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日向神中央稜
山行日  2014年10月11日(土)
メンバー  高田、藤崎
行 程  3:30宇部発~(浮羽市経由)8:00奥日向神キャンプ場着~9:10取り付き~
12:00最終ピッチ終了~13:30駐車場15:00~20:40宇部着
  10月の3連休を利用して宮崎の岩場への遠征を試みたが、台風19号の接近により急遽日帰りで福岡の岩場「日向神」へと行先を変更した。
 日向神は福岡近郊の岩場としては最大級の規模である。
 ここでは、これまで人工登攀のルートを中心に登ってきたが、今回は正面壁の川を挟んで反対側、蹴洞岩と弁財天岩の中央にあるリッジの「中央稜」を対象とした。
中央に見えるリッジが中央稜
 元々は人工登攀のルートであったものを清掃、リボルトした5ピッチのフリールートで、最高グレードは5.11cである。
 本来なら、我々にそのようなグレードが登れるはずもないのだが、もともとは人工のルートであり、支点はそこここにある「らしい」。
 このような不確かな情報を頼りに、駐車場一番乗りの我々は意気揚々と取り付きへ。
 数多くのフリールートが開かれている弁財天岩の「サンセットエリア」へのアプローチを辿り、さらに最上部エリアからガレた谷を越えた顕著なリッジが取り付き点だ。
取り付きは明瞭
 まずは高田が先発。
 1ピッチ(5.8)25m、2ピッチ(5.9)20mを通しでいくこととする。
 ブッシュを綺麗に掃除してあるリッジの末端から直上していく。出だしなので慎重にペツル、リングボルトを問わず、とれる支点にはすべてクリップしていく。
 1ピッチの終了点でギアも残り少なくなってきたので一旦ピッチを切る。

 2ピッチ目は藤崎。
 このピッチからはいよいよ岩稜をたどる雰囲気が出てくる。フォローの時にはあまり気にならなかったが、岩質は柔らかく古いリングボルトはあまり信用できない。とりあえずクリップはするが気休めにしかならない。
 やさしいピッチのはずだが、1点だけA0とした。残念。
2ピッチ目に進む
 3ピッチ目(5.10c)15m。
 2ピッチ目からは左右が切れ落ちた細いカンテのルート。
 職場でも「安全第一」を叩きこまれている我々サラリーマン・クライマーは、ここからは遠慮なくA0で行こうと決意する。
 高田はアブミを使い慎重に登っていく。東陵では3人☓2パーティーが楽しそうに登攀する姿が見える。フォローの藤崎は一応フリーで挑むが、フィフィの助けも借りながらA0でスピードアップ。
東陵を登攀中の別パーティー
 4ピッチ目(5.11a)20m。
 こうなると、ある支点はすべて活用。新しく打たれたボルトの間に点在するRCCやリング、ハーケンに至るまで、ヌンチャクを掛け替えながら、フィフィでレストしつつ前進する。
 右に大きくハングを回りこむが、足元は切れ落ちて緊張感いっぱい。ここからは左に右に巧みに弱点をつきながらクリアしていく。
 途中蜂に刺されるアクシデントはあるが、そんなことに構っていられない。蚊に食われたぐらいにしか感じない。このピッチ、A0はいいが、ロープの流れを意識しないと後で泣きをみるかも。
4ピッチ目を快調にフォローする高田
 5ピッチ目(5.10b)20m。
 どうということはないが、前のピッチで力を使い果たしたためか、緊張感が低下したためか、ここも簡単にA0に流れる。山頂直下の台地で終了。
 下降はまっすぐブッシュ帯を抜け、左のリッジを慎重にトラバース、下降した先にある大きな立木(下降点がセット済み)から50mの懸垂下降1回でサンセットエリアの上部へ。ここからは歩いて下降、15分程度で駐車場へ戻る。

 ここで気になったのが、前回敗退した「スピンネ・フリーライン」。
 とりあえず次回のために取り付きの偵察へ向かう。正面壁下部を東へと進むとスピンネの取り付きらしき場所にクライマーの姿を発見。
 お話を伺うと福岡労山のアルパインクラブ「MOVE」(http://outdoor.geocities.jp/movealpine/)の会長さんで、宇部から来たと伝えると三浦さんの思い出話を懐かしそうに語られた。
スピンネ・フリーラインの取り付きから
 今回、宮崎で三浦さんを偲ぶ山行の中断を余儀なくされた我々にとって、ここでこうして三浦さんとご縁のある方にお会いできたことに単なる偶然ではないものを感じることができ、正直うれしくてたまらなかった。
 会長さんからは、日向神のルートについてもいろいろと話を伺うことができ、次回へのモチベーションも高まった。行きましょう「安全第一」で!
( 文 : 藤崎  写真 : 高田、藤崎 )
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