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白峰三山縦走(北岳)
 日  時  2011年8月2日 〜 8月4日
 メンバー  斉藤宗、斉藤滋
 行  程  8月2日
  宇部自宅(12:00)〜 多賀SA(車中泊)

 8月3日
  多賀SA(6:00)〜 戸台仙流荘(10:50−12:15)〜
 北沢峠(13:40−15:30)〜 広河原山荘(16:00)

 8月4日(曇りのち雨)
  広河原山荘(5:00) 〜 第一ベンチ(6:10) 〜 白根御池小屋(7:50)
 〜 肩ノ小屋(11:30−13:00) 〜 北岳(13:40) 〜
  コル分岐(14:35) 〜 北岳山荘(15:25)
 
  昨年南アルプス北部の山々の踏破を計画したが、体調不良のため甲斐駒ガ岳のみに終わった。
 2日目からの、かって経験したことのない不調の原因を医師に尋ねたところ「低酸素濃度なので潜水病と似たような症状」と説明された。要は「ゆっくり登りゆっくり降りなさい」とのこと。
 今回は自分達の力にあった無理のない日程で計画を立てる。車での入山にもたっぷり時間をかけ、長い縦走の出発点である広河原山荘へ前夜泊する。夕食時の山荘からの情報ではここ最近午後は毎日雨らしい。
 
ミネウスユキソウ
  8月4日
 いよいよ日本の山で標高第二位の北岳に挑戦である。
朝食の時間を倹約しムスビ弁当を受け取り広河原山荘を出発。
 大樺沢との分岐からは急坂となり、段差の大きな木の根を超えていく。今年の筆者には我慢のしどころで静かに静かに登って行く。
         
 30分位すると後発のベテランらしき人や若い人が単独行で追い越していく。Gが背後で「抑えて抑えて」と言ってるように間を空けてついてくる。
 北岳はどこから登っても急坂があると聞いていたが、ここ第一ベンチ・第二ベンチ経由 白根御池コースもしごかれる。危険個所は無いのが救いである。一か所ドコモの通話可能場所との表示がある。

 それから20分で白根御池小屋に到着。実はこのコースを選んだのは、当日バテたらここに泊まればよいと保険的に考えていたからである(予約はしていない)。
 まずまずのペースで歩いているし、この時は青空で先が楽しみである。  
 小屋の横から明るい斜面を登る。高山の花が多く写真撮影に時間を費やし遅々として進まない。
草スベリを登る
  振り返れば鳳凰三山の一部が見えている。眼下には白根御池が確認できるが水が濁っていて今いち。
鳳凰三山と 眼下に白根御池
 このコース(草滑り)は楽だと思っていたが、結構な急坂が長く続く。明るい所に出ると背丈より高いネットに出くわす。高山植物を鹿などから守るための物らしい。
 ポールには落雷注意とある。ネットの中にはヨツバシオガマやイワオトギリ等が咲いている。
イワオトギリの蕾
 低い高山植物や這松の中の道を辿っていると いきなり小太郎尾根分岐に出る。展望は良くなり気ははやる。
 少し登ると 好展望地(2980m)がある。目的の北岳が現れた。
北岳見える
 すぐに 岩場がある。ガイドブックに記されたクサリ場だろう。
 歩いてみると 容易で誰でも通過出来るレベルである。展望も良くなり、高さと花で 日本の山人気第3位(YK社調査)もうなずける
易しいクサリ場
  穏やかに登って行くと左手に 北岳肩の小屋が現れた。今日の宿泊予定小屋だがまだ11時半。標高3010m(酸素濃度は平地の7割、ここでゆっくり飲みながら高度順化をしよう)嬉しくなり当然缶ビールを購入し弁当を開く。
 浮かれた話をしながら食事をしていたら、テーブルの隣の男性が「私は関東の者ですが昨晩のテレビの天気予報では、台風9号以外に関東の南に二つ低気圧があり台風になりそうなので注意してくださいと言っていました。私は先程 北岳のピークは踏んで明日は下山に専念します。」と言ってきた。
 途端に心配症のGの表情が変わり、「すぐ今から次の北岳山荘まで行き、明日は間ノ岳往復し往路を引き返し下山しよう」と言い始める。ビールを飲み終わっていない筆者は即答無し。
 モードの切り替えに時間がかかったが シブシブ荷を担ぎ直し小屋を後にする。
トラック図.広河原〜北岳
  小さなコブ(北峰)を超えるあたりで東からの濃い霧に視界を閉ざされる。
 頂上に到着したが3193mからの展望は得られない。広河原から1660m登ってきたのに富士山はおろか何も見えない。
北岳頂上
 しかたなく近くを見ていたら何かが動いている。近づくと若い雷鳥が砂浴びをしている。10分くらい人目とカメラに囲まれて悠然と砂浴びを続け、気が済んだのか霧の中に歩いて去って行った。


 北岳山荘に向かって降りていたら前方で悲鳴とその後の騒々しさ、何かあったなと降りていくと中高年男性が転倒し数m落ちたようである。たまたま辺りには若いけれど経験豊富そうな登山者が5〜6人いて対応している。転倒者は立ち上がり大ケガではないようである。(北岳山荘の夏季診療所の診断は手の骨折)
 このすぐ後にはクサリが張られたトラバースがある。落ちたら止まりそうもない。

 八本歯のコルへの分岐に着いたころ雨が本降りになる。雨具を着けながらGと「急な稜線を下るのは止めて、より安全なトラバース道で北岳山荘へ行く」ことに決める。
 コルへはジグザグのしっかりした道で安心して下れる。途中右にトラバース道が現れ道標もある。視界が悪いのでシルバコンパスをセットして進む。とても良い道でこちらを選んで良かったと話していると、前方に何やら構造物が重なっている。
 近づくと丸太で作られたハシゴが折り重なっている。ここは大きな露岩地帯でハシゴを固定する個所が少なく複雑な構造となったようである。雨で濡れた急なハシゴの登り下りに緊張し、カメラを取り出すことは完全に忘れる。

 大きな露岩と露岩の間にはお花畑があり、ここの花は飛び切りきれいだ。(北岳山荘の従業員の娘さんも あの場所が大好きと言っていた)
タカネグンナイフウロ
 核心部が終わると道は良くなり北岳山荘へほどほどの時間に到着。
 大部屋に通され荷物を整理していると、山荘の従業員が来て「少し賞味期限が切れた缶ビールが200円です」と言っている。部屋中にどよめきがあり先客達は「知っていたら500円のビールは飲まなかったのに」と言っている。当然筆者は200円のビールをゲット。

 夕食時「安いからもう一本200円ビール!」といそいそと買ってくる。Gの前には生ビールのジョッキ。豪快に飲み始めたGに値段を聞くと「900円」と涼しい顔である。

 寝る前 明日の行程の参考にテレビの天気予報を見ると、良くもないが台風の影響はまだのようだ・・・。明日のことは歩きながら考えることにする。
( 文・斉藤(宗)  写真・斉藤(宗) 斉藤(滋) )
 白根三山(間ノ岳・農鳥岳)→ 
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