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市房山(熊本県)
湯山集落から市房山を望む
と き  2013年4月22日(月)               
天 候  晴れ
メンバー  斉藤(宗)  斉藤(滋)
行 程  キャンプ場(7:10)~ 登山口(7:15)~ 市房神社(8:30)~ 市房山々頂
(11:30-12:20)~ 心見ノ橋(12:30)~ 市房山々頂(13:00)~ 
車道への分岐(15:40)~ 登山口(16:10)
 内 容

 宇部山岳会の行事である韓国岳登山に参加し、元気いっぱいのメンバーについて必死に歩いた。
 下山後、余力のあるメンバーはそのまま帰路に。しかし前期高齢者ともなると、そうはいかない。ここ霧島から宇部は遥かに遠い。無理をしないでもう一泊し、ゆっくり帰ろう。
 ゆっくりついでにMが市房山に案内してくれるという。宿泊地の市房山キャンプ場利用者は我が家のみ。少し寂しいが疲れもあってぐっすりと眠れる。

 
夕食の準備(アウトドアのみ担当のM)
キャンプ場を後にして、私にとって初めての市房山目指していざ出発! 
 昨日の韓国岳は、バリバリ現役のメンバー達に置いて行かれないようにと、何度も荒い息づかいになってしまった。今日はその点マイペース、気が楽だ。
 市房神社がある4合目近くまで車で上がれるようだが、もちろん手抜きはしない。噂の杉の巨木を見るのが楽しみだ。
 もう何年前だろう? 五木村の仰烏帽子山に福寿草を見に登った時、山頂から遥か遠くにカッコいいピークが見えた。市房山と教えられたが、いつか登ってみたいと思っていたが、今こうして願いがかなう。

 神社参道に次々と現れる巨大な杉。想像以上の迫力にカメラが離せず足が進まない。
 この大きさ私のバカチョンカメラには収まらない。登山道のすぐ傍の車道をどんどん車が上がって行く。もったいないなぁ。この巨杉見なければ、市房山に来た甲斐が無いと思うのだが。
杉の巨木が続く市房神社の参道
 車道からの合流点を過ぎ市房神社に到着。
 早速コンクリート作りの建物の扉を開け内部拝見。奥中央にこじんまりとした祭壇がある他は余分な物が無く、神社というより避難小屋の雰囲気だ。登山の安全をお祈りしていよいよ本格的な登りにかかる。

 地図・コンパスは持っているが、明瞭な登山道が続いているので見ることも無く進む。痩せ尾根のいたるところに木の根っこが露出し、段差の続く急坂に青息吐息で、地図を見る余裕も無い。
 最近はいつもそうだが、昔に比べて下調べ無くぶっつけ本番で登ることが多い。忙しさを理由にするのは良くないが、Mが経験済みの山なら大丈夫だろう・・・とついつい安易に考えてしまう。(反省)
   
 足場の悪い急登の連続にうんざりし始めた時、ふと目についた見覚えのあるピンクの花。アケボノツツジ! (ツクシアケボノツツジの大群落があると帰宅後知る)
 ここで出会えるなんて思ってもみなかった。疲れが一気に吹き飛ぶ。山腹をピンクに染める四国西赤石山の大群落とはいかないが、思いがけないプレゼントだ。ミツバツツジも咲いている。
アケボノツツジに出会う
 長く続いた急坂が緩やかになり、視界が開けて明るい尾根に飛び出す。
 眼下には市房ダムと麓の湯山集落。頂上への尾根道の傍は若草色のコバイケソウが覘いている。大木が続いたブナも小ぶりとなり人の話し声が近づいて来る。「お疲れ様!」元気な若者グループに威勢よく迎えられ山頂を踏む。
 キャンプ場登山口からの出発は、一番早かったと思うが車道経由の人達か辺り一帯賑やかだ。
 Mと2人きりだった登高が一変し、会話が行き交う。麓から登って来たことが分かると、「凄ーい!」とオーバーな若者達の声。(前期高齢者への思いやりか・・・)照れくさいが少しいい気分。
     
