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晩秋の立岩山~市間山を訪ねて
山行日  2014年11月15日(金)
天 候  晴れ
メンバー  斉藤(宗) 斉藤(滋) 三浦(比) 会員外(Fm・Ks・My)
行 程  宇部東IC(6:30)~ 吉和IC(8:25)~ Fmさんと合流 ~ 坂原登山口(8:45-8:55)
~ 立岩山(11:40-11:55)~ 昼食タイム(12:10-12:45)
~ 市間山(13:35-13:45)~ 登山口(14:25)~ 林道に合流(14:35)
~ R186合流地点(15:55-16:05)~ 坂原登山口(16:20)~ 宇部東IC(18:20)
 内 容
  富山に転勤されて以来、山行を共に出来なかったFmさんと立岩山、市間山に出かけることになった。
 Fmさんから登山講習会の講師として立岩山、市間山に行ったとメールを頂いたので「久しぶりに歩いてみたい」と返事したところ「今週行きましょう」の早速のお誘い。ワクワクしながら約束の朝を迎える。
  Fmさんと吉和インター近くのコンビニで合流し、立岩山の登山口近くの路肩(R186)に駐車し出発する。
 無人野菜市場の前からタテイワ谷沿いの山道に入る。
 FmさんとMは比呂子さんのご主人(西中国山地の沢の著者 三浦章さん)とこの沢を遡行したことがあるようで懐かしそうに思い出話をしている。それにしても暗くて深いこの沢、季節柄寒そー。
名残りの紅葉に迎えられる
 前回(と言っても約10前)市間山から縦走した時は紅葉真っ盛りであったが今は晩秋、落葉した地味な木立の間に残る紅葉の名残りが慰めだ。
 1週間前歩いたばかりなのに「今度は立岩山側から登って見たいです」の私の願いをすんなり叶えてくださったFmさん2週続けて同じ山で申し訳ない。
立岩分岐に到着
 沢を離れ尾根を登り明るい主尾根に飛び出る。立派な標識によるとここは立岩分岐で、左(西)方向10分で日の平山、右(東)方向50分で立岩山とある。
 自宅パソコンから印刷した国土地理院の地図はどうも誤っているようで、日の平山が立岩山と表記されている。僅か10分の行程らしいが、日の平山は割愛して立岩山に向かう。数日前に降った雪が落ち葉の縦走路に薄っすらと残っている。
立岩山々頂はもう近い
 賑やかな人声が聞こえる。立岩山に着いたようだ。休日でもないのにツァー登山?
 10年前は自分達以外人影も無い寂しい山頂だったと記憶しているのだが。写真を撮るのも一苦労、360度の展望が広がっていても景色だけとはいかない(美男、美女が入ってしまう)どうやらこの団体は私達とは逆コースから来て坂原に下るようだ。「車のキー交換しましょうか?」と冗談も飛んで来る。
立岩山からの展望
 狭い山頂を後にして市間山に向かう。昼時なので明るい縦走路に腰を下ろしお弁当タイムを取る。
 それにしても何という変わりようだろう。まるで別の山のようだ。しっかりと刈り払われた登山道の周りは疎らな笹原、10年前のあの青々とした腰までの密な笹原はどうなったのだろう?
 こうして腰を下ろせそうな場所など無かったと記憶しているのだが。所によっては胸までの笹原を微かな踏み跡を見逃さないよう慎重にドキドキしながら歩いたのに。当時の様子を知らないメンバーに上手く伝えられないのがもどかしい。
     
市間山への縦走路
 1週間前の登山講習会ではFmさん達は、市間山への中間地点からショートして尾根伝いに下ったそうだ(藪漕ぎで最後は急な法面だったとのこと)また知人のKyさんも同じ尾根に入り途中から違う尾根を下っておられる(トラック図入りの地図と周辺の詳しい情報ををメールで頂いた)
 藪を漕ぐ体力も衰えて偉そうなことは言えないが、立派な登山道を歩くより地図とコンパスを駆使してワクワク、ドキドキ進めばもっと楽しいことだろう。
     
トラック図 立岩山~市間山の足跡  緑色(Fmさん) 紫色(Kyさん) 青色(前回の私達)
 Fmさん、Kyさんがそれぞれ下った藪漕ぎルートの取りつきはどの辺りだろう? そんなことを考えながら縦走路を市間山へと向かう。
 登山道に並ぶブナをメンバーが見上げている。幹に刻まれた熊の爪痕、点であったり線であったり、ブナの実を求めて登って行く熊の姿が思い浮かぶ。熊棚の痕跡も見つかりまさに生息圏内にいると実感する。賑やかな団体にお出ましは無いだろうが。 

 市間山に到着し一息入れる。後は林道までの下りと長い歩きが待っている。
 10年前ははっきりとした登山口は無く、地図を見ながら牛首峠の手前の尾根に取りついてハチガ谷の頭へと登ったが、近年このルートは廃道になったのか田吹集落寄りの作業道からの新しいルートがメインになっているらしい。が、ここは帰りの歩きを少しでも短縮するため旧ルートをたどることにしよう。
市間山の山頂は静か
 後は下るだけ気が緩んでしまう。そろそろ西寄りに方向転換するはずだが・・・読図山行の大先輩Fmさんもおられるし、久々の顏合わせに話は尽きない。分岐らしくは見当たらずズルズルと登山道を下る。(多少の不安はあるが、お喋りで読図は殆んど上の空)あれ!?こんな急な下りってあったかな? Fmさんはこのルートは初めてなのでMに訊いてみる。「あった」とMもKsさんもドンドン下って行く。私も確固たる自信が無くドンドン付いて行く。
 
 かなり下ってみんなで気づく! 目的の尾根が右手に見えている! 完全に藪化したのか分岐点通過に全く気付いていない。今更登り返しはしんどい。少し遠回りになるがこのまま新ルートで帰るとしよう。30分のロスタイム、お喋りが読図の楽しさを上回ったようだ。
長い林道歩き
 長い林道歩きが続く。楽しみとしてはKyさんが林道に下り立った地点(階段)を見つけること。疲れながらも目だけはキョロキョロ。あった! 一瞬疲れが吹っ飛ぶ。他のメンバーはお喋りに夢中? 気づいたのは私だけだった。(1人遅れていてお喋りの相手がいなかったせいか・・・)

 R186合流点に辿り着き、カロリー補給で少し元気が出る。さぁ駐車地の坂原までどの位かかるかな?と思ったその時、1台のワゴン車が目の前で急停止!「運転手さんだけ乗って行かれませんか」「??・・・」思い出した!
 立岩山で出会った一行のガイドさんだ。参加者を送っての帰り道なので遠慮はいらないとのこと。一度は辞退したがご厚意に甘えさせていただく。最後まで歩き通せなかった無念さより安堵感の方が大きい。(最後尾を必死に歩いた身には)今日も温かい人に出会えた。
約10年前の縦走路
 久しぶりに登った立岩山と市間山、情報通り立派な登山道が出来ていた。これからは気軽に出かけられそうだ。だが我儘な私はあの時のような緊張感漂う縦走路をもう一度歩いてみたいと思う。熊には出会いたくないが、青々とした笹原が被う静かなブナ林・・・想い出の中の縦走路しか歩けない。
( 文・斉藤(滋)   写真・斉藤(宗) 斉藤(滋) )
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