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北海道の山 ③ 大雪山(旭岳~北海岳経由~黒岳)
旭岳への登り 右奥はトムラウシ山方面
と き  2013年7月18日
天 候  晴れ後小雨
メンバー  斉藤(宗)、斉藤(滋)               
行 程  旭岳温泉民宿D山荘(5:40)~ ロープウェイ駅(6:00)~ 姿見駅(6:35)~
旭岳山頂(8:40)~ 間宮岳(10:00)~北海岳(11:20-11:40)~ 
黒岳石室(12:45-13:40)~ 黒岳(14:00)~ 黒岳石室(14:25)素泊まり
 内 容 
 昨日は稚内からオロロンラインをいっきに南下して、大雪山旭岳ロープウェイ駅に近い旭岳温泉に泊まる。温泉への車道脇の駐車場で、キタキツネを見た。駐車している車からのエサを待っているようだ。

 北海道の山を代表する大雪山は、山が大きく今回の山行の行動範囲も広い。情報不足のまま大雪山に向かうのは不安なので、遅まきながら勉強しようと民宿泊まりとした。
 しかし山菜中心の夕飯が美味しく、ビールもすすみ勉強は中途半端に終わる。(早々に熟睡)この民宿D山荘のおばちゃん(女将)は山女でもあり、残雪の情報等を得ることが出来た。(今年は例年に比べ、残雪が多いらしい。)


 朝いちのロープウェイに乗るつもりで早出したが、駅には既に人の列。どうにか第一便に乗れたが、ギュウギュウ詰めで外の景色は見えない。終点の姿見(すがたみ)駅で混雑から解放され歩き始めると、皆さんてんでバラバラに散って行く。
 そうだここはまだ観光客も多く、お花畑散策のショートコースへ向かう人もいる。早速、高山の花々が迎えてくれるが、ここで花の写真を撮っていたら時間がかかるので先を急ぐ。

 左に火山らしい噴煙(地獄谷)を見ながら上を目指す。だんだんと花が少なくなり殺風景となる。はるか上に金庫岩らしきが見えるがなかなか近づかない。なぐさめは右方向に見えるトムラウシ山へと連なる山々の姿である。会の江本さんは昨年、一人で踏破したそうだが体力・胆力に改めて感心する。

 予定より早く旭岳山頂(北海道最高峰2291m)に到着する。周りを見渡すが、たくさん見えるピーク名がなかなか出てこない。(昨夜の不勉強)
旭岳山頂
     
旭岳山頂からの展望
 登山者同士で頂上写真を撮り合い、直ぐに東側の広い残雪地帯に向かう。Gは「もう出発?」と言っているが、筆者には心配な事がある。
 10年位前、会員と市民の混成パーティーでここ旭岳に登ったが、その時は山腹の残雪が多い上、雪面も硬くしかも天気も好くなかった。そこで今は亡きOリーダーは、この残雪帯を下るのは危険と判断し引き返しを決断、黒岳への縦走を諦めるという残念な山行に終わった。
 当時を思い出し心配したが、今日の雪質は申し分ない。(軽アイゼンは所持しているが)Gを待つことなくどんどん下る。
旭岳雪渓を下る
 広くなだらかな鞍部まで下って、宿で作ってもらったムスビを食べる。
 地図を見ると、ここはキャンプ指定地らしいが何も設備がない。キャンプ地はいつも設備が整っているとは限らない。
 地図上に水場が記入されているが、目にはつかない。おそらく広大な雪田の雪解け水利用だろう。
間宮岳の登りから旭岳を振り返る
 しばらく土が剥き出しの登りが続く。
 傾斜がゆるくなって標柱が現れる。ここは何処か? 
 標柱には肝心の現在地の表示が見当たらない。しかし3~4方向のピーク名は表示されているので間宮岳と分かる。目の前の広く大きな火口に見とれている間に、Gは北海岳方面から来た登山者と話している。時々、英単語(?)が混じり身振り手振りでなにやら訊いている。返事が外国語なので顔を見ると、西欧(?)の若者である。彼はキャンプ指定地には何もないことを理解できたのか、中岳温泉経由で下山するという。

 そのうちGは彼の空のペットボトルを見て「飲料水を持っているか?無いならあげる」と言っている。筆者よりはるかに社交的と思っていたが、これ程とは知らなかった。《Gコメント:彼は片言の日本語で、空のペットボトルを見せて、水のある所を訊いてきた。水分不足で熱中症になったら危険と気になったので・・・。社交的ではなく、単なるお節介》

 彼と片言で会話をし、これから登る北海岳を確認する。急に辺りのピーク名が次々と同定できる。
 今日の目的地の黒岳周辺も見渡せるが遠い。北海道の山の大きさを改めて知る。
 間宮岳から左側の御鉢平のカルデラを見ながら進み、北海岳に到着する。ここでトムラウシ山へと向かう、前後していた熊本の中高年4人組と別れる。チャレンジ精神に感心し笑顔で見送る。
 これから先に登山者の姿は無く、この景色が勿体ない。北海岳の下り斜面もお花畑がきれいでなかなか前に進めない。コマクサやクモマユキノシタが過酷な環境でも生き続けている。
コマクサ
御鉢平をはさんで北鎮岳方面
 登山道の傍で何かが動いている。静かに立ち止まり見ると、エゾシマリス(別の種類のシマリスか区別はつかないが)が筆者に気づかず食事中のようだ。2m位離れてしばらくウオッチング、しかし後続のGの足音で藪の中へ。
 
お花畑を行く
 コマクサも多いがエゾツツジの群生も目をひく。赤石川の雪渓を渡ると今度はエゾコザクラのお出迎えである。
 同じような写真と分かっていても何コマも撮ってしまう。
エゾコザクラ
 黒岳の石室到着は昼過ぎになってしまう。霧が出始めてすぐ傍の黒岳が見えなくなる。
 Gは 「今から黒岳に登ろう」と言う。ビールが目の前にちらつき始めた筆者は「登っても何も見えん。行かん」と押し問答が続く。
 筆者は既に、黒岳ロープウェイ~北海岳~銀泉台と前回歩いている。しかし、黒岳を登った印象は皆無である。仕方なくGに付き合うが、登り始めから雨で霧の頂上からは何も見えない。早く下りよう。石室(売店)で缶ビールが待っている。

 管理人室と別棟の石室は混んではいない。夕食の準備も気兼ねなく出来る。この石室には天水しかなく煮沸して使用するよう言われる。しかし持参した水で何とかなりそうだ。(2日間の山行中に使用した水は、全て持参した水でまかなうことが出来た。頑張って担いだ甲斐があった。)

 夏でも石積みの小屋は以外に寒く、バイオトイレも外で不便。なかなか熟睡できない。
文・斉藤(宗)  写真・ 斉藤(滋) 斉藤(宗)
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