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三段峡本流下部竜の口(太田川水系)
山行日  平成27年8月8日(土)
天 候  晴れ
メンバー  内田、鹿野(会員外)、山田(会員外)
行 程  山口~山口IC~戸河内IC~三段峡駐車場(6:50)~入渓(6:55)~竜の口(7:05)~
一旦撤退~竜の口(11:20)~ぐるの瀬(12:20)~ぐるの瀬上部の滝~引返す(12:50)~
三段峡駐車場(13:45)~戸河内IC~山口IC~山口
 連日、猛暑が続き、一週間以上も雨が降っていない。どこの沢も水量が少ないはず。激流の沢を突破するには、まさに絶好のチャンスだ。
 去年、まるで歯が立たなかった竜の口に再びトライするため、三段峡の地に立った。
 駐車場で準備をし、三段峡入口の橋を渡ってから入渓。
 去年の印象と比べるとやはり水量が少ない気がする。いきなりの泳ぎで身が引き締まり、モチベーションも高まる中、河原に立ちゴルジュ奥の竜の口と対面。今回こそは突破したいものだ。
ゴルジュ奥の竜の口
 まずはゴルジュを泳いで竜の口に近づいていく。
 多少の流れはあるものの、竜の口手前の左岸スラブまでは特に問題なし。さらに、前回は水流が強くて無理だったが、今回はこのスラブに乗り込むことができた。

 スラブを前に進めるだけ進んでから、流れに飛び込むが、水流に押し戻されて前に進めない。
 何度かトライするうちに、水中に立ち込めそうな岩があることが判明。水流に耐えながら岩に立ちこみ、何とか左岸のクラックにカムをセット。ようやく竜の口の攻略拠点を築くことに成功した。
この位置に立ち込める岩がある
 しかし、ここからが分からない。
 カムをセットした場所から先、左岸側はツルツルの垂壁沿いが激流の通り道となっており、とても前には進めない。
 右岸側も左岸側ほどでないとは言え、乏しいホールドでは水流に逆らって身体を支えきれず、押し流されてしまう。
 鹿野と内田で何度もトライするが、体力ばかり消耗し可能性が見いだせないため、撤退することに。ここまでで2時間近くが経過していた。
右岸側も流れが速く、留まっていられない
 全員で河原まで撤退し、とりあえず疲れ切った身体に食べ物を補給する。
 すると、突然、体力を温存していた山田が竜の口に向かい、単身でトライ開始。それを唖然として見ていた鹿野も再びモチベーションが高まり、山田に合流する。
再チャレンジする山田
 身体が芯まで冷え切り、気持ちが切れてしまった内田は、しばらく二人の奮闘を眺めていたが、どうも様子がおかしい。ロープを結びつけたハンマー投げを試していたところ、竜の口の手前にハンマーが引っ掛かり、回収できなくなったようなのだ。
ハンマー投げをする鹿野
 さらにしばらく様子を見るが、状況は変わらない。
 ハンマーを回収しなければ、帰れそうにないので、仕方なく内田も再び竜の口へ向かう。水中のハンマーを回収するには、潜水する必要があるため、浮力のある装備は河原に置いておいた。
 カムをセットした場所から、覚悟を決めてロープを辿り、竜の口直下の水中へ。
 川底近くの岩に挟まったハンマーが見える。無我夢中だったが、何とか2回のトライでハンマーを回収することができた。ゴーグルがなければまず不可能だった。
     
ハンマー回収のため激流の中へ
     
ハンマーを投げる内田
 そして、そのままハンマーを投げることに。
 ここまでくれば誰も撤退することは考えていない。何度、ハンマーを投げたか分からないが、竜の口左側の岩の向こうに投げたハンマーが決まり、ようやく突破口が開いた。
 一旦、河原に置いておいた荷物を取りに戻り、後は、かかったロープを手繰って、竜の口を抜けるだけ。
 相変わらず激流は身体を押し戻そうとするが、ロープを握って離さない。何とか無事に竜の口の落口の左側に立つことができた。三人で硬い握手を交わす。
     
竜の口を越える
 竜の口の上にも水流の激しい滝があるが、左岸の岩を簡単に越えることができる。
 残りの行程は去年遡行済みなので、すぐに出渓しても良かったが、ぐるの瀬まで行ってみることにした。
 ぐるの瀬では今回も流され、いつ来ても楽しめる。その上部の滝も左岸沿いのカチホールドで水流を耐えながら進むのが面白い。
 良い時間となったので、ここで遡行終了。
 帰りは流れに身を任せて下ることにする。あれだけ苦労した竜の口もあっという間。ライフジャケットを着けているので、快適に入渓地点まで戻ることができた。
     
ぐるの瀬上部の滝もなかなか難しい
 距離にすればわずかであるが、念願の竜の口が突破できたことは素直にうれしい。
 やはり天候に恵まれ、水量が少なかったことが大きいのだと思う。
 それにしても、「西中国山地の沢」著者の三浦さんは10回トライして4回突破に成功したとのこと。その気力体力には脱帽するばかりである。
( 文:内田、写真:内田・鹿野 )
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