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祝子川ゴルジュ(宮崎県大崩山)
日 時  平成27年9月22日(火)
天 候  晴れ
メンバー  池本、内田、鹿野(会員外)
行 程  山口~東九州自動車道~北川IC~上祝子~大崩山登山口(6:00)~(6:45)喜平越谷(7:05)~
入渓(7:10)~(7:45)二条8mの滝~(8:55)30cmゴルジュ~(10:00)吐野(10:15)~
大崩山登山口(11:05)~北川IC~東九州自動車道~山口
 沢登り愛好家なら一度は耳にする祝子川ゴルジュ。
 いつか大崩山の巨岩に抱かれた沢を遡行してみたいと思っていた。今回、心強いメンバーが揃い、宮崎まで遠征する機会に恵まれた。
 前日、日付が変わる前に上祝子に到着。
 道路脇の空き地にテントを張って、ささやかな宴を楽しむ。
 当日は5時に起床して、大崩山登山口に移動。準備をしてから予定通り6時に出発した。
 天気に恵まれた連休ということもあり入山者は多そうだ。大崩山荘の前を過ぎ、和久塚分岐を経て、登山口から45分で喜平越谷に到着。ここで装備を整えてから入渓した。
喜平越谷
 青い水と白い岩のコントラストが美しい。
 岩が大きいため、その間を縫って進む。天気は快晴だが、水温は低い。
 水に洗われた花崗岩はラバーソールとの相性が抜群だ。
 ポットホールなど自然が生み出した岩の造形美を楽しみながら遡行すると、淵の先が水路状に狭くなっている奥に滝が現れた。滝といっても段差は2mない程度。
 しかし、水に磨かれた祝子川の岩はツルツルで、取り付くすべもないため、ショルダーで越える。祝子川ゴルジュでは全体を通してショルダーが非常に有効だと思った。
奥の滝はショルダーで越えた
 その後、少し先に出てくるプールのような淵でしばらく遊んでしまい、身体が冷え切ってしまう。
 身体を温めるため、どんどん先へと進むと、次第に両岸が狭まり、ゴルジュの様相を帯びてきた。
 両岸とも高さのある巨大なスラブで開放感があり、中国山地のゴルジュとは雰囲気が異なっている。
プールのような淵
 右にチョックストーンが挟まった大岩を左から過ぎると、淵の奥に二条8mの滝が現れた。
 本日、第一の関門だ。見るからに冷たそうな水に入るのが躊躇われるが、まずは池本が偵察に泳ぐ。
 鹿野と内田も続くが、ボルトの位置は確認できたものの、2ピン目から3ピン目が非常に遠い。また、1ピン目も右滝の直撃を受けながら取り付かなければならず、水温の低い状況ではルート工作が難しい。
 残念ながら、高巻き決定。冷え切った身体を震わせながら、ショルダーとアブミを使って手前の右岸スラブ&草付を越えた。
二条8m滝
右岸スラブを登る
 懸垂下降で二条8m滝の上に出てから、三つの大岩を越えると、いよいよ眼前に特徴的な光景が広がる。
 両岸100mもの高いスラブに挟まれた底を走る青い水流。一番奥ではゴルジュの底がさらに細くなり、白く泡立つ瀑流が噴き出している。
 第二の関門の祝子川名物30cmゴルジュだ。
 両岸に手足が届く距離まで近づこうとするが、水流に押されてなかなか前に進まない。何度か水を飲みながら流れに抗い続け、ようやく手足で突っ張りの体勢をとることができた。
 そこからステミングに移り、少しずつ前進する。足元ではわずかな幅を激流が強い水圧で押し出されており、落ちるとどうなるか分からない。恐怖感から必要以上に力が入り、バック&フットをする余裕もなく、池本のショルダーに助けられた。
30cmゴルジュ
ステミングでじわじわ進む
 30cmゴルジュの先は巨大な岩によって二つの進路に分断される。
 左はウォータースライダーのようにツルツルの岩を早い水流が走っている。
 ツルツル岩の右側がリッジ状となっているが、かなりの水量が流れており、行くのが躊躇われる。右はちょっとした空間となっており、上から滝が落ち込んでいる。
 ショルダーを使えば岩をつたって外に上がれそうだ。ここは右のルートをとり、ショルダーの連続で難所を越えた。
     
ショルダーで越える
 その後、再びスラブに挟まれた水路を進むと、巨大な岩の下でチョックストーンが行く手を阻んでいる。
 水流はチョックストーンに遮られて、右岸のスラブを流れているが、登るには手がかりがなく見るからに難しそうだ。
 結局、ショルダーでチョックストーンの右を越えた。越えた後、滝の音が聞こえるので、岩の奥を覗いてみると、三次元の迷路のような岩の間を激しく水が流れていた。
     
最後の関門
 その先は次第に両岸のスラブが低くなり、流れも穏やかになる。
 終わりが近づいていることを予感しながら進むと、小石が堆積した河原となった。終了点の吐野だ。装備を解除してから登山道で登山口まで戻った。
 念願の祝子川では、好天の下で思う存分、素晴らしい水と岩を味わうことができた。
 コンディションに恵まれたが、全身を張りつめなければ突破できない箇所があり、力強くサポートしてくれた仲間に感謝したい。技術・体力をさらに向上させ、今度は夏の暑い時期に来てみたい。
( 文:内田、写真:内田・鹿野 )
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