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雪の比婆山で読図山行(広島県庄原市)
御陵雪景色
と  き  平成24年2月26日(日)〜 27日(月)
天  候  曇り時々雪
メンバー  斉藤(宗) 斉藤(滋) Mt・Iy・Ay・Na (一般)
行  程  2月26日

 宇部(6:00)〜中国道〜県民の森公園センター(10:05−10:35)
〜毛無山(12:20−12:35)〜 伊良谷山 (13:30)〜牛曳山との鞍部
(13:50−14:10)〜第2キャンプ場(14:45)〜県民の森公園センター(14:55)

 2月27日
 県民の森公園センター(9:20)〜 出雲峠(10:10)〜 烏帽子山(11:25)
〜 御陵(11:50−12:30)〜 スキー場上部(12:50)〜 公園センター
(13:30−14:00)〜中国道〜宇部(17:50)
内  容  雪山市民ハイキングに参加予定だった山仲間が、家族の急病や地区の行事で参加出来な
かった。気がつけば春はもうそこまで・・・。
 雪が消える前に、せめて一 度雪山を歩きたいと声がかかる。比婆山ならまだたっぷり雪は
残っているだろう。
 せっかくだから読図を楽しみながら歩くことにしよう。
 2月26日 
 比婆山県民の森公園センターに到着して驚く。駐車しようにも場所が無い。(後で分かったがスキーの大会があったらしい。)離れた場所にどうにか止め、公園センターのロビーで身支度を整え出発する。車の台数に比べ登山者の姿はチラホラ、先行のグループは出雲峠方面に向かっている。ついて行きそうなメンバーを呼び止め、ワカンを装着して毛無山に向かう。昨日からの新雪が先行者のトレースを目立たないよう覆ってくれている。
 
 予報通り乾いた雪が舞ってはいるが寒くはない。数日前の雨で締まった雪の上に程良く新雪が積もり快調に高度をかせぐ。私を含め「足首が痛い」 「膝が悪い」 「睡眠不足だ」 と言いごとの多いメンバーの集まりだが、いざとなると十分底力を発揮出来るメンバーだ。

 出雲峠へ下る分岐で小休憩とする。手作りの、栗の渋皮煮を頂きカロリー補給も万全で力も湧いてくる。

 樹林帯を抜け毛無山の山頂も近い。Mはかすかに残っていたトレースを左に見送り新雪を踏む。山頂へ直登するようだ。誰も踏んでいない砂浜や雪の上に、自分の足跡を残して喜ぶ子供のようだ。
毛無山山頂直下の登り
 今日の毛無山はうす暗く、なんとも殺風景だ。大山はおろか身内の比婆連峰さえ姿を現さない。鉛色の雲が頭上を覆いゆっくりと腰を下ろす気にはなれない。それでも眼下に見える霧氷の樹林に、みんな歓声を上げている。

 「行くか?」とMから声がかかる。向かう伊良谷山方面の雪面はまっさらだ。地図を取りだし慎重にコンパスをセットする。いくら一般コースといっても積雪期には通用しない。尾根伝いといっても痩せ尾根ではないし方向の見定めと雪の下の空洞回避・・・。この緊張感はメンバーには伝わってはいないようだ。みんな楽しそうにお喋りしながら足取りも軽い。
伊良谷山に向かう
 Mが慎重に確実に進む。後ろからコンパスを片手に進行方向を確認しながら最低鞍部に着く。ここでコンパスをセットし直し先頭を代わる。登りは疲れるが上を目指せばいいので易しい。偽ピークに騙されないぞと言い聞かせ、正真正銘の伊良谷山に無事到着。
伊良谷山山頂はもうすぐ
 足元に、ほんの少し覗く標識を囲み記念の写真を撮る。それから一気に牛曳山との鞍部まで下る。後は公園センターに下るだけなので、ゆっくりと休憩をとる。時々青空も覗き気分は最高。
牛曳山との鞍部にて昼食タイム
 いよいよ最後の下りだ。Mは「最短距離で下る」と言う。藪は雪の下(夏道も)しかも程良く締まった雪は雪崩そうもない。今だから出来る直下降に挑戦だ。第2キャンプ場にコンパスをセットし先頭に出る。コンパスを信じまずは尾根に乗ることにする。すぐに明瞭な尾根が現れ、その方向とセットしたコンパスの示す方向が一致しているので一安心。グングン下り何度か夏道らしきを横断し、狙い通りキャンプ場に到着する。心配したお天気もどうにか持ち充実した一日を過ごせた。
比婆山 トラック図
 2月27日
 朝食を摂る食堂の窓の外は雪。静かに降り続ける。
 昨日充分歩いているので、今日は帰るだけかなと内心思う・・・がGOサイン。弱気は風邪気味の私だけで、みんな元気ハツラツだ。

 今朝は駐車場もガラ空きで、登山者もスキーヤーも見かけない。昨日のトレースのおかげで、快調に出雲峠に到着する。新雪がトレースを覆い2番煎じの感じがしない。沢筋を行く夏道から離れ、尾根の急登を進む。高度を上げるにつれ頭上を霧氷が被い見とれて疲れを感じない。   

 霧氷が目線と同じになり烏帽子山に到着する。山頂を覆う雪と空の境が見えない。360度の展望地にいる筈なのに見えない壁に囲まれて、体を一回転すればどっちから来たかも分からない。薄くなったトレースはすっかり消え、わずかに頭を出している標識だけが、烏帽子山の山頂にいる事を教えてくれる。

 干し柿・チョコを口に入れ御陵に向かう。正確を期すため地図を持ってもらい、両手で入念にコンパスをセットする。大晦日に登った時は眼の前に御陵がしっかりと見えていたが、今は濃いガスの中だ。いつも楽しい鞍部への下り始めも、雪庇の張り出しで苦労する。
 
 御陵への登りになりMと先頭を交代する。山岳会の雪山に参加しても、先頭ラッセルのチャンスは殆んど無い。若い会員について行くのが精一杯で、いつもしんがりだ。多少しんどくても、まだまだラッセル頑張られるぞと嬉しくなる。御陵の山頂稜線は、今日も霧氷のトンネルだ。
霧氷のトンネルをくぐる
 さっきまで低く垂れこんでいた暗い雲が消え去り、陽が射したと思ったら一瞬青空が覗く。青空の下の霧氷!! 「童話の世界にいるみたい!」の声、登って来て良かったとつくづく思う。
童話の世界?
 暖かい陽射しのプレゼントを受けゆっくりとくつろぐ。このまま下るのは勿体ないので、例によって池ノ段を望む台地まで行ってみる。低い灌木の霧氷の中は、あたかも咲き盛りの梅林の中にいるようだ。

 ブナ純林コース分岐まで引き返し、スキー場上部にコンパスをセットする。「もう少し右に」 硬いコンパスを磁北線にシックハック合わせる私に、メンバーの一人が声をかける。みんな学んだことをしっかり覚えているようだ。針路が決まれば後はそれぞれ好きなように下る。みんな楽しくて仕方がない様子。あっという間にスキー場に下り、無事公園センターに帰り着く。
スキー場目指して思い思いに下る
 出かける前の天気予報は二日とも雪、せめて一日でいいから登れますように・・・と祈らずにはおられなかった。締まった雪の上の新雪・見渡すかぎりの霧氷・朝の大雪を忘れさせた青空・・・。
 終わってみれば、いいことづくめの二日間となった。比婆山はいつ来ても優しいところが大好きだ。
( 文・写真  斉藤(滋)   写真・トラック図  斉藤(宗) )
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