタンスがあるかどうか分からない。
 ここは池本が左岸沿いをトップで登り、後続が好きなラインでフォローさせてもらうことにした。
 セカンドで林が中央のラインに取り付く。頭から水をかぶって奮闘していたが、真ん中あたりが難しそうだ。
 結局、苦労しながらトラバースして右に抜けていった。内田も続くが、岩が逆層気味でじわじわとしか登れない。上からの水圧で身体が押されるので、同じく右に抜けたが、このトラバースがまた怖かった。
頭から水流を受けながら登る林
 そのすぐ上にはF5斜滝12mが続く。今度は内田が左岸沿いを登り、後続をビレイ。林も池本もそれぞれ好きなところを登った。
F5を上から見たところ
 その後もいくつか滝が出てくるが、難しいところはない。水量の少ないときだと、印象に残らないかもしれない。沼のようになった堰堤を過ぎて、F9、最後のトユ状の滝を越えると、林道の橋に行き当たったので遡行終了。帰りは林道を歩いて、車まで戻った。
 遡行時間が短いため、少し物足りない感じはあるが、思っていた以上に気持ちの良い遡行ができた。
 今回、大雨の後という状況が良かったのだろう。美東大滝沢ではボルダ―を、郷川は迫力のある斜滝の登攀を楽しめた。山口県中部の沢もなかなか奥が深い。
( 文・写真:内田 )
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