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羅臼岳
日 時  2014年7月3~4日
天 候   曇り後晴
メンバー  福山
行 程  7月3日(木)
(山口宇部空港~羽田空港~女満別空港~岩尾別・木下小屋)

山口宇部空港7:55~羽田空港9:50(乗換)羽田空港12:55
~女満別空港14:40~レンタカー借用15:30
~ <途中観光、夕食> ~岩尾別温泉・木下小屋20:05(入浴・泊)

7月4日(金)
(羅臼岳登山~カムイワッカ湯の滝~知床5湖~清里町)

木下小屋 4:15~オホーツク展望5:00~弥三吉水6:00~銀冷水6:30~大沢入口7:00~
大沢雪渓上部・ヒグマ遭遇7:30~8:00~羅臼平8:40
~岩清水9:00~羅臼岳9:40~羅臼平10:30~木下小屋12:20
レンタカーで、カムイワッカ湯の滝~知床5湖~知床峠~清里町
(道の駅、うとろ・シリエトク)入浴・夕食・車中泊
 内 容
 3日の日没後に岩尾別温泉の一番奥、「ホテル地の涯」の敷地右を更に通り越した奥にある木下小屋に到着した。
 しかし駐車場は5~6台分しかなく、しかも崖の下のガタガタ路面で斜め駐車の状態、反対側は川、既に5台駐車していたため、あきらめて約300m手前の「ホテル地の涯」の専用駐車場前の空地に駐車した。
 消灯(20時)後の到着になってしまったが、羽田空港から電話で予約していたので、管理人さんに灯りをつけてもらい宿泊者名簿の記載をした。
 木下小屋に宿泊したのは9人、その中に宇部市の60代男性の記載があったので偶然に驚いた。
 既に全員就寝中だったので露店風呂だけ使用させてもらって2階の空いた場所に横になった。窓は開けたままだったがシュラフを掛布団にして丁度いい気温だった。
登山口・木下小屋及び駐車場
 4日朝は、まだ暗いものの3時には全員が起床して食事など各々行動開始、私は車に残した物を取りに行くと、私の後に到着し車中泊している者がいた。
 そして前夜は気付かなかったが駐車場所のすぐ隣に清潔に管理されている登山者用トイレと携帯トイレの回収ボックスが設置されていた。
登山者用トイレと携帯トイレ回収ボックス
 簡単に朝食をすませて4時15分に登山開始した。
 宇部からの登山者は既に出発、しかも単独行で、三ツ峰テント場泊、硫黄山まで縦走の届出だった。私も同じコースで縦走したかったが、ヒグマ環境での単独テント泊が怖くあきらめたので再び驚いた。
 登山道はよく整備されており、快適に登れた。早朝だったこともあり登山者は少なく、560m岩峰などからのオホーツクの眺めも楽しみながら自分のペースで歩いて行くと、「ヒグマ出没多発区間」の看板があった。
 この辺りの木の多くは登山道方向に倒れ奇妙に曲がっている。積雪の重さに長年耐えて頑張っているのを感じた。
極楽平付近のダケカンバ
 単独行の30代半ばの青年と何度か前後し、簡単な会話を交わしていたがそのうち二人での登山になった。
 千葉県の彼は10日間位の休暇が取れたので、車中泊をしながら北海道の名山を少しでも多く登る計画。1日に2つの山に登ることもあるそうで、前日も午後3時から雌阿寒岳に登った後、知床まで来たとのことだった。
 「数日前には稚内方面の山で10mの距離でヒグマに遭遇、立ち上がり唸り声で威嚇された後で自分を見ながら4本足に戻った時は襲われるかと本当に怖かった。慌てながらも熊スプレーの発射準備をしたがそのまま立ち去ってくれて助かった。怖いので音色の違う鈴を2個買い足した。」など話してくれた。
 大沢雪渓では予想していたより雪は少ない感じだったがアイゼンを装着して進んだ。ほどなく大沢雪渓の途中ながら雪が解け岩石が露出したのでアイゼンを外した。
 そして登山道の前方を見たら約60m先に牛のように大きなヒグマ1頭を発見した。その辺には先行の登山者がいた筈だが大丈夫だったのだろうかと2人で心配した。大きな声を出しても、笛を吹いてもヒグマは全く関心を示さず、襲う様子も恐れた様子もなく、鼻を地面に着け何かを食べている様子だった。
 若干の距離と熊スプレーもある。しかもしばらくすると後続登山者も到着するので注視して様子を見ていたら何かを食べながらゆっくり移動して茂みに入って行った。    
牛ほどもあるヒグマと遭遇
 人数も6人に増えたので注意しながら登ると、出現場所の雪渓に先ほどのヒグマが大きな足跡を残していた。
 犬の足をでっかくした感じで私の手の平とほぼ同寸だった。
     
