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初冬の八ヶ岳(赤岳登頂)
八ヶ岳主蜂 赤岳
日  時 平成22年12月16日(木)〜19日(日) 
メンバー 高田・村岡・兼安・三浦(比)・斉藤(宗)・斉藤(滋)・坂口(出光山岳部)
 行  程
  12月16日(木)
 宇部(8:00)〜 山陽道 〜 名神 〜 中央道 〜 駒ヶ岳SA泊(18:00)

 会の月例山行として八ヶ岳のアイスクライミングが計画された。氷壁なんて私にとっては異次元の世界なので、参加出来ないと決め込んでしまう。しかしアイスクライミング班の他に、赤岳登頂班も計画されると知り、勇気を出して参加を決める。(冬の八ヶ岳なんて私にとって最後のチャンスかもしれない・・・)
 例によって本隊は金曜日・勤務後の出発となり、夜中じゅう車を走らせ現地着、そのまま登山開始のいつものパターン。このスケジュールでは、自信が無いので一日早く出発して現地で本隊を待つことにする。三浦さんが、今回も付き合ってくださることになり心強い。
 12月17日(金)
 駒ヶ岳SA(7:00)〜 諏訪南IC 〜 美濃戸口 〜(10:10)美濃戸(10:40)〜(11:40)林道終点(11:50)〜 赤岳鉱泉(13:10)

 美濃戸口から美濃戸に向かう途中、路面が凍っているため車がスリップするというアクシデントに遭遇。若い親切な登山者に助けられる。
 1時間ロスするが、ほぼ予定のタイムで赤岳鉱泉小屋に到着。後は、本隊が明日朝到着するのを待つだけだ。
 収容人数250人の小屋なのに、わずか9人の宿泊者。山を語り、ステーキの美味しい夕食を食べ、雪深い山奥の静かな山小屋の一夜を共にする。
赤岳鉱泉へ向かう
 12月18日(土)
 赤岳鉱泉(10:15)〜行者小屋(11:10)〜(13:10)赤岳(13:30)〜(15:20)行者小屋(15:40)〜 中山展望台(16:00)〜 赤岳鉱泉(16:20)

 朝食を済ませて、本隊の到着を待つ。昨日とはうって変わって登山者が多く、小屋の周辺が慌ただしい。
 本隊が予定通り美濃戸口を6時に出発なら、9時頃には着く筈なので、身支度を整え小屋の入り口付近で待つ。

 予定より遅れて本隊が到着。(昨日、私達の車ががスリップした現場で 本隊もスリップしてしまったらしい。)テント設営がほぼ終わったので、リーダーの高田さんの許しを得て、M、三浦さんの3人で行者小屋まで先行する。
 凍った雪面もアイゼンを装着しているので快適だ。とは云ってもこんな時間から登り始めて赤岳に登頂できるのだろうか?
 自分とM以外のメンバーは、まだ若く体力もあるので可能だろう。足を引っ張らないように頑張るしかない。せめて青空ならファイトも湧くのに、どんよりとした曇り空は、不安を拭ってはくれない。
 行者小屋へ向かう
 行者小屋の近くで、地蔵尾根から撤退して下りて来たと云うご夫婦に会う。森林限界を過ぎると猛烈な風だったとのこと。小屋で本隊の到着を待つ間に、シュリンゲで上半身のみ簡易ハーネスをつける。
 本隊の4人が到着し、文三郎尾根から山頂を目指すことになる。「八ヶ岳は初めてなので」と云われる兼安さんが登頂班を希望されたのは頷けるが、高田さん・村岡さん・坂口さんはアイスクライミング班のイメージだったので以外だ。この強力メンバーに囲まれると、怖いもの無し何とかついて行けそう。「凄いメンバー! 何人ものガイドさんに囲まれてる感じ」と思わず口に出る。つかさず「ガイド料高イッスよ!」と高田さん。

