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春山合宿(傾山・祖母山縦走)(後半)
山行日  2015年5月3日
山 域  祖母傾山系(大分県・宮崎県)
天 候  5月3日(雨のち曇り)
メンバー  石井CL、江本SL、井之上、浅原
ルート  本谷山~尾平越~古祖母山~障子岳~祖母山~九合目小屋~宮原~尾平
行程  3日:起床・朝食(3:45)~本谷山発(5:00)~ブナ広場(6:30)~古祖母山(8:30)~
障子岳(9:50)~祖母山(11:45)~九合目小屋(12:00)~宮原(13:00)~
尾平(14:40-16:20)~米良IC~大分自動車道~東九州自動車道~九州自動車道~
山陽自動車道~宇部IC
 登山開始前の天気予報では2日目から天気は下り坂とのことであり、当初の予定を変更し、主要な3座を踏んで下山を急ぐことにした。
 晴れれば見応えのある縦走路を歩くため、心の何処かで絶景を期待しつつ前へと進んだ。
 3日未明、テントの外から風の音がするもまだ雨は降っていないようであった。気温も思ったよりは高い。
 朝食をすませると急いで撤収し、水場のあるブナ広場目指して先を目指す。夜が明けても見通しが悪く、空は厚い雲で覆われており、もはや雨が降り始めるのは時間の問題であった。
 ブナ広場までは下りのみであり、なおかつ荷物の量が減ったこともありあっという間に到着する。
 辺りは鹿の害によるものか荒れ果てており、殺風景であった。水場はブナ広場から鹿避けのゲートを抜けて下った先にあった。
 昨日の水場とは違い勢い良く流れでており、少々のことでは枯れる心配もないほどの水量であった。
 ブナ広場は比較的平坦で水の心配もなく、幕営にはもってこいの場所であり、通過時も数パーティがテントを張っていた。
ブナ広場
  ブナ広場を抜けると尾平越を経て古祖母山を目指す。縦走路も上り基調となるが前日のような急登はなく、だらだらとした上りが続く。この辺りから雨がぱらつき始める。
 途中数パーティと出会うが、いずれも小屋泊なのか荷物は比較的軽装であった。
 古祖母山までは梯子や岩登りがあったが、特に問題もなく古祖母山山頂にたどり着く。
 山頂には小学校の登頂記念碑が何本も立っており、多くの小学生達がこの頂を踏んで自分達は見渡せなかった絶景に心ときめかせている光景を思い描いた。
慎重に梯子を登る
  古祖母山山頂を下山後また似たような上りが続く。
 濡れたスラブの上りでは若干の緊張感が走るも、あっけなく登り終える。
 障子岳山頂付近では鹿避けのゲートが張り巡らされており、希少植物の保護のためだという看板が設置されていた。
雨中を歩く
 障子からの下山道は道が所々えぐれており、周囲の木の枝に捕まるなどして慎重に下りていった。依然として雨は降り続くも風は強くはなくほぼコースタイム通りの時間で進むことができた。
 途中何箇所も展望台を示す看板があったが、生憎の雨で展望は期待できないためそのまま通過する。
 登り基調に代わり樹林帯を抜けると、それまでの穏やかな縦走路から一変し岩登りやはしごを使っての登りとなる。
岩場
 祖母山山頂付近では強風が吹き荒れるため慎重を要し、一人ずつ長い梯子を登っていく。
 上を見上げると靄が立ち込め、その先にうっすらと山頂が姿を現す。
 途中岩のくぼみで休憩中の登山者と出会う。今日はちょうど山頂で山開きが行われており、他にも数パーティとすれ違った。
梯子の登りを繰り返す
靄のかかった祖母山山頂
 祖母山山頂では雨と強風にも関わらず大勢の登山者たちで賑わっており、山頂に着くや山開きの記念手ぬぐいが渡された。
 展望は全くきかなかったがこうして他の登山者達に登頂を祝ってもらえ、普段とはまた違った達成感を得ることができた。
 その後山頂で記念写真を撮った後、足早に九合目小屋に向かった。
     
祖母山山頂の祠
 九合目小屋にも大勢の登山者たちで賑わっており、小屋の中は登山者たちで溢れかえり、腰を下ろすこともできなかった。
 このような悪天候の中でも大勢の登山者で賑わうほど、祖母山は多くの登山者達に愛されているのだと改めて実感した。小屋の軒下で小休憩し地図で下山ルートを再確認後、九合目小屋を後にした。

 九合目小屋から宮原の分岐までは馬ノ背、前ノ背の岩場や急勾配が続き若干渋滞気味であったが、分岐を尾平方面に曲がると登山者をほとんど見かけなくなった。
 そのまま急勾配を下り、沢の音が聞こえ始める頃には雨も止み清々しい気持ちで登山道を下りた。
 吊り橋を渡りバス停にたどり着く。バスの時刻表を見るとコミュニティーバスが数時間に一本の割合で出ていたが、次の便までまだかなり時間があった。
 背負っていた荷物を下ろすとまだ体力に余裕があったため、ジョギングで健男神社に止めていた車の回収に向かった。
 少し進んだところで、後ろから走ってきた車に呼び止められた。乗っていた高齢夫婦に車を回収することを伝えると同乗させていただけた。
 彼らは元久留米山岳会の方々で、今回は日帰り登山に来られていたとのこと。昔この方たちも車を回収する際に他の登山者に車に乗せていただいたことがあるそうで、次回同じような登山者を見かけたらぜひ拾ってあげてほしいと言われた。

 健男神社で車を回収後、また来た道を引き返し、バス停で待っている仲間たちと合流した。
 帰りは米良ICから大分市までは何の問題なく進めたが、電光掲示板で濃霧のため別府ICより先が通行止めとなり下道で帰らざるを得なくなった。
 ゴールデンウイーク真最中ということもあり渋滞にあうなど予定よりも時間をかけての帰宅となったが、濃密な時間を過ごした九州屈指の縦走路にじっくりと思いを馳せながら帰路につくことができた。
     
トラック図「傾山―祖母山縦走150502」
     
断面図
( 文:浅原 / 写真:江本、井之上、浅原 / トラック図:江本 )
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