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大山滝沢尾根
山行日  2016年2月20日(土)
天 候  少雨又は雪
メンバー  内田、鹿野(会員外)
行 程  南光河原駐車場6:15~元谷7:00~滝沢尾根取付8:00~主稜線13:30~
弥山山頂小屋14:00~(山頂小屋で小休憩)~南光河原駐車場15:30
 内 容
 週末にかけて天気は下り坂。特に山行予定の土曜日がピンポイントで雨マークとなっている。
 行く前からテンションは下がるが、とりあえず現地に行ってから、登れそうなルートを判断することにした。
 いつものように前日夜発で、小宴会をしてから就寝。今回も少し飲み過ぎる。
 おかげで当日は4時の予定が5時起床となり、1時間遅れで出発した。
 小雨が降る中、相変わらず雪の少ない道を元谷へ進む。先行者のトレースがあった。
林道のカーブミラーも埋まっていない
 気温はそれほど高くないこと、何とか視界も効くことから、とりあえず取付きまで行ってみることにする。先行者のトレースも北壁へ向かっているので使わせてもらうと、すぐに3人パーティーと出会った。中ノ沢を登るとのこと。

 3人と別れ、そこからは鹿野と二人でトレースを刻む。いつしか雨は雪に変わり、最初は膝下だったのが、北壁に近づくにつれて深くなり、最後は太腿までのラッセルとなる。
 ガスの中に弥山尾根と小屏風が浮かび上がり、その間に滝沢尾根が見えてきた。
取付きに向かってラッセル
 大きなデブリは確認できないが、弥山沢や滝沢からの雪崩を警戒して、直接、滝沢尾根の取付きを目指す。
 気がつけば、傾斜が出てくるにつれて、滝沢や中ノ沢に薄く積もった雪がさらさらと流れていく。すぐに雪崩そうな感じではないが、気持ちの良いものではない。気ばかり焦るものの、深雪に阻まれてなかなか近づかなかった。
なかなか近づかない
 滝沢尾根の下で準備をしてから登攀開始。
 尾根の末端は岩のため、右の滝沢から進もうとすると、内田がシュルンドにはまる。取付き付近にシュルンドができるという話は聞いていたが、滝沢を横に走る亀裂に気を取られ、気づかなかった。
 奥を除くと結構な深さもありそう。慌てて脱出。
シュルンドにはまる内田
 しばらくは滝沢の左寄りを進んでいく。
 沢の中ほどを流れ落ちる雪の量が増えてきたのを見て、気味が悪いので早めに尾根に上がる。
 傾斜が出てきたので、スタカットに切り替えて、1ピッチ目を内田、核心の2ピッチ目を鹿野が登った。
 鹿野が登ろうとしたとき、突然、右の滝沢からドーンという音とともに雪煙が上がる。本物の雪崩を見たのは初めてだったが、あれに巻き込まれたら、まず無事にはいられないと実感した。この日は両側の沢で何度も音を立てて雪崩が発生。この時点で引き返すという選択肢はなくなった。中ノ沢を目指していたパーティーは無事に撤退したようだ。
ドキドキしながら滝沢を進む
 2ピッチ目の岩稜を越えるところが今回の核心だ。
 鹿野は巧みなルート取りで、岩稜下部を右のブッシュから巻き、上部で左のリッジに出た
 内田がフォローで続くと、下部と上部のそれぞれ一箇所で、ブッシュの支点はあるものの、足場が乏しく、次の一歩が躊躇われる。
 確保されているセカンドの強みで、ここはエイヤで越えた。
核心の2ピッチ目に取付く鹿野
 その後、若干、傾斜も緩んできたためコンテに切り替える。
 相変わらず雪は締まっておらず、ラッセルがきつい。忠実に尾根上を進むと、基本的にはブッシュ交じりの雪壁とリッジが繰り返し現れる。
 途中、ブッシュにザイルが絡まるので、コンテを解除したが、傾斜のある箇所ではザイルを使った方が良かったかもしれない。
 後半、視界の効かないリッジで再度アンザイレンした。
リッジ状となる
視界の効かないリッジを進む
 視界のない中、どこまでも続くラッセルにうんざりした頃、突然、見覚えのある立木が目に入った。主稜線だ。
 例年に比べるとやはり雪が少ない。右手にはガスの向こうに弥山のピークが見える。
 トレースのない縦走路を雪にまみれて、弥山に向かって進む。弥山ピークの登りにはあまり雪が付いていなかった。
 弥山山頂碑が見えたところで、ようやく安全地帯まで来たことにホッとする。鹿野と固く握手を交わす。
主稜線から弥山ピークを望む
 その後、無人の山頂小屋で休憩していると、3人ほど登山者が小屋に入ってきた。
 さすが人気の山だけあって、この天気で、この時間に登ってくる人がいることに驚いた。聞けば今日は小屋泊とのこと。その人たちに別れを告げて、人気のない夏道を一気に下る。
 下るにつれて雪は再び雨となるが、疲労の溜まった足は重く、またしても鹿野に置いていかれることとなった。
 登ってみたいルートの一つであった滝沢尾根。今回もラッセルに苦しめられたが、コンディションの良くない中、パートナーのおかげで無事に登攀できたことに感謝したい。
( 文:内田、写真:内田・鹿野 )
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