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新緑の莇ヶ岳を訪ねて
新緑の林を行く
山行日  2016年5月7日(土)
天 候  曇り後晴れ
メンバー  斉藤(宗)  斉藤(滋)  Ay・Iy(会員外)
行 程  宇部自宅(6:55)~ R9・R315 ~ 登山口(9:00-9:13)~ 
県境尾根分岐(10:30)~ 莇ヶ岳山頂(11:20-12:30)~ 
登山口(13:10-13:25)~ 宇部自宅 (15:20)
 内 容
 桜の花が散り葉桜の季節になっても中々エンジンがかからない。私事でも社会でも様々な出来事があり落ち着かない日々が過ぎる。例年なら山菜採りやヤマシャク観賞等であちこちの山へと忙しい筈だった。膝痛、腰痛のせいにして常盤湖周回のウオーキングばかり続けているが、そろそろ気持ちを切り替えよう。そういえば先日、山口県山岳連盟の活動でご一緒したYnさん(周南山岳会)が莇ヶ岳の事を話しておられたが、我が家はもう10年位登っていない。もうカタクリの花も山菜の時期も過ぎてしまっただろうが急に懐かしくなる。早速、新緑を期待して出かけてみよう。
 徳佐からR315を南下して利根橋から登山口に向かう。狭い林道にドキドキするが対向車も無く駐車場には1番乗り。土曜日なので登山者が多いかもと予想していたのでなんだか肩すかしの感じだ。
 熊よけの鈴は忘れずに持って来たので大丈夫だが、元気なおばさん(口だけ)が3人寄れば鈴は無くても・・・。久々の1000m級の登山とあって身支度チェックも入念に済ませドリンク剤で活力増強も怠りなくバッチリ!
 昨日から降り続いた雨はどうにか上がったが、この天気どうもすっきりしない。自他共に認める雨女のIyさんと晴れ女のAyさんの真剣勝負に天の神様も戸惑っているようだ。いつ降り出してもいいように雨具のズボンを穿いたMを先頭にいざ出発、駐車場傍の橋を渡る。下を流れる沢は県内一の河川である錦川の源流だ。
橋を渡って登山開始
 歩き始めは植林帯の中に続く急坂、ジグザグの階段は久しぶりの山歩きにはかなり厳しい。「ゆっくり登ろうね」と前を行くMに声をかける。1人ドリンク剤を飲んでいないMに遅れをとるようではと付いて行くが飲んで間が無いせいか効き目がイマイチ、息が荒くなる。
 でも良かった。MがGPSの電源入れ忘れで早くも小休止、ふと足元を見るとかわいいチゴユリが咲いている。地元近くの大海山や霜降山では見られない花に出会えて嬉しくなる。 
いきなりの急坂が続く
雨に濡れたチゴユリ
 《防長山野へのいざない》の著者金光さんが第二新道コースとして紹介されているこのコース、我が家が下ったのは10年位前かな?、殆ど記憶が無い。う~ん、こんな急坂下ったかな? 今ならかなり膝に堪える筈だが・・・。
 目いっぱい伸ばし続けたアキレス腱が悲鳴を上げそうだ。「焦らず時間をかけて行こう。お昼までに山頂に着けばいいんだからね」Mを除く3人はみんな仲良く膝関節症、よって無理が出来ないが段々傾斜が緩みホッとする。
 霧の向こうに山頂らしきも見えている。穏やかな新緑のトンネルが続く尾根を進むと標識が立つ三叉路に到着、県境稜線に合流だ。右に進めば小峰峠を経て米山峠へと続く筈のこの稜線を辿ったのはもう40年も昔のことだ。
霧に覆われた山頂が見える
 宇部山岳会創立30周年記念行事として計画された《日本海から瀬戸内海まで県境を忠実に辿る》の莇ヶ岳~米山峠に参加した日の事が懐かしい。今は亡きO先輩の総指揮の下、藪こぎ覚悟で莇ヶ岳を出発、小峰峠までは取材のテレビ局も同伴で順調だった。その後もしばらくは予定通り進んだがある地点で迷ってしまい木登りして現在地確認等、先輩達は大変だった。稜線にはササユリが沢山咲いていたので6月頃か?とにかく暑く携行した飲料水も底を尽き苦しい藪こぎだった。どうにか下山できてみんなで直行したのが田んぼの傍の小さな流れ、乾ききった喉に何回も掌で梳くって飲んだ水の美味しかった事が忘れられない。

 さて思い出に耽るのはここまでにして莇ヶ岳へと左折する。前日の大雨の名残か山頂付近はまだ薄っすらと霧の中、しかし山腹を彩る新緑にAyさんもIyさんも大喜び、疲れを忘れる眺めだ。
 何処から見ても尖った山頂の莇ヶ岳、最後の急登が始まる。トレーニング不足がたたって息が荒くなるが、ふと目にしたイワカガミがエールを送ってくれている。有難う! 元気が湧いて来る。
イワカガミに疲れが吹き飛ぶ
山頂直下の急坂を登る
 山頂にはYnさんが話しておられた避難小屋が建っている。しょっちゅう登っておられるようなので中を覗いたが残念、お顔は見えない。もしかしたらお会い出来るかもと期待したが今日は登っておられないようだ。
 しかし山頂には大勢の若者の声が行き交っている。熱心に地図、コンパスでお勉強中だ。訊けば下松工業高校の山岳部だそうで引率の先生のお話で平成25年のインターハイ(山岳部門)で全国優勝したと知る。素晴らしい! 優勝を機に部員も増え目下地元である競技会に向け特訓中とのこと、頑張れ!
下松工業高校山岳部のみなさん
 さて大展望を楽しみながらの昼食タイム、一番の楽しみの筈だが邪魔する憎っくき敵に悩まされる。しばらく山から遠ざかっていると大事なことも忘れてしまう。うっかりしていた。この時期の嫌われ者ブトに登る途中から付き纏われているのだ。
 虫除けネットを忘れてしまい顔面を何ヶ所も刺されたあげく、しつこく目の前でブンブン飛ばれイライラは最高潮に。これ以上刺されてたまるかとタオルマフラーを目だけ出して巻きつけ完全防御「これで大丈夫」と一安心したが「口まで隠しちゃあ食べられんよ」とAyさん。あっ!そうか、私は本当にバカと巻き直していると「目は口ほどに物は言ってくれても、目では食べられん」とMが追い討ち・・・。
 ブトには散々悩まされたが久々の1000m超えの山に登れた事にホッとし山頂を後にする。下山は正面コースを下りミニ周回して出発点の登山口に帰り着く。
錦川へと流れる清流(登山口付近にて)
 帰路は県道26を走り徳地の三谷集落の棚田風景を懐かしむ。数年前までは毎週のごとく訪れていた県境の山々も随分遠のいてしまっている。年を取ったということか・・・。いや落ち込んではいられない。こうして山に登れる平穏な日々・・・頑張らなければ。
( 文:斉藤(滋)  写真:斉藤(宗) 斉藤(滋) )
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