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山口県山岳連盟セルフレスキュー講習会
1.と き 平成21年11月14日(土) 
2.ところ セミナーパーククライミング場およびクラブハウス 
3.参加者 宇部山岳会;村上、大岡、斉藤(宗)、斉藤(滋)、江本(講師として参加) 山口県山岳連盟遭難対策委員;計5名 ハイキングクラブ山歩、山口山岳会、出光登山部;計11名
4.内 容 9:00     開講式
9:10〜11:40 講習会(午前の部)
11:40〜12:50 休憩
12:50〜15:20 講習会(午後の部)
15:30   :閉講式・解散
 山口県山岳連盟(以下岳連)では加盟団体の安全登山推進事業の一環として、毎年レスキュー研修会を実施している。
 これまでは、岩壁登攀時の事故を想定したチームレスキューが中心だったが、今年は北海道トムラウシ山での遭難事故を重くうけとめ、ハイキングや一般登山での事故防止のため基礎的なレスキュー技術に付いて講習会が実施された。
 この日セミナーパークでは、駅伝大会が行われた関係で研修のための部屋を確保できずクラブハウスでの講習となった。
 限られた時間の中、午前中は座学とレスキューシートの使い方、テープスリングを使っての簡易ハーネスの作り方、背負い搬出法などを学習した。
レスキューシートの説明をする講師
レスキューシートの保温性を体感する
テープスリングを使った搬出方法を学ぶ
 座学を担当した江本は、「トムラウシ山岳遭難事故から学ぶ」と題して、事故の検証と事故からどの様なことを学ばなければならないかに付いて話した。
座学風景
 遭難事故の検証はてがかりが少なく容易ではない。
 事故概要に付いては、8月に広島で行われた広島県山岳連盟主催のレスキュー講習会で、日本山岳協会の講師による講習で得た情報を元に資料を作成し講義に使用した。
 
 今回の講義で考えて欲しかったことと伝えたかったことは、広島での講習会でも説明があったが、トムラウシ山での遭難は、気象遭難ではないということ。

 登山を商品化するうえでの問題点。パーティーを統率するリーダーに求められる力量寒冷障害(低体温症)に対する正しい知識。体力を温存するための基礎的な登山テクニックセルフレスキュー技術を身につけることの重要性などだったが、参加者に問題提起程度は出来たのではと思う。。
また、遭難発生時の経済的な負担に付いても説明した。
 山岳保険に加入できることは岳連加盟の山岳会に所属するメリットの一つだが、十分認識されているとはいえない。
 一旦山岳遭難を起こすと、多額の捜索費用や救助費用が発生するが、通常の傷害保険の適用外だ。
 山岳保険であれば岩登り中の事故も保険が適用されるので家族や山仲間の経済面での負担を軽く出来る。
 自分たちの山登りは、家族や周囲の理解を得られた上ではじめて続けていくことができるものであることを認識して、必ず山岳保険には加入するように呼びかけた。
 説明終了後、受講者から、講義内容に付いて指摘があった。
 「避難小屋の中で女性は、男性と混在した中では濡れた衣類を着替えたくても着替えることがためらわれたかもしれない。」といったことに対して、受講者から「女性を理解していない。」「自分の理想像を言っても仕方がない。」、女性からも「生死がかかっているし、この年で人目は気にしません。」とのことだった。
 その後、素直に(山に登る)女性に対する認識を改めた。指摘事項はこの点だけで、講義の内容に対する受講者の所感は良好だった。
  午後からは、クライミングボードでムンターヒッチ(半間マスト結び)による確保技術や、テープスリングを使った簡易ハーネスの効果を体感した後、講習会を終了し散会した
ムンターヒッチ確保方法を学ぶ
簡易ハーネスの効果を体験する
 セルフレスキューの技術は、山に登る者にとっては重要な登山技術の一つだが、きちんと身につけている人は少ないように感じる。
 指導する側も、最新の技術を入手することや、とっさでも慌てることなく実践できるように日頃から学習を怠らないことが必要と感じた。
 今後もセルフレスキュー技術の必要性と重要性を認識してもらえるように、会の中でも啓蒙に努めて行きたいと考えている。 参考までに、今回の講習会で使用した資料を掲載します。村上会員の「山でかかり易い病気」と合わせてご一読ください。
レスキュー講習会(トムラウシ遭難事故から学ぶ) 指導員講習(病気編)
( 写真;武永(ハイキングクラブ山歩)、江本、文責;江本  )
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