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日向神弁財天岩東稜・ハナタテ岩(福岡県八女市)
山行日  2015年5月24日(日)
天 候  晴れ
メンバー  松並、内田
行程  宇部5:30~奥日向神キャンプ場8:30~東稜取付き・登攀開始9:00~登攀終了11:00
~奥日向神キャンプ場12:00~ハナタテ岩取付き・登攀開始12:40~登攀終了13:40
~奥日向神駐車場14:30
 日向神の岩は素晴らしい。
 壮大な巨岩・奇岩に囲まれて、高みを目指すマルチピッチに魅せられ、再び日向神にやって来た。
 今回の目標は、弁財天岩東稜とハナタテ岩。心配していた天気にも恵まれて、クライミング日和となりそうだ。
 いつものように宇部から高速経由で日向神へ。今回も一番乗りで奥日向神キャンプ場に到着した。
 登攀準備をしてから、まずは東稜の取付きへ向かう。トンネル手前から右に入り、パーキングエリアに向かって登っていくが、途中、木の板を渡ってから上に行かず、そのまま尾根を右に回り込んだところが取付きだ。
 前回は取付きが分からなかったが、今回は無事にたどり着くことができた。
対岸から見た東稜
  取付きは短いスラブ。左の壁には何故か人工のホールドが付けられている。
 ロープは出さないが、念のためクライミングシューズに履き替え、慎重に進む。松並はアプローチシューズのまま難なく越えていた。
取付きのスラブ
  最初は5m程のディエードルで、ここからロープを使用。
 内田がトップでいく。ルート沿いにボルトが連打してあるため、アブミを使えば難しくはないが、上まで登った後、右にブッシュへ入るところで良いホールドがないため、身体をズリズリさせて上がり込む。上がったところから、さらにスラブが続くので、その前でピッチを切った。
ディエードルではアブミを使用した
 すっきりとしたスラブが続く。松並が順調にロープ一杯まで延ばす。
 下から見ると稜線上は怖そうだが、思ったよりも幅があり、快適に登れる。
スラブを進む松並
思ったより幅広なスラブ
 その後はコンテでブッシュの中を進む。
 痩せ尾根の両側は切れ落ちているが、ブッシュのおかげでそれほど怖くない。途中、3m程の壁があり、慎重に越えた。

 いよいよ尾根は細くなり、上に向かってリッジを登る。
 高度感がある上、浮石が多く、ホールド・スタンスを確かめながら登るため、緊張を強いられた。尾根の両側下部にクライミングエリアがあるため、落石しないよう気を遣う。
 思いのほかボルトが少ないと感じたが、左側のハーケンを見落としていたようだ。
ナイフリッジを登る
 東稜ピークで松並と握手。その後、懸垂下降で4~5m降りて、目の前の岩を右から乗り越すと、下降用のボルトが整備されていた。
 50mロープを2本つないで、1回の懸垂下降でサンセットエリアの上に降りることができる。後は沢沿いの道を下るだけ。12時前には駐車場に戻ることができた。
 駐車場で軽くお昼を食べた後、次はハナタテ岩を目指す。
 道端エリアを過ぎて、対岸に立派なスラブが見えたところから渡渉。目の前がハナタテ岩のスラブ下部だ。
 今回は下部をパスして上部を登る予定。スラブ下部の横の赤テープを目印に雑木林の急な斜面を上がっていく。
 天気が良いので気温も高く、20分ほど汗だくになって登ると、スラブの上部に出た。
     
対岸から見たハナタテ岩
 しかしながら、さすが人気のルート、既に先客が2グループ取付いている。
 カンテ状スラブルートに1グループとカンテ左側のルンゼに1グループ。
 カンテ左側のルンゼを登った記録は見たことがなかったので驚いたが、確かにボルトが打ってあるのを確認でき、不思議なことにルンゼの左寄りにはトラロープまでぶら下がっていた。

 カンテ状スラブルートのすぐ左にはピカピカのボルトが打ってあり、話によれば終了点も整備されているとのこと。後で確認すると、開拓中のプロジェクトがそれらしい。
 順番を待つよりも、この新しいルートを登ることにする。難しそうなので松並がリード。1ピン目までが結構遠くバランスが悪そう。2ピン目までは慎重に進んでいたが、その後はすごい勢いでロープを伸ばしていく。あっという間に1ピッチ目の終了点へ。
     
青空に向けてロープを伸ばす
 内田がフォローするが、やはり最初が怖い。
 しかし、できれば2ピッチ目はカンテ状スラブルートに合流したいので、時間をかけないようA0で急ぐ。
 1ピッチ目の終了点に到着し、そこからカンテ状スラブルートを登って良いかと先行グループに尋ねたところ、快く先を譲っていただけた。先行グループを待たせては申し訳ないとの思いから気持ちが焦り、内田がビレイの準備に手間取ってしまうが、2ピッチ目も松並がスルスルと登る。続く内田も、素晴らしい景色の中、気持ちの良いクライミングが楽しむことができた。
     
2ピッチ目をフォローする内田
 下りはハナタテ岩の山頂から歩いて降りるルートもあるとのことだが、手っ取り早く50mを2本つないだ懸垂2回で上部の取付きまで降りることができた。
 先に登らせていただいた地元のグループの方に感謝したい。
 東稜は人工ありブッシュありと、いかにもアルパインの雰囲気を味わうことができた。
 基本的に支点は古いものが多く、とりわけ最後のリッジでは、アルパインは気持ちが大事なのだと改めて感じた。一方、ハナタテ岩は、今回登ったのは上部のみだが、快適なスラブを青空に向かって上がっていくのが本当に気持ち良かった。
 また必ずや、この素晴らしい岩々に会いに来たい。
( 文:内田、写真:松並・内田 )
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