ヒグマの足跡、手のひら大
 間もなく羅臼平に到着した。
 ハイマツ帯で広い場所、霧がないと絶景の場所だろうが、あいにくの霧で視界は良くなく羅臼岳の頂上も三ツ峰の頂上も見えなかった。
 硫黄山方面との分岐を越えた場所にヒグマ対策のフードロッカーが設置されていた。
硫黄山方面縦走路分岐(羅臼平)
 羅臼平から頂上までの登りの傾斜はきついが見晴らしは良くなる。
 羅臼温泉との分岐をすぎると遠くは霧がかかっていたものの見下ろすと羅臼平から続く登山道とその周辺の雄大な美しい景色が見えた。
     
羅臼温泉分岐から頂上を目指す登山者
 ほどなく岩清水に到着。
 頂上付近に降った雨や雪が時間をかけ濾過されたきれいな水、相当な量の水が滴り落ちていた。滴り落ちる清水を受けて置いてあったカップの水を頂いたら、冷たく凄く美味しかった。
     
冷たく美味しい岩清水
 岩清水を過ぎるといきなり巨岩帯になった。
 荒々しい羅臼岳の頂上が見える場所でヒグマ遭遇場所からほぼ一緒だったカップルに同行青年との写真を撮ってもらった。そのカップルが頂上を見上げながら「槍ヶ岳山荘から槍に登るのと同じ感じだね」と話していた。
 最後の巨岩帯の急坂を登りきると羅臼岳山頂、荒々しい岩場に立つことができた。
     
羅臼岳頂上目前で同行青年と

 まとめ

 ・羅臼岳登山は超遠距離なので天候を最重視し数日は前後に変更できる日程で準備を進めた。天気予報と飛行機の空席状況を度々ネットで確認しながら当初予定を1日繰り上げて出発、3日早朝に山口宇部空港窓口で羽田空港行、さらに女満別空港行のJAL当日シルバー割引チケットを購入できた。復路は羽田空港まではJAL、羽田空港からはANAのシニア―割引を利用出来たため、航空機運賃については格安で済んだ。

・羽田空港での乗換待ち時間に木下小屋を電話予約した。女満別空港からのレンタカー予約も試みたがネットでの当日予約はできず、電話で交渉したが全車出払っている店や8人乗り1台しか残ってない店など、北海道の夏は繁忙期で割高、当日予約の厳しさを知った。運よく小型車を借用でき1日は車中泊も出来て天候にも恵まれ効率的な登山と観光が楽しめた。

・大沢雪渓上部の登山ルートで大きなヒグマ1頭と遭遇したが下山途中に岩清水付近で出会った男女7人グループも同じ場所で遭遇したそうだ。
 私たちが遭遇した約2時間後だが、その時のヒグマは登山道の7人とは5m位離れた木立の中を、わが道のようにノッシノッシと通り過ぎて行ったそうだ。知床はヒグマの生活圏なのだと改めて実感した。
 
( 文・写真 福山 )
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