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北アルプス ベースキャンプ型山行3(祖父岳・雲ノ平・双六岳・笠ヶ岳)
山行日  2015年8月11日~8月14日
メンバー  井之上 (単独)
行 程  8月11日(火)晴れ後曇り
 三俣テン場5:10~黒部川徒渉点5:50~祖父岳7:40~雲の平山荘8:40~9:00~
三俣テン場12:05~三俣蓮華岳13:50~双六岳15:10~双六小屋16:10  テント泊

 8月12日(水) 晴れ後曇り後雨
 双六小屋6:15~弓折乗越し7:05~秩父平9:10~笠新道分岐10:20~
笠が岳11:35~11:55~笠新道分岐13:30~杓子平15:10~
笠新道登山口18:05~新穂高無料駐車場19:30~平湯の森20:00  車中泊

8月13日(木)雨 

8月14日(金)晴れ
 飛騨高山7:30~遊湯館10:00~13:00~立山 雄山神社15:00~15:50~
立山IC17:00~(14日)~防府東IC~自宅8:30
  8月11日 

 4:30起床 天気は快晴 祖父岳・雲ノ平を目指す。
 まずは山荘寄りのテン場から沢沿いの草原を抜け黒部源流の徒渉点まで下る。右手にそびえる鷲羽岳山頂にはすでに登頂した人が見える。正面の祖父岳の尾根にはすでに陽があたり始めていた。
 やがて黒部源流の徒渉点に到着、ロープが張られた沢を飛び石伝いに渡る。
 すぐに急傾斜の登りになる、登りきるとハイマツ帯を抜け第一雪田、第二雪田があるが、夏道が出てる為雪渓上を進む事はなかった。
 しばらく進むと右に祖父岳を見ながら木道を進む、ここが日本庭園というらしい。やがて祖父岳の分岐に出る、まずは祖父岳山頂へ向かう。ザレたガラ場をつづら折りに登り山頂はかなり広く、でかいケルンがいくつもある。
祖父岳山頂より雲ノ平・薬師岳方面
 展望が素晴らしく、黒部源流の山々に囲まれた絶景ポイントだった。
 小休止の後、雲ノ平らに向け出発、分岐に戻りハイマツ帯を下る。キャンプ指定地が真下に見えるが植生復元の為通行禁止になっている。迂回路を通りスイス庭園にたどり着く。
雲ノ平山荘と黒部五郎岳
雲ノ平より水晶岳を望む
 池塘が点在しているはずだが、梅雨明けより晴天が続き干あがっており、残念ながら本来の景観ではないようであった。とりあえず雲ノ平山荘までのんびり進む。
 山荘でも深刻な水不足の為、急遽テン場から水を歩荷しているらしい。
 山荘前のベンチで大休止、景色を堪能しながら今後の予定を考える。とりあえずここ雲ノ平が最終目的地で無事予定をこなした訳で後は下山を残すのみである。そこで行きは新穂高より三俣山荘まで来たのだが帰りは、今日中に双六小屋まで下山を進めておこうという結論になり、早速三俣テン場を引き上げる為、雲ノ平を出発する。
 来た道を引き返しながら三日間真近で見てきた山々も見納めだと思うと、淋しさがこみ上げてくるが、又来ればいいさとテン場に急いだ。
 テン場に着くなり即テントを撤収する。のんびりしていると気持ちに負けてもう1泊しそうだからだ。双六岳は行きに巻道を通った為、登頂していないので三俣蓮華岳に登り双六岳経由で双六小屋に行く予定だ、しかし空に雲が広がりだした為 気持ちが焦る。
 装備一式の中で食料しか軽く出来ないのでひたすら満腹になるまで食べたから、軽くなっただろうと思いザックを背負う。重い!! それもそうだ三日間サブザックで行動していたのだから。
 覚悟を決め取り敢えず三俣蓮華岳を目指す、あえぎながらザレた急登を登り三俣峠へ到着、休憩するとまた巻道の誘惑に負けるので即山頂を目指す。
 お花畑に癒されつつ山頂へ到着、写真を撮り稜線を辿るルートで双六岳へと縦走開始。
 ハイマツ帯を下って、すぐに丸山へ登り返す、途中で眼下に熊を発見。しかし高低差があるので気にしない。幅広い尾根道を進むと、双六山頂を巻く中道ルートとの分岐に出る、分岐を過ぎ緩やかに登っていく。すでに周囲はガスガスの為雷鳥にまた出くわす。
 展望はないが無事、双六岳山頂に到着。写真を撮り双六小屋へ。
ガスガスの双六岳山頂
 広大な台地上の尾根に延びる道を進んでいくとガスの中から槍が一瞬だけ見えた。展望があればと悔やみながら先を急ぐ。
 やがて急な下りとなり、中道ルートと合流しハイマツ帯を下ると三俣峠からの巻道ルートに合流。真下には双六小屋と双六池の畔にカラフルなテント村が見える。ここからさらに急な下りをおり双六小屋に到着。即テント設営を開始する。
 テン場は大勢で大変賑わっており、テントにいてもとても落ち着かないので小屋のテラスより鷲羽岳を眺めながら軽食を食べる。
 明日は行きに食べられなかった鏡平小屋のカキ氷でも食べて鏡池でのんびりしてから下山する算段でいた。
 テントに戻り、この三日間圏外だった携帯の電源を入れるとメールが入ってきた。昨年も北アルプス山行中にアドバイスを頂いた加藤氏からだ。内容はこうだ。(今日中に双六小屋まで進んで {ハイ進みました} 下山ルートを笠ヶ岳経由も可能です。余裕があればチャレンジしてみてください。{カキ氷は無しだな。})
 しかしこれで一座増えるし、また稜線歩きを続けられる喜びのほうが大きかった。懸念材料は天気と少し登山靴のソールがはがれている事だ。
 天気とルート確認を小屋で済ませ気持ちが高まっていたが、取り敢えず朝起きてから決めよう。と自分を落ち着かせて床に就いた。
 8月12日 
 
