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大山甲川遡行
ルート  甲川(鳥取県大山山系)
遡行日  2014年9月6日(土)
天 候  晴れ後、雨
メンバー  内田、鹿野(会員外)、稲垣(会員外)
行 程  一息坂峠駐車場4:55~鶯橋5:25~入渓5:55~天王滝6:35~下ノ廊下終了7:55~
中ノ滝8:20~冑滝8:40~中ノ滝終了9:00~中ノ廊下入口9:20~中ノ廊下終了9:35~
上ノ廊下入口9:55~堰堤12:05~林道13:15~一息坂峠駐車場14:10
 この夏は、なかなか天気に恵まれなかったが、ようやく甲川を遡行することができた。
 甲川は深いゴルジュが続くため、天気予報には注意していた。1週間前の予報では好天が見込めそうであったが、次第に雲行きが怪しくなり、2日前には43.5mmの降水がある。
 しかし、何とか当日は天気が保ちそうなため、計画通り遡行することとなった。
 一息坂峠の駐車場から小走りで移動し、鶯橋から入渓。間もなく第一の滝と出会う。
 大きな岩の右側にロープが残置されているので、簡単に巻けそうだが、鹿野が泳いで突破。残る二人が続くが、思った以上に滝の水流が強く、ザックが上がらない。鹿野の出したスリングを掴んで乗り越す。
 すぐに、いずれも立派な釜を有する三連の滝が続く。一つ目の滝はステップが刻まれた流木が右岸のスラブに立てかけてあり、容易に越えることができる。
 二つ目は2条の滝であるが、立っている場所から右の滝はよく見えない。ここも左岸に残置ロープがあるので、巻けば簡単そうだが、トップの鹿野は右岸から泳ぐ。滝を横切って左岸に取りつき、滝のすぐ横を上がっていった。
 ロープをたどって後に続くが、滝の右側を上がるのが難しい。必死になってホールドを掴み、激しい水流の中に左足を踏ん張り、ぎりぎりで抜けた。
三連の滝の二つ目
 三つ目の滝は右岸のスラブを容易に越えることができた。
 その後、しばらく行くと右岸から大きな滝が落ちてくる。天王滝だ。ここからが下ノ廊下の核心となる。
 天王滝の奥の滝は、鹿野と稲垣の2人でトライ。滝のすぐ右側のくぼみまで泳ぎ、そのまま左岸をショルダーで越えようとするが、なかなか厳しそう。結局、滝を横切って右岸の岩をショルダーで乗り越した。
天王滝の奥の滝
 そのうち、奥に洞窟のような穴を持つ滝が現れた。
 内田が淵を泳いで滝に取りつき、滑り台のような滝を登る。激しい水流の中に左足を置くが、なかなか足が決まらない。じわりと慎重に体重をかけて、ようやく滝の落ち口へたどり着いた。
 記録で目にした残置スリングはなくなっていた。
水流の中に足を踏ん張る
 次の三角形の岩の両側を流れる2条の滝は、内田がトライするが、水流に押し戻され滝に取り付けない。結局、鹿野が泳いで突破し、右岸を登った。
流れに抗って泳ぐ
 その後、いくつか滝が出てくるが、それほど苦労せずに越えることができる。そのうち、ゴルジュを抜け、前方が開けてきた。下ノ廊下の終了だ。
 開けた河原をしばらく進むと、再びゴルジュの様相となり、中ノ滝が始まる。
 最初の滝は右岸の岩を巻けば簡単そうだが、泳いで滝に取付く。二手に分かれた流れの手前が登れそうに思えたが、支点がとれないため無理せず、右奥のスラブから抜けた。
 いくつかの岩を越えると、冑滝(かぶとたき)が現れる。稲垣が泳いで取付き、難なくシャワークライミング。全員が滝上に登ったとき、後ろに2人組の姿が見えたが、それ以降、見かけることはなかった。ここで中ノ滝は終了。
冑滝をシャワークライミング
 周囲が開けてきて、再び河原歩きとなる。二俣を過ぎると、左岸にテープがあった。おそらくここから林道へ出るのだろう。