明るい尾根を行く 山頂はもうすぐ
 昼食後、心見ノ橋まで見学に行く。大きなチョックストーン、ここでもカメラに上手く収まらない。自然の力は偉大だ。
 Mがチョックストーンの上に乗ろうとするので悲鳴を上げる。自分では若いつもりかもしれないが、ちょっとバランスを崩しただけでどうなるか・・・考えてね。
心見ノ橋(チョックストーン)
 心見ノ橋から引き返した山頂は人影もまばら、みんな下ったようだ。大展望の山頂をこのまま直ぐに下るのはもったいない。初めて市房山を目にすることが出来た仰烏帽子山はどこだろう・・・?あそこにかっこいいピークが見えるのだが、なに山だろう。

 市房山の地図は持って来ているものの、広域の地図は持参していないのでよく分からず、取りあえず傍の人に聞いてみる。「あれは仰烏帽子山ですよ」 えー! さっきから気になっていたかっこいい山がそうだったのか!嬉しい! 
 市房山が大好きというご夫婦は、昼ごはんを中断して説明してくださる。今年は期待したアケボノツツジがまだ早かったようだ。例年なら山頂一帯はアケボノツツジが満開だそうだ。
ヒカゲツツジを見つける
 思い残すことも無く大満足で下りにかかる。
 登りより辛いのが最近の自分達で時間もかかる。膝を庇いながら、露出した木の根っこにつまずかないよう注意を払う。
 悪路に疲れて神社下の分岐から車道コースに下って見る。蛇行した分、長そうだ。やっぱり登山道に戻ることにしよう。4時過ぎ愛車の元に無事帰着する。
湯山集落を見おろす
 帰宅後   

 自宅でGPSの軌跡をパソコンに取り込んだMが「エッ! うっそー!!」と絶句。何かあると感じて、とっさに「言わんで。」と頼む。なんだか面白そうだ。予想外の所を歩いているのか? しかし登山道は明瞭で脇道なんて無かった筈。 食後の後片付けがもどかしい。

 持ってはいたものの、行動中まったく見なかった地図(国土地理院)をシゲシゲと眺める。出発地のキャンプ場を見つけ、鉛筆で登路を地図上に記入する。市房神社までは標高差があまりなく、変化に乏しい地形だったと思い起こす。多分地図上の破線《黒色》でいいだろう。(と思った。)神社からは、すぐ裏手の尾根に取りついたのでこの尾根のはずだが地図上の破線になかなか繋がらない。何度思い返しても記憶の中の地形と地図上の破線が重ならない。

 よし、発想を変えて山頂から下ってみよう。山頂からは大きな尾根を下ったが、下るにつれて痩せ尾根となり傾斜もましてきたっけ。その間90度右に曲がった記憶も・・・。まさか? 地図が間違っている? その瞬間、自分達は破線の隣の顕著な尾根を歩いたのだと確信する。しかしこの尾根だと市房神社にうまく繋がらないのだが。考えに考えても分からない。
 とうとうギブアップ。諦めて答えを知っているMに鉛筆で記入した地図を渡す。
 「凄い!よう分かったのう」珍しく褒められた。鉛筆で辿った線と赤い軌跡は見事に一致。(尾根部分)やったぁ! でも満点ではない。市房神社も建て替わったのか大きく位置が違っている。それが見抜けず地図を正しいと思い込んでいるから、神社と実際に歩いた登山道(赤色の軌跡)がなかなか繋がらなかったのだ。
市房山トラック図
 歩くことに精いっぱいで、一度も地図を見なかったから何も悩まずに登れた。真面目に地図をこまめに見ていたら???の連続だったかもしれない。
 地図の破線(道)が実際とは違っていたことは、過去にも何度か経験した。しかし九州でも有名な山の一般登山道が、こうも地図と違うとは・・・。

 おまけに登った市房山で、思いもしなかった経験。大きな大きなおまけとなった。
( 文・写真 斉藤(滋)  トラック図・斉藤(宗))
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