 樹林帯を抜け急坂にさしかかると、雪に埋もれた凍てついた階段が現れる。アイゼンを着けていながら、緊張で足が思うように動かない。こんな時間に、もう下りて来る人がいて、「山頂はどんな様子ですか?」と思わず聞くと「風が強く、リタイヤして下っているんです。」と返る。かなりの厳しさを覚悟する。長〜い(と感じた)階段の上からは目の前の数10mの光景しか目に入らない。凍った斜面をトラバースして阿弥陀岳への分岐を過ぎ、いよいよ主稜線の登りとなる。
凍った斜面のトラバース
山頂直下 凍てついた岩場を登る
  風が一段と強まり、吹き飛ばされそうになる。(この体型でも)緊張はするが、先頭の高田さんが絶えず「そこは、滑るから気をつけて。」とこまめに声をかけてくださるので、恐怖心はまったく無い。
 ガスってて、近くしか見えないのも、高所恐怖症にとっては幸いかもしれない。コチコチに凍った岩の登りやトラバースも、高田さんの指示通りに足を置き手をかけるとスムーズ(?)に進める。
 何も考えずただ必死に登っていると、「あと少し」と声がかかる。やっとたどり着いた山頂は狭く、霧の中に祠が見えているだけだ。感謝を込めて高田さんと握手。
 寒さと風の中で、取りあえず記念の写真を撮る。登れた喜びに浸る前に、この寒さから逃れるために、ほんの少し下り岩陰に身を寄せ行動食を口にする。少し遅れていた後続隊も合流し、ようやく登頂の実感が湧いてくる。
山頂は霧の中
下山開始
 しかし、登頂の喜びもまだ半分、緊張の下りがある。それでも高田さんと坂口さん(山口県岳連遭難対策委員長)に前後をしっかりガードされているので、体の動きはぎこちなくても、いつもの恐怖心は全くない。
 急な岩場をほぼ下り終えた辺りで、ちょっとしたアクシデント発生。三浦さんのアイゼンのビスが外れてしまって、使用できない事態に。いくら岩場を下ったとは云え、アイゼン無しの下降は考えられない。
 ワンタッチ装着が出来る新しいアイゼンとの事だが、小さなビス一つが無いだけでも使えない。しかし、村岡さんが、細引きでなんとか応急修理、事なきを得る。
 登りに苦労した階段を下り、ようやく緊張から解き放たれ一休みする。
 雲間から青空が覗き始め、姿を隠していた阿弥陀岳・横岳が現れる。眼下には、朝出発した行者の小屋も。まるで、悪天にも負けずどうにか登った褒美のごとくに。
ここまで下れば一安心 行者小屋を見下ろす
行者小屋まで帰り着く バックは横岳方面
 行者小屋まで下りホッとする。ここから赤岳鉱泉までは危険箇所も無いので、自由に帰る。
 小屋泊まりの3人は、中山乗越から一登りの展望台に寄り道をする。横岳の岩峰大同心・小同心が凄い迫力で迫る。
 一方赤岳が神々しい姿を惜しげもなく見せてくれている。あの三角形の一番高い所にさっき立ったんだ!
中山展望台からの赤岳・中岳・阿弥陀岳
 夕食(メインは焼き立ての、特大サンマ丸ごと1匹)を早目に済ませ本隊のテントを訪問する。
 アイスクライミング班も、目的の氷壁トレーニングが出来たようでテント内は、大いに盛り上がっている。でもみんな、夜も眠らないで車で走ってそのまま行動したんだ、きっと眠いだろう。少し早めに切り上げ小屋の消灯前に部屋に帰り着く。
 12月19日(日)
 赤岳鉱泉(8:00)〜(9:50)美濃戸(10:10)〜諏訪南IC(11:30)〜 宇部(23:20)

 本隊のテントに挨拶して、赤岳鉱泉を後にする。昨日の悪天が嘘のような青空だが、何故かちっとも悔しく無い、晴れ晴れとした気分だ。悪天だったからこそ、自分にとって厳しかったからこそ、登れたことがとても嬉しい。
 リーダーの高田さんはじめ、登頂班みんなのサポートのおかげだ。また、テントの中で登頂を共に喜んでくれたアイスクライミング班のみんな、たくさんの山の仲間達に囲まれた、幸せな八ヶ岳の旅だった。
( 文・写真 斉藤(滋)  写真・ 斉藤(宗) )
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