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境谷(市間山 太田川水系)
山行日  平成27年7月4日(土)
天 候  曇り
メンバー  内田、鹿野(会員外)
行 程  山口~山口IC~戸河内IC~立岩ダム駐車場所(6:35)~ダム堰堤~境谷橋入渓(6:45)~
F1(6:50)~F5(7:00)~F8(7:35)~F11(8:50)~尾根上鞍部(9:45)~
主稜線縦走路(10:00)~市間山(10:05)~小休憩~鞍部~クラ谷下降(10:40)~
林道(12:05)~清水橋~押ヶ峠集落(12:50)~立岩ダム駐車場所(13:00)~戸河内IC~
山口IC~山口
 今回は、前から目をつけていた境谷へ。市間山から立岩ダムの右岸に流れ込む沢だ。以前、山岳会「やまびこ」の記録を見て以来、一度行ってみたいと思っていた。季節も7月に入ったので、そろそろ気温・水温が上がることを祈りつつ、立岩ダムへ向かった。
 ダムの駐車スペースに車を停めて出発。我々の外に広島ナンバーの車が1台停まっていた。
 ダムの堰堤を通って右岸に渡ると、5分ほどで目印の境谷橋が現れた。橋の袂から入渓して遡行開始。
境谷橋
 身体が温まらないまま、すぐにF1と出会う。三条の滝となっており、やはり水量は多そうだ。
 左側の勢いのある水流に沿って登るが、水が冷たい。震えながらF1を越えると、そこに釣り師の姿が。お互いこんなところで人と出会ったことにびっくり。先ほどの広島ナンバーの車の人だった。挨拶をして先を急ぐ。
F1三条の滝
 F1の後も、薄暗いゴルジュの中で滝が連続する。
 F5は水量が多い上、抜け口の様子が分からず、念のためロープを出した。その後、ゴーロを歩くとすぐに二股となるのを左に進むと、多段の滝のその奥に迫力のある滝が現れた。F7三段の滝の奥の滝12mF8だ。
F7三段の滝
 F8の前に立つと、滝からの飛沫と風圧で圧倒される。
 滝の左から取付けば、途中までは登れそうだが、上部で水流に入らなければならない。この水量では身体が簡単に弾かれてしまうだろう。
 F8の登攀はとても無理だと思ったが、じっくり滝を観察していた鹿野が右から登れそうだと言う。無理はしないと打ち合わせて、いざ登攀開始。
F8を登攀する鹿野
 鹿野がするする右から取付くと、マイクロカムを使って器用に登っていく。途中、全く効いていない残置ハーケンを打ち直し、さらにハーケンを一本打ち足して、落ち口の右へ抜けていった。内田がフォローで続くが、持つとぐらぐらする岩があるので、かなり怖い。慎重にホールドを確認しながら、何とか越える。F8だけでなく、全体的にこの沢は岩が脆い印象を受けた。
 F8を越えるとすぐにF9とF10が連続する。F9は簡単そうに見えたが、つるつるの滑り台のような形状でホールドが乏しい。突っ張って取付いた後、結局、水流の左側を登った。
なかなか難しかったF9
 下から見ると四段の滝F10も迫力がある。一段目から四段目まで合わせると30m以上はあるのではないだろうか。
 三段目までは斜滝なので難しくはないが、下手をすれば一番下まで落ちかねないため、慎重に進む。
 四段目は傾斜がある上、逆層となっているため、右岸を小さく巻いた。ここでも岩がはがれ落ちた。
四段F10
 F10の上で分岐となったのを、ここも左へ進むとすぐにF11が現れる。
 水量も多く、高さがあるので、念のためロープを出したが、水流の右を登ればスタンス・ホールドが豊富で難しくはない。ただし、なかなか支点はとれないので注意が必要。
     
F11
 その後、F12、F13と小滝を越えたところで再び二股となった。
 ここも左へ。まもなく源流域だが、最後までFが楽しめる。
 いよいよ水流が消えた後、笹藪となってから15分ほどで尾根の鞍部に出た。
 コンパスで尾根の向きを確認すると、主稜線縦走路から西に延びる尾根上にいると思われる。東に向かってさらに尾根を登ると、ようやく主稜線の縦走路に出ることができた。水流がなくなってから主稜線までの急坂がきつかった。
     
最後のF15花崗岩のフェース
 市間山まで歩いてから休憩。
 行動食をとった後、なんとなく獣の気配がしたため、そそくさと下山開始。登ってきたばかりの尾根を鞍部まで戻り、そこから北側のクラ谷へ向かって降りていく。両側から崩れた岩が流れ込むガレ沢で、歩きにくい。
 クラ谷にもいくつか大きな滝があったが、中には30mロープ1回の懸垂では下降できないFがあった。
 所々で伏流となる沢を下ると、最後はゴーロとなり、道路に出た。その後は道路沿いに清水橋を渡り、途中、道を見失いながらも押ヶ峠の集落を通り、無事、駐車場所に戻ることができた。
     
行程図(立岩ダムから反時計回り)
 後で調べたところ、当日の最高気温は最寄りの加計(標高210m)で21.9度。
 早朝の入渓当初から冷たかったが、標高を上げるにつれて、さらに水温は下がっていった。もう少し暑くなれば、境谷は連続してシャワークライミングを楽しめる素晴らしい沢だと思う。
 
( 文・写真:内田 )
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