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霧氷の比婆山
ブナ純林の霧氷
 と  き  平成23年12月31日(土)
 メンバー  斉藤(宗)  斉藤(滋)
 行  程  宇部自宅(6:15)〜 中国道 〜 比婆山県民の森公園センター
(10;20−10:40)〜 出雲峠(11:35)〜 烏帽子岳(12:15−12:45)
〜 御陵(13:15)〜 池の段への分岐(13:25−13:35)〜
スキー場上部(14:00)〜 県民の森公園センター(14:50)
  内  容
 例年より雪が少なく順調に比婆山県民の森に到着する。予報通りに青空が広がり絶好の登山日和だ。比婆山の稜線は白く霧氷のようだ。公園センターに顔を出し到着と入山の連絡をする。

 年末年始に訪れる比婆山はいつもN(娘)が一緒だったが、今回はMと2人なので仲裁役がいない。空中分解しないよう心掛けなければ・・・。
 歩くコースは出雲峠〜烏帽子岳〜御陵〜スキー場とすんなり意見が一致してまずは一安心。気になるトレースは・・・あった。
 出発時間が遅いため、せめて出雲峠まで踏まれていれば・・・と心秘かに期待していたが、好天のせいか先行者がいるようだ。
青空の下登山開始
 いつも長く感じる出雲峠への道のりも、先行者のおかげでワカンを装着することなく楽に到着。いよいよ烏帽子岳への登りとなる。
 Mはつぼ足で快調に進むが、その跡を忠実に歩いても沈み始める。「なんで私だけ・・・」と言っても、Mから返って来る言葉は分かっているので、一足先にワカンを履く。
 夏道から外れ尾根の直登が始まると傾斜も増す。
 焦らず一歩一歩登っていると、ご夫婦らしいペアが2匹の犬と共に下りて来られる。「トレース有難うございます。おかげで楽させて頂いてます。」と声をかける。「いいえ。烏帽子までで、それから先はありませんので。」と返事がかえる。 よっ! まさに理想のパターンと胸が躍る。全部が全部踏まれていてはつまらない。
烏帽子岳山頂付近 右後方は道後山方面
 烏帽子岳山頂は360度の大展望。大山・道後山・吾妻山・・・三瓶山も覗いている。この景色の中、Mと2人きりとは勿体ない。山仲間が一緒なら大声で共に感動し、喜びを分かち合えただろうに。
誰もいない烏帽子岳山頂 左後方は吾妻山
 ゆっくりと昼食を摂り、いよいよ自分達のトレースをと踏みだす。
 コンパスをセットするものの目指す御陵は目の前にしっかりと姿をみせているので、そのまま向かって行くだけでいい。思い切り下り、下りきった所で前に出る。(きつくても先頭は気持ちいい!!)
御陵に向けてラッセル開始
 青空の下ブナの霧氷が続き、カメラを納めることが出来ない。
 「すごーい! 綺麗!」 同じような景色を過去何度か観ているのだが、自然の造形はその時々に新しい物を用意してくれているのか、いつも新鮮で今ここにいることを心から幸せと感じる。
静かなブナ純林を行く
 この静けさの中にいるのは自分達だけ、そう思って登っていると、突然一人の男性が現れ言葉少なくすれちがう。だだっ広い御陵の山上部近くでその人の(?)踏み跡はかなり蛇行して少し苦労された様子が窺える。
 我が家も何年も前、腿までの深雪に喘ぎ苦労した経験がある。特徴のない地形の中で陵を探すヒントになったのが陵の周りの針葉樹だった。
 (当時はまだシルバコンパスを活用していなかった。)紅葉落葉樹と常緑針葉樹では雪の付き方が違う筈と気づき、針葉樹を探してなんとか雪に半分埋まった陵の案内板まで辿りつくことが出来た。懐かしい思い出だ。
御陵山頂にて
 さてその案内板の傍に立ち今回も記念の写真を撮る。程良い時間に本日の目標地点到達でホッと一安心。「ここから直にスキー場に下りるか?」とMの声にも余裕が感じられる。
 しかしそうすれば、短時間であっけなく賑やかな下界に下り立ってしまうだろう。せっかくだから行けなくても、池の段を眺めてみたいと少し寄り路をする。
 ブナ純林コースと池の段へのコースの分岐を池の段方面へ進む。無雪期の低灌木が積雪期ではみんな雪の下になり、あたり一帯雪原が広がる大好きな場所だ。
 今年はまだ雪が少ないので(といってもセンターの発表は80cm)大雪原にはなっていない。遠目に池の段をしばし眺めてUターンし分岐まで引き返す。コンパスをスキー場のトップにセットして下山を開始する。
スキー場の方向に向けて下り始める
 100m位進んだ辺りでMの呼び止める声に振り返る。「足がつった!!」 慌てて特効薬(つむら68番)を渡す。痛そうな顔! どうする事も出来ず薬の効くのを待つ。そうだ、私も予防に飲んでおこう。多分大丈夫と思うが・・・。Mの痙攣もどうにか治まり大股で気持ち良くどんどん下る。
気持ちよくドンドン下る
 スキー場からは目立たないよう端っこを小さくなって(?)下っていると、若いボーダーのグループに「何処まで行ったのですか?」と声をかけられる。「御陵の山頂まで」と答えると「すご〜い!」と驚かれ、なんだかいい気分になる。その勢いでワラビの急斜面に・・・。
(数年前の春、親子で下山中のことだが、スキー場の急斜面を下らせるMに、こんな恐い所は下りられないと抗議した。その時目に付いた足元のワラビ。太い・長い・軟らかいの三拍子揃った良質のワラビが周りにいっぱい。手に握られない程採っていたらいつしか急斜面にしっかりと張り付いていた・・・。以来我が家ではこの斜面をワラビの斜面とよんでいる。)   
 
 スキーヤーもボーダーも敬遠するワラビの急斜面、すぐ目の前を行くリフトからの多数の視線。(こんなおばさん誰も見てはいないのだが)よぅ〜し恰好よく下ってやるぞと大きく一歩を踏み出す。その途端いきなり右足に来た! 「痛い!!」 見られているようで焦るがこの痛みどうにもならない! 今度はMがなすすべもなく見守る役に。おまけに左足までとは。こんなことまで夫唱婦随したくないのだが・・・。予防に特効薬飲んでても、やっぱり年には勝てないのだと痛感する。
 
 スキー場の休憩所で一休みして、公園センターに帰り着く。2人とも痛い思いはしたが青空に恵まれ予定通り歩けた。御陵の稜線はまだ真っ白な霧氷だ。
( 文・斉藤(滋)   写真・斉藤(宗)  斉藤(滋) )
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