 流木を過ぎると、再びゴルジュとなってくる。早速、滝が現れるが、滝の前の水中に足場となる岩があり、難しくはない。気がつけば、左岸の岩が赤色を帯び、前方には陽の光が当たる河原が見える。わずか15分ほどで中ノ廊下が終わった。
 二度目の二俣を過ぎると、ここでも左岸に林道への目印があった。しばらく進むと、再び暗いゴルジュとなる。いよいよ上ノ廊下の始まりだ。入口手前で今日初めての小休止をとり、上ノ廊下に備える。
 休憩後、左岸をへつって廊下に入る。急速に空が狭くなり、谷の底が暗くなった。これまでと比べ水温も下がったような気がする。

 すぐに第一の滝が現れた。事前の調べで何度も耳にした核心だ。
 ここはアブミでトラバースするか、泳いで激流を突破するかのどちらかだが、我々は泳ぎを選択。
 鹿野がトップで右岸側から激流を横切り、見事、一発で滝のすぐ右側に取付く。内田と稲垣がロープをたどって続き、そこで鹿野をビレイするが、滝の直登は難しく、右のスラブを巻くことにする。
 激流の飛沫が霧のようになり、周囲が白っぽい。鹿野がスラブに乗り込むためにハーケンを打ち、スリングをかけながら抜けた。残置スリングが1本あったが、体重をかけるのは躊躇されるような状態だった。
上ノ廊下の一つ目の核心
一つ目の核心を上から見る
 スラブを上がると、すぐに第二の核心が続く。
 釜に落ち込む激しい滝のすぐそばに右岸から長いスリングが何本もぶら下がっている。あれを越えていけるのかと、圧倒的な光景に思わず息をのんだ。
 ここも鹿野がトップでいく。釜を泳いでスリングに取り付くと、するすると上まで登り、スリングの付け根あたりで後続をビレイ。
 内田が続き、スリングに取り付くものの、近くで見ると、どれもボロボロで怖い。それでも行くしかないので、それら数本をまとめて握り、足をスリングにねじ込み、ハイステップで辛くも登り切った。ビレイ地点まで辿り着いたときには、かなり消耗し、腕がパンプしてしまった。
上ノ廊下の二つ目の核心
 稲垣が続いた後、ビレイ地点からクライムダウン気味にトラバースする。
 流れに落ちると滝下まで流されてしまうため、最後にフォローする稲垣が一番怖い。後から考えると、長いスリングを掴んで登るときに、振り子気味に滝の落ち口からトラバースするのが良かったのかもしれない。
 トラバースした先の滝には両岸にロープが残置されている。右岸側は水中に足場があることが分かり一安心。残置ロープを使って滝の左側から抜けた。
 次の淵の先には両岸がスラブとなった廊下が見える。淵を泳いでから、そのスラブを手足ギリギリのつっぱりで越えると、大きな釜を持った滝が現れた。しばらく観察したが、水流が激しく直登は厳しそうだったので、ここは左岸を高巻くことにした。
左岸を高巻き
 高巻きの後は右岸が階段状になった滝と出会う。各々が好きなように越えると、ゴルジュが開け、突然、堰堤が現れた。ようやく上ノ廊下の終了だ。
 まだ時間があるため、堰堤を越えたところで、大休峠まで足を延ばすかどうか検討するが、天気が崩れそうなので、予定通りここで遡行終了とする。
 大休止の後、左岸に付けられたテープと踏み跡を頼りに林道に出ると、雨が降り出した。
 帰りの林道では分岐点を右にとったが、所々で林道上に土砂が流れ込み、藪化している箇所があった。少し遠回りにはなるが、分岐を左に行った方が良かった。
 水は冷たく、厳しかったが、甲川は素晴らしかった。
 今回、低水温対策として服装には気をつけていたが、それでも上ノ廊下では身体の震えが止まらなかった。
 また、一日で下ノ廊下から上ノ廊下まで抜けることに不安もあったが、鹿野さんと稲垣さんのおかげで無事遡行することができた。タフな二人に感謝したい。
( 文:内田 ・ 写真:内田、稲垣 )
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