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新雪の比婆山で初登り
青空が覗いた烏帽子岳山頂
山行日  2016年1月1日
天 候  曇り時々晴れ
メンバー  斉藤(宗)  斉藤(滋)
行 程  比婆山県民の森公園センター(9:25)~ 出雲峠(10:15-10:30)~
烏帽子岳(11:45-11:50)~ 御陵(12:40-13:10)~ 越原越え(13:50)~
管理道終点(14:15-14:25)~ 県民の森公園センター(15:00)泊
 内 容
 「全く雪がありませんが・・・」と暮れも押し迫ったある日、比婆山県民の森公園センターから電話があった。
 毎年お正月を比婆山で過ごしているが雪が無いなんて初めての事だ。「雪が無いんか、つまらんのう」とMは言うが、大掃除や毎日の家事でクタクタの私、お正月は比婆山で上げ膳、据え膳だけを楽しみに頑張っているのだ。家に居ては三が日おさんどんで終わりそう。雪が無くてもいい「行きます!」と返事する。
 12月31日

 益田で墓参りを済ませ、芸北の民宿(スキーに夢中だった頃お世話になった)に立ち寄った後、中国道加計ETC入口に向かう。
 例年だと雪の峠越えに神経を遣うのだが、チラホラ雪が舞っては来たものの不安は無い。この調子で降ってくれればいいのだが。
 庄原ICで中国道を下りR183~R314と走る・・・と願いが通じたのか、県道≪比婆山県民の森線≫に入ると路面が一変、なんと真っ白だ。慌てて四駆に切り替えるが、予期せぬ光景に胸が高鳴る。
 予報通り降り始めたのか。辿り着いた県民の森公園センターはスキー場はお休み、いつもの混雑は無く楽々駐車は有難いが、例年と違う光景が寂しい。部屋の窓からは人影の無いスキー場が見える。1年の締めくくりの大晦日、静かに雪が舞っている。
 1月1日

 おせち料理を沢山食べてエネルギーの補給は十分、新しい年の一歩を踏み出す。
 年末から腰痛に苦しみリハビリに精出しているが、なんとか早く治したい。膝関節炎、骨折、腰痛と故障の絶えない体に溜息が出るが、一つ一つ乗り越えて来た。
 今年もノロノロペースで行くしかない。「気をつけて行ってらっしゃい。4時までには帰ってくださいね」フロントのKさんに見送られ公園センターを出発、出雲峠へと向かう。
出雲峠に向かう
 たとえ僅かな積雪でも誰も踏んでいないのが気持ち良い。ここに来るまで想像もしていなかった雪景色に足取りも軽くなる。あれ程悩まされた腰の痛み(MRI検査の結果、背筋の衰えが指摘された)も感じない。登山の時だけ痛くないなんて勝手すぎ? でも本当だから仕方ない。

 誰もいない出雲峠の避難小屋で一休みする。予想していたことだが2人きりの比婆山になりそうだ。念のためコンパスをセットするが、MはGPSとスマホを見ては何やらブツブツ独り言・・・。
 植林帯を抜けたショートカットの尾根コースは中途半端な積雪で籔のため取りつけない。久しぶりに夏道を登るとしよう。
雪の夏道を登る(深雪時は尾根道を登る)
 すっかり落葉した明るい裸木の林を登る。と見たことも無い麓の景色が目に入る。いったい何処?
 どうやらMが言う島根県側の景色らしい(偶々雪の無い、見通しの良い時期だからこそ見えるのだろう。初めての経験だ)
島根県側の麓の景色が見える
 烏帽子岳への登りで何度も立ち止まるM、「何してるんだぁ、じっと待つのは寒いよ」と言いたいが新春初喧嘩は避けたい。イライラが通じたのか「行っていいよ」に従いゆっくりと登り静かな烏帽子岳山頂に到着する。
 冬型の天候らしく抜けるような青空も濃い霧がやって来て、寒々と辺りを包み込む。こうなったら長居は無用、飴玉を口にし御陵へと向かう。

 昨年は越原(おっぱら)越え経由で御陵登頂を目指したが見事敗退、越原越えどころか思わぬ深雪に管理道終点で力尽きてしまった。今年はこの調子だと一昨年のようにまた新年初登頂者になれるかもしれないな。そうMに言うと「難しいルートを登る訳じゃあるまいし・・・」と返って来たが、大好きな比婆山に今年も1番乗り出来れば嬉しい。
イナバウアーのつもり? (硬い体は琴奨菊のように曲がらない)
 例年のように深雪をラッセルしながら、御陵は何処?と彷徨うことも無く、明瞭な登山道を行く(こんなにハッキリしていても雪が深いと平坦な山上部は迷いやすい)
明瞭な夏道を御陵に向かう
 静かな御陵に到着し並んでお参りする。
 記念の写真も撮り、さぁ昼ご飯だ。カップ麺に湯を注ぎ温まりながら寛いでいると、単独行の若い男性が現れ挨拶を交わす。初めて登山者に出会え驚いたが、彼は予期していたようで「牛曳から登って来たが出雲峠からは足跡があったので」とのこと。さすが若いだけあって凄い! さらに池ノ段方面に向かい笹尾根を下るとは素晴らしい。若いっていいなぁと見送りながらハッと気づく。もう少しモタモタしていたら今年の初登頂者にはなれなかったな・・・。

 さて下山はいつも、御陵からスキー場に一気に下るのが楽しみだが、少ない雪ではそうはいかない。ブナの樹林コース分岐を見送り池ノ段方面に進む。
 ここでもMはスマホを覗き込んでノロノロペース・・・。どうしたのかな?「何してるん?」と声をかけると追いついて来て説明開始。スマホには現在地周辺の地図が出ているが、GPSに比べると今いち精度が落ちるようで所々で双方を比べていたそうだ。それならそうと言ってくれれば、いくらでも待つのに(ちゃんと説明してくれたらイライラからの余分な戦争も起こらない)
明るいブナ林を行く
 ブナ林の美しさを楽しみながら越原越えまで下る。ここから池ノ段に向けて登るか(笹尾根を下ることになり長い)管理道に下るか(公園センターへは最短)一応思案する。が管理道に下ると即決まる(楽な方へは円満に意見一致)池ノ段に回れば16時帰着はかなりしんどいし、下りではあるが、昨年登れなかったコースなのでリベンジと大義名分も立ちそう・・・。

 暗い植林帯を下りながら、ここでもスマホを覗き込むM、今度は圏外と出た。難しい事は私には分からないが(特に理系は)GPSの代わりにスマホを使うのは登山ではいろいろと不便がありそうだ。

 昨年ラッセルで苦労した管理道の終点に下り立ち、懐かしい標識に再会しタッチする。昨年は雪の上にちょこんと出ていたがこうして見ると改めて深かった雪を思い出す。
( http://ubealpine.fc2web.com/27houkoku/07-hibayama.html )  
去年はここまで雪で埋まっていた
管理道に下りてもスマホ、GPSを確認するM
 やっぱり管理道に下りて来てよかったと思う。昨年は敗退で何処か心残りだったが、今こうして満ち足りた思いで下る。あっという間の一年。今年も比婆山からスタートする。
( 文: 斉藤(滋)  写真:斉藤(宗) 斉藤(滋) )
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