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五竜岳
遠見尾根より後立山連峰
 日 時  平成23年10月11日(火)〜12日(水)
 メンバー  斉藤(宗)  斉藤(滋)
 行 程  10月11日
  唐松小屋(8:45)〜 五竜小屋(11:40−12:30)〜五竜岳山頂(13:40−13:50)〜 五竜小屋(15:00)

 10月12日
  五竜小屋(7:35)〜 西遠見山(9:10)〜 中遠見山(11:00−11:15)〜 小遠見山(11:35−11:45)〜アルプス平駅(13:10−13:20)〜 テレキャビン 〜 とおみ駅(13:30−14:10)〜 タクシー 〜 八方駐車場 (14:40−15:05)〜 氷見(18:10)
  10月11日
 今日は五竜小屋までなので朝食後もゆっくりとくつろぐ。外は一面のガス、モルゲンロートの峰々を撮影しようと張り切っていたMも仕方なく、コーヒーを飲みながら出発を見合わせている。大半の人が八方尾根から下山のようで、この時期縦走者は少ないらしい。昨日夕食時、同じテーブルでお喋りした東京からの男性も、今日は五竜小屋までとのことだったが既に出発されたようだ。

 いつまで待ってもガスは晴れそうに無いので、雨具を着て出発する。安曇野で購入したトレッキングポールを短くしてザックに着け、両手を使えるようにして岩場の通過に備える。濡れた岩でのスリップに警戒して簡易ハーネスを準備したが、慎重に進めば出番は無い。岩稜のクサリ場は次々現れ以外と長い。先を行くMが振り返って「どうか?結構面白いじゃろう」と声をかけて来る。「うん」と答えはしたもののクサリを握る手に力が入る。
霧の岩稜を下る
岩場が続く
 鞍部まで下りやっとホッとする。目の前に所々雪を残す五竜岳が迫って来る。白馬・唐松の優しい山容に比べ、なんと荒々しいことか。岩・岩・岩・・・。あの山の何処に人が歩ける道があるのだろう・・・?
岩場を抜けて
縦走路をふり返る
 唐松小屋を出て、誰にも追いつけず、追いつかれず五竜小屋に到着。(すれ違いは3人)
五竜小屋と五竜岳
 宿泊の手続きを済ませ、部屋で昼食を摂りいよいよ山頂を目指す。小屋を出て10分、先行の東京の男性が早くも下りて来られる。「所々かなりの雪が残っているので、スリップに気をつけて」と声がかかる。[山頂手前にクサリの無い5m位の垂直の岩の登りがある」との情報もいただき緊張するが、まあ行ける所まで行って無理ならMだけ登ってもらえばいいかと秘かに思う。

 高度を上げるにつれ残雪の多い所も現れ、一歩一歩確かめながら慎重に進む。先行者の踏み跡を外さないようMに続く。雪のトラバースはアイゼンがあればと思うが、岩場の登りでは返って邪魔になりそうだ。クサリの無い岩場を確実なホールド、スタンスを選びなんとか登り山頂稜線に出る。(下りが心配だが)
慎重にトラバース
 キレットへの分岐を過ぎ岩稜を辿り山頂標識に着く。登れた! 展望は今いちだが良かったと握手を交わす。こんな時間に登るのは2人だけと思っていたが、仙人の如く身の軽い若い女性があっという間に登って来て、快くカメラのシャッターを押してくださる。
エッ! 韓国の山? 五竜岳山頂
 地元のアウトドア関連の店で働いているという彼女、驚いたことにテント担いで今から唐松岳に向かうとのこと。若いって本当に素晴らしい!
 「お気をつけて」の言葉を残し彼女はどんどん遠くなる。前期高齢者は登り以上に神経を集中して一歩一歩下る。ぎこちない動きの私に、Mはさぞかし気疲れしたであろう。

 無事五竜小屋に帰り着き、ようやく喜びが湧いてくる。夕食時「ロング缶ビール!」と威勢のいいMに「待った!」はかけづらい。昨日までの3連休では120人位の登山者が泊まったとのことだが、本日の宿泊者は総勢8人。夕食後も食堂でゆっくりくつろぎ、昨夜のように山談義が続く。あと3日でこの小屋も閉まるらしい。
 10月12日
 昨夜は堪えに堪えていた右臀部の痛みが酷く、寝返りをうつことも出来ない状態であった。出かける前から少し痛みを感じていたが、そのうち治るだろうとたかをくくっていたが、今まで経験したことのない部位・痛みだ。痛み止めで行動中はごまかしていたが、なぜか就寝時が最も痛い。寝不足ぎみで朝寝坊する。
 食堂に行くと、昨晩のお喋り仲間の男性と若い女性が既にお茶タイムである。2人とも多くの山を登っておられ、いろいろな話を聞くことが出来た。これから4人共遠見尾根を下るのだが、スピードが違うのでここでお別れだ。
 楽しみにしていた遠見尾根を下る。私もMも初めてだ。出発時ガスだった稜線も下るにつれ青空が広がる。ガスの中から五竜岳が姿を見せ始める。
 昨日の登頂時はカメラを取り出す余裕などなかったが、今日は時間の許す限り撮りながらゆっくり下ろうと話し合う。急坂の後は穏やかな稜線歩きで、昨日の緊張の後だけに本当に楽しい。
 五竜から鹿島槍(カクネ里がまっ正面)へと続く厳しい尾根に比べ、池塘やダケカンバの巨木・ナナカマドの赤い実と次から次へと撮影ポイントが続き飽きることがない。
遠見尾根からの五竜岳
 賑やかな話し声が聞こえて来て小遠見山に着く。表土の豊かな尾根は植生も豊かで、紅葉する葉も多く秋の北アルプスを満喫する。ここからアルプス平までは日帰りハイカーの世界だ。しかし3連休も過ぎテレキャビンはガラガラだ。窓の外に見える紅葉がこの山旅の中で一番美しく見える。タクシーで八方の愛車の元へ。
 今夜も車中泊、その前に入浴をと準備していたら、突然Mが「今日は、氷見漁港に泊まろう」と言いだす。(まだ、寒ブリの季節ではないが・・・)氷見観光協会にお願いして宿の予約をし、あたふたと出発する。
 富山湾が目の前に広がる宿の露天風呂で山旅の汗を流す。静かな海面を照らす月、今日はたまたま満月だ。
 
 今回も小屋泊まりの、のんびり山旅となった。
しかし、自分達で出来る山旅は、この程度が限界だと改めて認識することとなる。
 山行中は元気だった2人だが帰宅後2人とも足がむくみ、おまけに私は坐骨神経痛と診断される。少なくとも3週間の休養をと宣告される。
 細く、長〜く山行を続けたいが・・・。容易なことではないようだ。
 
( 文・斉藤(滋)   写真・斉藤(宗)  斉藤(滋) )
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