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島の谷遡行(木谷峡)
 1.と き  2011年8月7日
 2.天 候  晴れ
 3.メンバー  江本、加藤、杉原(信)
 4.行 程  宇部(6:20)〜小郡I.C.(7:00)〜(中国縦貫自動車道)〜鹿野I.C.〜
県道12号線〜県道361号線〜大固屋(8:30〜8:45)〜島の谷入渓(9:00)
〜F1(9:15)〜F4(9:40)〜F7(10:40)〜林道(11:45)〜
大固屋(12:35)〜県道361号線〜県道12号線〜鹿野I.C.〜
(中国縦貫自動車道)〜山口南I.C.〜小郡(14:00)〜宇部(14:40)
 5.内 容  江本さんからお誘いを受けた今回の沢登りは、久しぶりの山行となった。
 折角久しぶりなのに、中級程度の難易度との前情報のためか、あまり参加者が
集まらなかったようだ。
 残念と思いつつ参加したが、結局3人での沢登りは、特有の滝つぼでの順番待
ちも無く、スムーズに遡上出来た。
 
 6時50分小郡を出発、小郡ICから中国道を利用し鹿野ICへ、8時10分には島の谷入渓地近くの広場に到着した。
 すぐに着替えをはじめたが、アブ・ブヨの類が集まってこず、今日の沢登の快適さをこの時までは確信していた。
 しかし、世の中はそんなに甘くなかったのだ。着替えていて、すーっと頭の中で確信した事があった。ひらめいたと言っても良いだろう。頭の中とは裏腹に何事も無いように、ザックや車の中を探すふりをしたが、今回持ってきていない事は、確実に頭の中で理解していた。そう、やってはならない事をしてしまったのだ。思えば、去年末には富士山の6合目でシュラフの代わりに、みんなが行動中に着るダウンジャケットをシュラフカバーに入れてくれました。それは今でこそ、とても良い思い出にはなりましたが、周りはいい迷惑だったと思います。
 
 『今回は、沢靴を忘れました。』当然ながら登山靴も持っておらず、頼りに出来るのは今朝履いて来た、布製のジョギングシューズのみです。
 頭の中で心が叫んでいます。「ダメ、ダメ、こんな靴じゃ水辺の遊びにも役立たないぞ、『周りに迷惑を掛けたくないから』と言い訳して、車中で2人の帰りを寝て待つのが現実的だよ。」「さあ、早く!」 口からその言葉が出ようとした瞬間、「練習と思ってその靴でやれば?」「その靴の方が鍛えれるよ」ありがたいお言葉をもらいました。ガーン!! もう引き返せません。
 心の叫びとは裏腹に有難くも沢に入れることになりました。喜びもつかの間、沢に入れば常に3点保持が求められ、一瞬でも気を抜こうものなら、つるっと転ぶのは目に見えているので、何時になく緊張した沢登りとなりました。
 
 沢靴の有難味が身に染みた出来事でした。沢に入る時は、食糧や水、普段なら絶対的に大切なお金よりも沢靴が必要ですね。
 駐車場となった広場から5分程度で入渓点に着く。道端から5メートル程、急な斜面を下って木谷峡本流を渡渉すれば島の谷の入り口になる。
 
 9:00 入渓、しばらくは落差も小さく、滝と言う程のものはない。
 9:15 ようやくF1が姿を見せた。加藤さんが手始めに取りつくが、スタンスを決める事が出来ず、敢無く敗退。横目に取りつくが、やっぱりスタンスを決め切れず、あっさり敗退。すぐさま靴の性能だと言い訳し、右岸を巻くことにしたが、そこでも大きな罠が待っていた。
 淵から手を出し、体を引き上げようとガバらしき部分を持つ手に力を入れた瞬間、『カパッ!』という擬音が聞こえ、背中から水中へ墜落してしまった。この沢の岩は信用出来ない。次に訪れる人は十分に注意した方がいい。老婆心ながら忠告しておく。
 
F1 二条の滝
 そんなこんなすっとぼけたことをしている間に、リーダーの江本さんは何事もないように直登し、加藤さんのためにロープを準備していた。
 支点になりそうな立木や手ごろな岩はなく、水中から顔を出している若干大きめの岩にスリングを巻き、支点としていた。足で岩を押さえ、イタリアンヒッチで加藤さんを確保している姿は、つくづく山ヤだなぁと感じる瞬間だった。
F2 泳いで取り付く
 F1からは順調に遡行し続け、10:15にようやく15分間の小休止を取ることになった。
 この日は、朝方は寒くなることを予想していたが、心配をよそに暖かくなり、動き続けているせいか、寒さに震える事は無かった。吸血昆虫もほとんどおらず、快適にクリアしていくが、目の前にとても大きな滝が出現した。
F4 黒滝(20m)
F5,F6をフリーで越える
 加藤さんと二人それぞれに左右から巻いたのだが、江本さんは一人何処にもフィックスせず登り切ってしまっていた。
 見ているこちらがドキドキし、「ヘリコプター来てくれるかな?」とか、「担いで下山するには、ちょっと距離があるなぁ」と縁起でもない事を考え始める始末であった。
 こんな不届きモノは、2度と一緒に連れて行かない方がいいと思う。
F7 シャワークライミングを楽しむ加藤
F7 チムニー状の滝と格闘する杉原
滑床を進む
 目玉的な滝は最後にもう一つ控えていたようだが、右手に小屋が見えた以降は沢の雰囲気がコロッと変わり、人が入る事をまるで拒んでいるかのような状況になっていたため、11:45沢をあがった。
 他のHP報告を見ると、ほんの少し先に最後を飾るにふさわしい滝があったようだ。
 
 小屋は作業小屋らしく、人影はない。人影はないが人の血を吸うアブが急に出現し、結局駐車場近くまでアブに悩まされた。
 下山中の林道で3人とも無言で顔に被る防虫ネットを取り出したことが、そのことを物語っていた。
 12:10林道を下り始め、12:35には駐車場所に到着した。
 
   最後に不快な虫に出くわしたが、島の谷は簡単過ぎず、難し過ぎず、多人数で来ても、少人数で来ても十分に楽しめる沢であることが判った。
 今回は若干水量が少なく、本来の沢の難易度とは違いがあるとは思うが、場所場所に比較的簡単に巻く事が出来、沢登り講習会をここで行うのも面白いのでは無いかとの意見で一致した。
 
 帰路もスムーズで、14時には小郡に辿りついてしまった。楽しい山行をありがとうございました。『不届きな考えを至る所で持っていましたが、また誘ってください。』と車を見送りながらつぶやいた。
 
( 文:杉原信行・写真:加藤、江本 )
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