 天気は快晴  のんびりと起きる
 双六小屋より笠ヶ岳周りが慌しく出発する中テントで食事をとり、だいぶ周りが落ち着いてからテントを撤収し装備を背負い小屋前に戻る。
 三日間見続けた鷲羽岳と最後の別れを告げ出発。
 弓折乗越しまでは登山者が多く、抜いて進むのにも時間がかかるが、笠が岳方面に進む方はほとんどいない。
 鏡平へ下る道と別れ緩やかに登ると広く平らな弓折岳に出る。弓折岳を通過、大ノマ岳との鞍部を目指し段差の少ない梯子を降り急な斜面をジグザグに下って大ノマ乗越しに着くが大ノマ岳にすぐ登り返す。
 休憩を取りたいのだが、虫が多くとても立ち止まれない。
 急坂を登り終えたら大ノマ岳山頂は通らず 直下を巻いて進む。細かいアップダウンを繰り返しながら稜線を進むと、スラブ状の岩場がありハイマツが茂った稜線上の道は左側がすっぱり切れ落ち、高度感あふれる稜線歩きの連続となる。やがてハイマツのなだらかな稜線になり秩父平に出る。
     
カール地形の秩父平
 秩父平はカール地形で残雪もあり、思わず黒部五郎カールを思い出す。ここで小休止、これから稜線までの急登に備える。
 お花畑を見ながら大岩が点在するカールをジグザグに登り、稜線直下の岩場を超えていく。
 ハイマツの道をなだらかに登っていくと稜線の先に笠ヶ岳が見える。抜戸岳山頂より先は気持ちの良い緩やかな稜線歩き。出発時は晴天だが高曇りの空になってきており 暑くなく快適に歩を進める。
     
今山行最後の急登
 笠新道分岐を過ぎ抜戸岩の間を通って稜線を進むと笠ヶ岳が一段と大きく高く見える。
 今山行の最後の急登がはじまる。
 テン場までジグザグに登り、丁寧に積まれた石段を登り笠ヶ岳山荘に出る。
 山荘前を通り石屑の道を登り祠がある山頂部へ到着。とても静かな山頂で大休止、展望を心ゆくまで満喫した。
笠ヶ岳山頂
 しかし槍穂高連峰の上にはレンズ雲があり、いよいよ晴天続きだった天気も崩れる兆候があり、山頂を後にする。
笠新道分岐より笠ヶ岳を望む
 笠新道分岐まで戻り標高差1600強の下りに取り掛かる。
 下り始めはザレたガラ場の急な下りで緊張するが細かく丁寧に足を下ろしていく。
槍穂高連峰
 カールの中を緩やかに下り杓子平に到着、いよいよ笠が岳とお別れである。
 後はひたすら下り続けるだけ、途中立山から縦走してきた女性と一緒に下ることになった。無事笠新道を下り終え、せっかくなのでわさび平小屋のオレンジを買い、それではまた山で、と挨拶をし別れ新穂高温泉駐車場を目指す。
 行きは長く感じた林道歩きも山行を振り返りながら歩いているといつの間にか登山センターに到着。下山届けを提出し駐車場へ。平湯の森に移動し汗を流す。(車中泊)
 8月13日
 
 車の屋根をたたく雨音で目を覚ます。やはり天気は下り坂だ。のんびり山口に帰る事にする。
 飛騨市の温泉に立ち寄り昼過ぎまでゆっくり過ごし、立山まで足を伸ばし、雄山神社に参拝し、夕方から帰郷の途についた。翌日朝、自宅着。
 感想:
 
 連日晴天の中、黒部源流部の山々に囲まれて過ごした3日間は正に夢のような別世界であった。
 これからも自分の身の丈にあった登山を心掛けていきたい。
( 文・写真 : 井之上 )
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